2012-04-14

コックス「ガロワ理論」 15.4節の演習問題2


演習問題12
fがℚ[i]上可約と仮定するとf=g1h1、
ただしg1,h1∈ℚ[i][u], 0<deg(g1)<deg(f), 0<deg(h1)<deg(f)。
ℚ[i]はℤ[i]の分数体だから、
定理A.5.8によりあるδ∈ℚ[i]が存在してf=gh、
ただしg=δg1∈ℤ[i][u],h=δh1∈ℤ[i][u], 0<deg(g)<deg(f), 0<deg(h)<deg(f)。

βはℤ[i]の素元なので命題15.4.2によりℤ[i]/βℤ[i]は有限体、
すなわちℤ[i]/βℤ[i]=FN(β)である。
写像ℤ[i][u]→FN(β)[u]を、ℤ[i][u]の元である多項式の各項の係数を、
ℤ[i]のイデアルβℤ[i]による剰余類へ還元した多項式として定義すれば、
この写像は環準同型。

この写像によるf,g,hの像をf',g',h'∈FN(β)[u]とすれば、
f'=g'h'で、β∤a0, β|a1,..., β|adよりf'=[a0]ud=g'h'、
ただし[a0]∈FN(β)はa0を含むβℤ[i]による剰余類の代表元である。
FN(β)は体なので系A.5.7によりUFDだから、
g'=[a]ur, h'=[b]us, [a0]=[a][b],r+s=dとなる。
r=0ならg'=[a]かつdeg(g)>0だから、
gの最高次の項の係数はβℤ[i]の元である。
するとf=ghからa0∈βℤ[i]となるからa0∤βと矛盾。
したがってr>0。同様にs>0。
g'=[a]urだから、gの定数項はβℤ[i]の元である。
同様にhの定数項はβℤ[i]の元である。
fの定数項はこれらg,hの定数項の積となるから、β2|adとなるが、
これはβ2∤adと矛盾するから、r>0もありえない。

したがって、fはℚ[i]上可約ではありえないので既約。

演習問題13
1/(1+x)=∑0≤k<∞ (-1)kxkより、
1/(1+a1(β)u+...+ad(β)ud)=∑0≤k<∞ (-u)k(a1(β)u+...+ad(β)ud-1)kである。
この和の各項はukに比例するから、uの各次数の項は有限個しかない。
よって(15.53)のbk(β)は有限個のa1(β),...,ad(β)∈ℤ[i]の積と和からなるので、
bk(β) ∈ℤ[i]。

演習問題14
(a)
n=1のときG1(u)=1∈ℤ[u]とすればφ(1)(z)=φ'(z)=G1(φ(z)) φ'(z)。
n=2のときG2(u)=-2u3∈ℤ[u]とすればφ(2)(z)=φ''(z)=-2φ3(z)=G2(φ(z))で成り立つ。
nで成り立つと仮定する。
n+1が偶数の時φ(n+1)(z)=dφ(n)(z)/dz=(dGn(φ(z))/dz)φ'(z)+Gn(φ(z))φ''(z)
=Gn'(φ(z))φ'2(z)+Gn(φ(z))φ''(z)=Gn'(φ(z))(1-φ4(z))-2Gn(φ(z))φ3(z)
だから、Gn+1(u)=Gn'(u)(1-u4)-2Gn(u)u3∈ℤ[u]とすれば、
φ(n+1)(z)=Gn+1(φ(z))となり成り立つ。
n+1が奇数の時、同様にφ(n+1)(z)=Gn'(φ(z))φ'(z)だから、
Gn+1(u)=Gn'(u)∈ℤ[u]とすれば、φ(n+1)(z)=Gn+1(φ(z))φ'(z)となり成り立つ。

(b)
φ(z)のz=0での冪級数展開の、n次の展開係数dn=φ(n)(0)/n!。
φ(0)=0,φ'(0)=1と(a)により、φ(n)(0)=Gn(φ(0))=Gn(0)∈ℤなので、
dn∈ℚである。

(c)
φ(z)が解析的な全てのzについてφ(iz)=iφ(z)だから、
この両辺のz=0での冪級数展開の、n次の係数比較と(b)から、
inφ(n)(0)/n!=iφ(n)(0)/n!、すなわちi(in-1-1)φ(n)(0)=0。
故にn≡1 (mod 4)またはφ(n)(0)=0でなければならないので、
n≢1 (mod 4)ならdn=0。
よってcj=d4j+1∈ℚとしてφ(z)=∑0≤j<∞ cjz4j+1。

(d)
(b)によりdn=Gn(0)/n!だからG1(u)=1よりc0=d1=G1(0)/1!=1。

(b)(c)によりcj=d4j+1=Gn(0)/n!で、
(a)によりnが奇数の時Gn+1(u)=Gn'(u)(1-u4)-2Gn(u)u3、
nが偶数の時Gn+1(u)=Gn'(u)なので、φ'(0) =1より、
すべてのn≥1についてGn+1(0)=Gn'(0)だから、dn+1=Gn'(0)/(n+1)!。
G2(u)=-2u3よりd2=0。
G3(u)=G2'(u)=-6u2なので、G3(0)=0よりd3=0。
G4(u)=G3'(u)(1-u4)-2G3(u)u3
=-12u(1-u4)+12u5=-12u+24u5なので、G4(0)=0よりd4=0。
G5(u)=G4'(u)=-12+120u4なので、
G5(0)= -12よりc1=d5=-12/5!=-1/10。

G6(u)=G5'(u)(1-u4)-2G5(u)u3=480u3(1-u4)-2(-12+120u4)u3=504u3-720u7。
G6(0)=0よりd6=0。
G7(u)=G6'(u)=1512u2-5040u6。G7(0)=0よりd7=0。
G8(u)=G7'(u)(1-u4)-2G7(u)u3=(3024u-30240u5)(1-u4)-2(1512u2-5040u6)u3
=3024u+36288u5+40320u9。
G8(0)=0よりd8=0。
G9(u)=G9'(u)=3024+181440u4+362880u8。
G9(0)=3024よりc2=d9=3024/9!=1/120。

演習問題15
φが解析的なℂの領域において、
(z+c1z5+c2z9+...)5= z5(1+c1z4+c2z8+...)5
のzの有限冪には有限個の項の和しか現れないから展開は意味を持つ。
各冪について具体的な項の和をとって、
(z+c1z5+c2z9+...)5=z5(1+5c1z4+...)=z5+5c1z9+...。
同様に
(z+c1z5+c2z9+...)9=z9(1+c1z4+c2z8+...)9=z9(1+9c1z4+...)=z9+9c1z13+...。
これより
b0(β)(z+c1z5+c2z9+...)+b1(β)(z+c1z5+c2z9+...)5+b2(β)(z+c1z5+c2z9+...)9+...
=b0(β)(z+c1z5+c2z9+...)+b1(β)(z5+5c1z9+...)+b2(β)(z9+9c1z13+...)
= b0(β)z+(b0(β)c1+b1(β))z5+(b0(β)c2+5b1(β)c1+b2(β))z9+...
となり、(15.58)を得る。

演習問題16

kについての数学的帰納法により証明する。
k=0のときはS0(β)=1とすれば成り立つ。
k≤mなるすべてのkで、
bk(β)=βSk(β), Sk(u)∈ℚ[u], deg(Sk(u))=4kが成り立つと仮定して、
k=m+1の時を考える。
(15.57)により、zの冪の係数にbm+1(β)が現れる最低次の冪はz4m+5で、
かつz4m+5の係数の表式にbm+1(β)のみの項として入る。
またz4m+5の係数の表式においてb0(β),...,bm(β)は、
c0,...,cm∈ℚとのℤ係数の線形結合として、
∑0≤i≤m,0≤j≤m aijcibj(β) (aij∈ℤ)の形で入る。
したがって、(15.57)のz4m+5の係数の比較は、
cm+1β4m+5=∑0≤i≤m,0≤j≤m aijcibj(β)+bm+1(β)となるから、
bm+1(β)=cm+1β4m+5+∑0≤i≤m,0≤j≤m aijcibj(β)。
帰納法の仮定により0≤j≤mに対しbj(β)=βSj(β)だから、
bm+1(β)=cm+1β4m+5+∑0≤i≤m,0≤j≤m aijciβSj(β)=β(cm+1β4(m+1)+∑0≤i≤m,0≤j≤m aijciSj(β))。
そこでSm+1(u)= cm+1u4(m+1)+∑0≤i≤m,0≤j≤m aijciSj(u)とおけば、
帰納法の仮定により0≤j≤mに対しSj(u)∈ℚ[u]、
また c0,..., cm+1∈ℚ, aij∈ℤなので Sm+1(u)∈ℚ[u]。
0≤j≤mに対しdeg(Sj(u))が最大なのは、deg(Sm(u))=4mだから、
deg(Sm+1(u)) =4(m+1)である。
よってk=m+1でも成り立つ。


演習問題17
nは奇数なので、j∈ℤとしてn=4j+1または4j+3。
4=2(1+i)(1-i)だから、n=4j+1のときn=2(1+i+)(1-i)j+1≡1 (mod 2(1+i))、
n=4j+3=4(j+1)-1のときn=2(1+i)(1-i)(j+1)-1≡-1 (mod 2(1+i))である。
n=4j+1のときは(n-1)/2=2jは偶数で、
n=4j+3のときは(n-1)/2=2j+1は奇数だから、2つの場合をまとめると
n≡(-1)(n-1)/2 (mod 2(1+i))となる。

2012-04-09

コックス「ガロワ理論」 15.4節の演習問題1

演習問題1
命題15.3.4の加法法則を用いて、
φ((1+i)z)=φ(z+iz)=(φ(z)φ'(iz)+φ(iz)φ'(z))/(1+φ2(z)φ2(iz))。
(15.24)よりφ(iz)=iφ(z), φ'(iz)=φ'(z)だから
φ((1+i)z)=(1+i)φ(z)φ'(z)/(1-φ4(z))。
同様に、φ((1-i)z)=φ(z-iz)=(φ(z)φ'(-iz)+φ(-iz)φ'(z))/(1+φ2(z)φ2(-iz))
=(φ(z)φ'(iz)-φ(iz)φ'(z))/(1+φ2(z)φ2(iz))=(1-i)φ(z)φ'(z)/(1-φ4(z))。
したがって(15.36)を得る。

演習問題2
(a)
問題の写像をψ1: ℤ[i]→(ℤ⊕ℤ)として、
ψ1(μ1+ν1i+μ2+ν2i)=ψ1((μ1+μ2)+(ν1+ν2)i)
=((μ1+μ2)(d,-b)+(ν1+ν2)(-c,a)
=(μ1(d,-b)+ν1(-c,a))+(μ2(d,-b)+ν2(-c,a))
=ψ1(μ1+ν1i)+ψ1(μ2+ν2i)
だから、加法に関する群準同型。

(b)
ad-bc=1だから、ψ1(α)=ψ1(m(a+bi))
=ma(d,-b)+mb(-c,a)=(m(ad-bc), m(-ab+ab))=(m,0)。
またψ1(iα)=ψ1(m(-b+ai))
=-mb(d,-b)+ma(-c,a)=(-m(ac+bd),m(a2+b2))。

β=β1+β2i∈ℤ[i] (β1,β2∈ℤ)として、
αℤ[i]の任意の元βα=β1α+β2αi=m(aβ1-bβ2)+m(aβ2+bβ1)iについて、
ψ1(βα)=m(aβ1-bβ2)(d,-b)+m(aβ2+bβ1)(-c,a)
=(m[β1-(ac+bd)β2], m(a2+b2)β2)
=(m[β1-(ac+bd)β2],0)+(0,m(a2+b2)β2)
m[β1-(ac+bd)β2]∈mℤ, m(a2+b2)β2∈m(a2+b2)ℤだから、
ψ1(αℤ[i])⊂mℤ⊕m(a2+b2)ℤ。
逆に任意のms∈mℤ, m(a2+b2)t∈m(a2+b2)ℤ (s,t∈ℤ)について、
β=s+(ac+bd)t+itとすれば
ψ1(αβ)=(ms, m(a2+b2)t)だから、ψ1は全射となりmℤ⊕m(a2+b2)ℤ⊂ψ1(αℤ[i])。
よってmℤ⊕m(a2+b2)ℤ=ψ1(αℤ[i])だから、
(a)の群準同型写像によりαℤ[i]はmℤ⊕m(a2+b2)ℤ⊂ℤ⊕ℤに写る。

(c)
μ+νi∈Ker(ψ1)なら、ψ1(μ+νi)=μ(d,-b)+ν(-c,a)=(μd-νc,-μb+νa)=(0,0)だから、
μd=νc, μb=νaで、これよりμbd=νbc=νadなのでν(ad-bc)=0。
ad-bc=1だからν=0なので、μd=μb=0。μ≠0ならd=b=0より、
ad-bc=0となって、ad-bc=1と矛盾するから、μ=0。
したがってKer(ψ1)={0}だからψ1は1対1。故に(b)により同型。

ℤ[i], ℤは加法群としてAbel群なので、
αℤ[i]=ψ1-1(mℤ⊕m(a2+b2)ℤ)⊴ℤ[i], mℤ⊕m(a2+b2)ℤ⊴ℤ⊕ℤだから、
第1同型定理によりℤ[i]/αℤ[i]≃(ℤ⊕ℤ)/(mℤ⊕m(a2+b2)ℤ) なので、
|ℤ[i]/αℤ[i]|≃|(ℤ⊕ℤ)/(mℤ⊕m(a2+b2)ℤ)|=m2(a2+b2)=N(α)。

演習問題3
ℤ[i]はPIDで、αℤ[i]はℤ[i]の単項イデアルである。

αをℤ[i]の素元とする。
Iをαℤ[i]⊂I⊂ℤ[i]となるイデアルとすると、ℤ[i]はPIDだから、
あるβ∈ℤ[i]が存在してI=βℤ[i]。
α∈βℤ[i]だから、あるγ∈ℤ[i]が存在してα=βγ∈αℤ[i]だが、
αは素元だからαℤ[i]は素イデアルなので、β∈αℤ[i]またはγ∈αℤ[i]。
β∈αℤ[i]ならβℤ[i]⊂αℤ[i]だからβℤ[i]=αℤ[i]。
γ∈αℤ[i]ならすべてのβ∈ℤ[i]についてβγ∈αℤ[i]が成り立つからβℤ[i]=ℤ[i]。
よってαℤ[i]はℤ[i]の極大イデアルだから、
命題3.1.1によりℤ[i]/αℤ[i]は体。(a)により有限体である。

演習問題4
α=α1+α2i (α1,α2∈ℤ), β=β1+β2i (β1, β2∈ℤ)とする。
αβ=(α1β1-α2β2)+(α1β2+α2β1)iについて、
α, βがともに奇なら、α1+α2, β1+β2は奇数で、
このときα1とα2のどちらかは奇数で他方は偶数、
また β1-β2は奇数だから、
α1β1-α2β2+α1β2+α2β1=α1(β1+β2)+α2(β1-β2)は奇数なのでαβは奇。

逆にαβが奇なら、α1(β1+β2)+α2(β1-β2)は奇数。
すなわちα1(β1+β2)とα2(β1-β2) のどちらかは奇数で他方は偶数だが、
β1+β2とβ1-β2の偶奇は一致するから、
β1+β2が偶数ならα1(β1+β2)+α2(β1-β2)は奇数になりえないので、
β1+β2は奇数。故にβは奇。
するとα1とα2のどちらかが奇数で他方は偶数になるからαは奇。
よって(15.38)の1行目の同値が示された。

α,βが共に偶または共に奇なら明らかにα1+α2+β1+β2は偶数だから、
α+β=(α1+β1)+(α2+β2)iは偶。
逆にα+β=(α1+β1)+(α2+β2)iが偶なら、
(α1+α2)+(β1+β2)は偶数なので、α1+α2, β1+β2は共に偶数または共に奇数。
したがってα,βが共に偶または共に奇。
よって(15.38)の2行目の同値が示された。

1+iがαを割るなら、あるα'∈ℤ[i]が存在してα=(1+i)α'。
1+iは偶だから(15.38)の1行目の同値によりαは偶。
逆にα=α1+α2iが偶なら、α1, α2は共に偶数または共に奇数。
α1, α2が共に偶数なら、2|αだから、2=(1+i)(1-i)より1+iはαを割る。
α1, α2が共に奇数なら、α-(1+i)=(α1-1)+(α2-1)iにおいて、
α1-1, α2-1は共に偶数だから、上で示したことにより、
1+iはα-(1+i)を割るので、あるα'∈ℤ[i]が存在してα-(1+i)=(1+i)α'。
よってα=(1+i)(α'+1)だから1+iはαを割る。
よって(15.38)の3行目の同値が示された。

演習問題5
命題15.3.4の加法法則を用いて、
φ((2+i)z)=φ(2z+iz)=(φ(2z)φ'(iz)+φ(iz)φ'(2z))/(1+φ2(2z)φ2(iz))。
2倍公式(15.14)によりφ(2z)=2φ(z)φ'(z)/(1+φ4(z))。
これをzで微分して命題15.2.1と15.2節演習問題3(d)から、
2φ'(2z)=2(1-6φ4(z)+φ3(z))/(1+φ4(z))2により、
φ'(2z)=(1-6φ4(z)+φ8(z))/(1+φ4(z))2。
さらに(15.24)から、φ(iz)=iφ(z),φ'(iz)=φ'(z)。
これらを上のφ((2+i)z)の式に代入して整理すると、
例15.4.3の最初の式が得られる。
この式の分子・分母を因数分解して整理すると
(-2+i)φ8(z)-6iφ4(z)+2+i=i[φ4(z)-(1-2i)][(1+2i)φ4(z)-1],
5φ8(z)-2φ4(z)+1=-[(-1+2i)φ4(z)+1][(1+2i)φ4(z)-1]だから、(15.39)を得る。

演習問題6
(15.42)の第3式は(15.13)にx=βz, y=zを代入するだけである。
第4式は(15.13)にx=βz, y=izを代入して、(15.24)を用いれば得られる。

演習問題7
z=ϖ/2に対しては(1+i)ϖ/2はφ(z)の極なので、別の扱いが必要。
これは演習問題8(b)で行われるので、ここではz≠ϖ/2とする。

mについての数学的帰納法で証明する。
m=0とm=1については、φ(nz)とφ((n+i)z)の公式がすでに得られている。

いまk=m-1とk=mについてPn+ik(u), Qn+ik(u)∈ℤ[i][u] かつQn+ik(0)=1であって、
n+ikが奇の時(15.40)、n+ikが偶の時(15.41)を満たすものが存在すると仮定する。
k=m+1に対し、(15.42)の第4式でβ=n+imとおいて(15.24)を用い、
φ([n+i(m+1)]z)=-φ([n+i(m-1)]z)+2iφ((n+im)z)φ'(z)/(1-φ2((n+im)z)φ2(z))。
帰納法の仮定により、β=n+imが奇なら
φ([n+i(m-1)]z)=φ(z)(Pn+i(m-1)(φ4(z))/Qn+i(m-1)(φ4(z)))φ'(z),
φ((n+im)z)=φ(z)(Pn+im(φ4(z))/Qn+im(φ4(z)))だから、
φ([n+i(m+1)]z)の式に代入して整理すれば、
φ([n+i(m+1)]z)=φ(z)(Pn+i(m+1)(φ4(z))/Qn+i(m+1)(φ4(z)))φ'(z),
Pn+i(m+1)(u)=Pn+i(m-1)(u)(Qn+im2(u)-uPn+im2(u))+2iPn+im(u)Qn+im(u)Pn+i(m-1)(u)∈ℤ[i][u],
Qn+i(m+1)(u)=Qn+i(m-1)(u)(Qn+im2(u)-uPn+im2(u))∈ℤ[i][u]が得られる。
Qn+im(0)=Qn+i(m-1)(0)=1だから、Qn+i(m+1)(0)=1となる。
またβ=n+imが偶なら同様にして、
φ([n+i(m+1)]z)=φ(z)(Pn+i(m+1)(φ4(z))/Qn+i(m+1)(φ4(z))),
Pn+i(m+1)(u)=Pn+i(m-1)(u)(Qn+im2(u)-u(1-u)Pn+im2(u))
+2i(1-u)Pn+im(u)Qn+im(u)Pn+i(m-1)(u)∈ℤ[i][u],
Qn+i(m+1)(u)=Qn+i(m-1)(u)(Qn+im2(u)-u(1-u)Pn+im2(u))∈ℤ[i][u]が得られ、
Qn+i(m+1)(0)=1となる。したがって、k=m+1に対しても、
φ((n+ik)z)に対する所望の公式が得られQn+ik(0)=1となる。

よって、すべてのφ((n+im)z)に対し証明された。

演習問題8
(a)
演習問題2(c)により|ℤ/2(1+i)ℤ|=N(2(1+i))=8で、
具体的な元はℤ/2(1+i)ℤ={[0],[1+i],[1],[1-i],[2+i],[2],[2-i],[3]}
2+i=-i+2(1+i)≡-i (mod 2(1+i)),
2-i=i- i·2(1+i)≡i (mod 2(1+i)),
3=-1+4=-1+(1-i)·2(1+i)≡-1 (mod 2(1+i))なので、
ℤ/2(1+i)ℤ={[0],[1+i],[1],[1-i],[-i],[2],[i],[-1]}。

2(1+i)はℤ[i]の素元では無いので、ℤ/2(1+i)ℤの全ての元に、
乗法の逆元が存在するかどうかは自明ではない。
実際、ℤ/2(1+i)ℤの元の中で乗法の逆元を持つのは、
{±[1], ±[i]}のみで、これらは乗法について閉じているから、
(ℤ/2(1+i)ℤ)*={±[1], ±[i]}={[iε]} (ε=0,1,2,3}。

2(1+i)は偶だから、(15.38)からβが奇であるために、
β≡β' (mod 2(1+i))となるβ'∈ℤ/2(1+i)ℤは奇なので、
β'∈{±[1], ±[i]}=(ℤ/2(1+i)ℤ)*だから、β≡iε (mod 2(1+i)) (ε=0,1,2,3)。

(b)
z=ϖ/2に対しては(1+i)ϖ/2はφ(z)の極なので、
定理15.4.4の証明の第1段において、別の扱いを必要とする。

βは奇なので、(a)によりβ≡iε (mod 2(1+i))だから、
あるα∈ℤ[i]が存在してβ=iε+2(1+i)α。

定理15.3.2により、μ,ν∈ℤとしてφ(2(1+i)α·ϖ/2)=φ((μ+νi)ϖ)=0,
φ‘(2(1+i)α∙ϖ/2)=±1なので、命題15.3.1の加法公式により
φ(βϖ/2)=φ([iε+2(1+i)α]ϖ/2)=±φ(ϖiε/2)=±iεφ(ϖ/2)=iε’ (ε’∈{0,1,2,3})
ただし(15.9)と(15.24)によりφ(iεz)=iεφ(z)を用いた。

演習問題9
ℤ[i]はUFDで、その分数体はℚ[i]なので、定理A.5.8により
ℚ[i][u]においてgcd(Pβ(u),Qβ(u))=1。
故にあるR(u),S(u)∈ℚ[i][u]が存在して、R(u)Pβ(u)+S(u)Qβ(u)=1。
この式はℚ[i]の任意の拡大体で成り立つから、
Pβ(u4), Qβ(u4)がℚ[i]のある拡大体において共通根αを持つと仮定すると、
0=R(α4)Pβ(α4)+S(α4)Qβ(α4)=1となり矛盾。
したがって、Pβ(u4), Qβ(u4)はℚ[i]のいかなる拡大体においても共通根を持たない。
Qβ(0)≠0だから、0はQβの根でないので、uPβ(u4), Qβ(u4)も、
ℚ[i]のいかなる拡大体においても共通根を持たない。

演習問題10

(15.40)は(15.50)で使うので、他のことから示すのだと思うが・・・。


演習問題11
A'(u)=udA(1/u), B'(u)=udeg(B)B(1/u)についてgcd(A',B')=g(u) とすると、
A'(u)=A1(u)g(u), B'(u)=B1(u)g(u), gcd(A1,B1)=1と書ける。
A'(1/u)= u-dA(u)=A1(1/u)g(1/u)で、d=deg(A1)+deg(g)なので、
A(u)=udA1(1/u)g(1/u)=(udeg(A1)A1(1/u))(udeg(g)g(1/u)),
同様にB(u)=(udeg(B1)B1(1/u))(udeg(g)g(1/u)),
となり、udeg(A1)A1(1/u), udeg(B1)B1(1/u), udeg(g)g(1/u)∈F[u]だから、
gcd(A,B)=udeg(g)g(1/u)。
ところがAとBは素だから、deg(g)=0でなければならない。
Aは0でない多項式だからλ∈F*としてg=λで、
deg(A1)=d, deg(B1)=deg(B)。

するとA(u)/B(u)=B(1/u)/A(1/u)=ud-deg(B)B1(u)/A1(u)だから、
d>deg(B)ならA(u)A1(u)=ud-deg(B)B(u)B1(u)で、
左辺の次数は2d、右辺の次数はd+deg(B)<2dで矛盾。
d<deg(B)でも同様に矛盾が導かれるので、d=deg(B)。
するとA(u)/B(u)=B1(u)/A1(u)だからA(u)A1(u)=B1(u)B(u)で、
gcd(A,B)=1かつgcd(A1,B1)=1だから、A(u)=B1(u)かつB(u)=A1(u)。
よって udA(1/u)=A'(u)=λA1(u)=λB(u)。