2011-01-08

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第38章練習問題2

38.8
(a) n10/2n=exp{-n log2[1-(10/log2)log n/n]}→0 (n→∞)
(b) 2n/n!=1k n 2/k<2·1·(2/3)n-2→0 (n→∞)
(c) n!/2n2=1k n k/2n<nn/2n2=exp[-n2(log2- log n/n)]→0 (n→∞)
(d) 定義式によりf(n)=ο(1)ならlim n→∞f(n)=0。したがって(i)(iii)ο(1)

38.9
(a)
(i) |n2-n|=|n(n-1)|n (n≥2)なのでn2-nΩ(n)
(ii) n!/2n>(1/2)·1·(3/2)n-2(1/2)·1 (n≥3)なのでn!Ω(2n)
(iii) (5n-3n)/2n=1+nC1·(3/2)+...+nCn-1·(3/2)n-11+nC1+...+nCn-1=2n-1≥(1/2)·2n (n≥1)
なので(5n-3n)/2nΩ(2n)

(b)
ある正定数C1, C2が存在して|f(n)|C1|h(n)|, |h(n)|C2|k(n)|だから
|f(n)|C1C2|k(n)|なのでf(n)Ω(k(n))

(c)
ある正定数Cが存在して|f(n)|C|h(n)|なので|h(n)|≤(1/C)|f(n)|だから
h(n)O(f(n))となり成り立つ。

(d)
|n3-3n2+7|/nd=n3-d-3n2-d +7n-dC>0
十分大きな全てのnについて成り立つために
3-d0でなければならないからd=0,1,2,3

(e)
d0n=Ω(log2 n)d)は明らかに成り立つ。d>0に対しては、
n/(log2 n)d=exp{(1/2)log n[1-2d log(log n)/log n]+d log(log2)}
log(log n)/log n→0 (n→∞)だから、任意に小さい正定数ε/dに対しあるn0が存在して、
nn0なる全てのnに対しlog(log n)/log n<ε/d
となる。したがってnn0なる全てのnに対しn/(log2 n)d>(log2)dn1/2-ε>(log2)dだから、
d>0に対しn=Ω(log2 n)d)は成り立つ。
したがって、すべての整数dについて成り立つ。

(f)
f(n)=Ω(√n)と仮定すると、nn0なる全てのnに対し
|n sin n/√n|=|√n sin n|C (1)となる自然数n0と正定数Cが存在する。
一方、定理31.2により、|n-2πm|<1/mの整数解(n,m)は無数に存在する。
nn0となる解(n,m)を十分大きくとると|sin 1/m|<1/m
またn/m-2π|n/m-2π|<1/m2よりn/m<2π+1/m2で、
さらにこの二次不等式からm>n/(4π)なので、
C|√n sin n|=|√n sin(n-2πm)|<√n/m
=(1/√m)√(n/m)< (1/√m)√(2π+1/m2)<√(3π/m)<√(12π2/n)
これよりn<12π2/C2となるから、nn0なる全てのnに対し(1)が成り立つことと矛盾する。
したがって、f(n)=Ω(√n)でない。



38.10
(a)
|log(1+1/n)|=|1/n-1/(2n2)+1/(3n3)-...|=1/n|1-1/(2n)+ 1/(3n2)-...|
1/n[1+1/(2n)+1/(3n2)+...]<1/n(1+1/n+ 1/n2+...)=1/(n-1)2/n (n2)
また、
|log(1+1/n)|=|1/n-1/(2n2)+1/(3n3)-...|1/n|1-1/n[-1/2+1/(3n)-...]|
1/n{1-1/n[1/2+1/(3n)+1/(4n2)...]}>1/n{1-1/n[1/2+1/(2n)+1/(2n2)+...]}
=(1/n)[1-1/(2n-2)]1/2n (n2)
したがって1/2n<|log(1+1/n)|<2/n (n2)だからlog(1+1/n)=Θ(1/n)

(b)
|log |n3-n2+3|-3log n|=|log|1-1/n+3/n3||<log(1+2/n)<4/n (n1)
また|log|1-1/n+3/n3||>log(1+1/2n)>1/4n (n3)
以上により|log |n3-n2+3|=3log n+Θ(1/n)

(c)
f(n)=a0nd+a1nd-1+...+adとすると、log|f(n)|-d log n=log|a0+a1/n+...+ad/nd|で、
十分大きなnに対し支配的な項は1/nに比例する項なので、
(a)によりlog|f(n)|=d log n+Θ(1/n)
・・・というのが大まかな話だが、細かい不等式の計算がややこしい・・・。

(d)
...

(e)
f(n)=Θ(h(n))すなわち正定数C1, C2, n0が存在して全てのnn0に対し
C1|h(n)|≤| f(n)|≤C2|h(n)|なら、(1/C2)|f(n)|≤|h(n)|≤(1/C1)|f(n)|なので、
h(n)=Θ(f(n))となり必要条件である。

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