演習問題1
L1はfの分解体なので、定理5.2.4によりF⊂L1は正規かつ有限次拡大。
さらに補題4.4.2により代数拡大で、
Fは8.5節の仮定により標数0なので、命題5.3.7によりF⊂L1は分離拡大。
したがってF⊂L1は定理7.1.1によりGalois拡大である。
同様にF⊂L2もGalois拡大。
F⊂L1が可解とすると、ζ1をL1での1の原始m乗根(m=[L1:F])として、
F⊂M1=L1(ζ1)は補題8.3.1によりGalois拡大となり、
定理7.1.1によりM1は分離多項式g=xm-1∈F[x]の分解体である。
gをL1[x]の元とみなしたものをg1と書くことにし、また、
gはL2[x]の元でもあるので、L2[x]の元とみなしたものをg2と書くことにする。
g2のL2上の分解体をM2とすると、定理7.1.1によりF⊂M2はGalois拡大。
L1,L2はfの分解体だから系5.1.7により、
L1≃L2となるF上恒等な同型φが存在するので、
[L2:F]=mだから、M2での1の原始m乗根をζ2とすれば、M2=L2(ζ2)。
φはF上恒等だからφ(g1)=g2。
したがって定理5.1.6の条件をφ, g1, L1, L2, M1, M2は満たすから、
同型φ: M1≃M2が存在してφ=φ|L1。
F⊂L1は可解Galois拡大だから系8.3.4により F⊂M1=L1(ζ1)は冪根的。
すなわち定義8.2.1により体の列F=F0⊂F1⊂...⊂Fn=M1と、
mi>0 (i=1,...,n)が存在して、Fi=Fi-1(γi), γimi∈Fi-1。
同型φによって、体の列F=φ(F0)=F0⊂φ(F1)⊂...⊂φ(Fn)=M2が得られ、、
φ(Fi)=φ(Fi-1)(φ(γi)),
φ(γi)mi∈φ(Fi-1)となるから、F⊂M2=L2(ζ2)も冪根的となる。
したがってF⊂L1は可解。F⊂L2が可解の場合も同様。
演習問題2
fは既約だから命題4.1.5によりαの最小多項式なので、
命題4.3.4により[F(α):F]=deg(f)。したがってF⊂F(α)は有限次拡大だから、
命題7.1.7によりGalois閉包F(α)⊂Mが存在して拡大F⊂MはGalois拡大、
したがって正規拡大。fは既約かつα∈Mだから、
命題5.2.1によりfはM上完全分解するので、
fの分解体をLとすればL⊂M。
fは分離的だから、定理7.1.1によりF⊂LはGalois拡大なので、
命題7.1.7によりM⊂Lとなり、故にM=Lである。
したがって、MはfのF上の分解体。
演習問題3
Fの標数は0だから命題5.3.8により、g=f/gcd(f,f')は分離的。
fは分離的でないので命題5.3.2によりgcd(f,f')>0だからdeg(g)<4。
故に命題8.5.4によりgは冪根で解ける。
gとfは同じ根を持つから、以上によりfの根が得られた。
演習問題4
fはℚ上の最小多項式なのでℚ上既約だから、命題8.5.2により直ちに従う。
演習問題5
...
演習問題6
HをGの2-Sylow部分群とし、定理8.5.8の証明と同様にして、
固定体ℝ⊂LHを考える。[LH:ℝ]=|G|/|H|<∞は有限次拡大だから、
定理4.4.3によりℝ上代数的なα1,... αmが存在して、LH=ℝ(α1,... αm)。
定理4.3.8(塔定理)により、各αiのℝ上の最小多項式をfi∈ℝ[x]として、
[LH:ℝ]=∏i deg(fi)である。[LH:ℝ]=|G|/|H|は奇数なので、
全ての1≤i≤
mについて
deg(fi)は奇数となるが、
すると各fiは命題3.2.2によりℝに根を持つのだから、
fiがℝ上既約であるためには、全ての1≤i≤
mについて
deg(fi)=1でなければならない。
したがって[LH:ℝ]=1だからG=Hとなるので、
Galois対応によりℝの奇数次拡大は次数1の自明な拡大しかありえない。
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