演習問題1
0と1からC1を使ってx軸を得、
C2を使って0を中心とした半径1の円を描くと、
P2により-1が得られる。
1と-1の距離は2である。そこでC2を使って、
1,-1を中心としたともに半径2の円をそれぞれ描くと、
P3により交点√3i, -√3iが得られるから、
これらの2点にC1を使ってy軸を得る。
演習問題2
(a)
0と1からC1を使ってx軸を得る。
C2を使って0を中心とした半径|α-β|の円c1を描き、
P2によりc1とx軸のx>0となる側との交点εを得る。
C2を使って0を中心とした半径|α-γ|の円c2を描き、
C2を使ってεを中心とした半径|β-γ|の円c3を描くと、
P3によりc2とc3の交点が、上半平面と下半平面にそれぞれ一つできる。
このうち上半平面の交点をδとすればよい。
(b)
正n角形が直定規とコンパスで作図可能ならζnが作図可能であることは、
例10.1.3で示された。
逆にζnが作図可能なら、(a)により0,1, ζnのなす角は2π/nだから、
ζnを中心とした半径|1-ζn|の円と単位円の交点は1, ζn2。
以下繰り返して、1のすべてのn乗根1, ζn, ζn2,.... ζnn-1を得るので、
単位円上で隣り合うn乗根を直定規で結んで正n角形が得られる。
演習問題3
(a)
αを中心とした半径|β|の円と、0とαを結ぶ直線の交点がα+β。
したがってα+βは0, α, βが同一直線上にある時も作図可能。
(b)
三角形(0,1,ia)~三角形(0,d,i)よりd/1=d=i/ia=1/a。
(c)
a∈C⋂ℝ,
a>0なら、0を中心とした半径aの円とx軸の2つの交点のうち、
一つはaで、aでない方が-aだから-a∈C⋂ℝとなり、
C⋂ℝは加法の逆元について閉じている。
a,b∈C⋂ℝについて、x軸上で(a)を用いてa+b∈Cで、
(a)での作り方から明らかにa+b∈ℝだから、a+b∈C⋂ℝ
となりC⋂ℝは加法について閉じている。
またab=sign(a)sign(b)|a||b|, 1/a=sign(a)/|a|で、
|a|>0,|b|>0なら|a||b|, 1/|a|∈C⋂{x∈ℝ |x>0}、
またa=0またはb=0ならab=0∈C⋂ℝだから、
C⋂ℝは乗法と乗法の逆元について閉じている。
以上によりC⋂ℝは体となり、故にℝの部分体である。
(d)
(10.1)において三角形(0,1,α)~三角形(1,α,1+r)より1/d=d/r、故にd=√r∈C。
演習問題4
(a)
高校の解析幾何からl1の方程式は(v1-v2)x+(u2-u1)y=u2v1-u1v2
だから、a1=v1-v2∈F,
b1=u2-u1∈F,
c1=u2v1-u1v2∈Fとすればよい。
α1とβ1は異なる点だから、a1とb1が共に0になることはない。
(b)
Re(α2), Im(α2), Re(β2),
Im(β2)∈Fなので、r=|α2-β2|とすれば
r2=(Re(α2)-Re(β2))2+(Im(α2)-Im(β2))2∈F。
γ2=w1+iw2
(w1,w2∈F)とすれば、求める円の方程式は
(x-w1)2+(y-w2)2=r2だから、
a2=-2w1∈F, b2=-2w2∈F, c2=r2-w12-w22∈Fとすれば(10.3)を得る。
(c)
a1=0なら、α1とβ1は異なる点だから(a)により、
a1とb1が共に0になることはないのでb1≠0。
すなわちy=Im(α)=c1/b1=v1∈Fn。
これを(10.3)に代入してxの二次方程式x2+a2x+v12+b2v1+c2=0が得られる。
この根x=Re(α)はFnに入るか、またはFnの二次拡大に入る。
演習問題5
(a)
P1によって0と1を結んでx軸を得る。
0と1の距離は1なので、
C1を使って単位円u1と、1を中心とした半径1の円c1を描く事ができる。
P3によってこの2円の2つの交点のうち上半平面の(1+i√3)/2が得られ、
さらにC1を使って、(1+i√3)/2を中心とした、
半径が|(1+i√3)/2-1|=1の円c2を描く事ができる。
P3によってu1とc2の交点のうち1と異なる点として、
(-1+i√3)/2=e2πi/3=ζ3を得る。
(b)
i√3の最小多項式f=x2+3の分解体ℚ(i√3)を用いて、
ζ3=(-1+i√3)/2∈ℚ(i√3)かつ[ℚ(i√3):ℚ]=deg(f)=2となるから、
定理10.1.6によりζ3は作図可能。
演習問題6
直定規とコンパスで20°=60°/3が作図できたとすると、
その倍角の40°も作図可能だから、例10.1.9で示されたことと矛盾する。
・・・のだが、多分そういう証明をCoxが期待しているのではないので、
もそっと丁寧に。
直定規とコンパスで20°=60°/3が作図できると仮定する。
これは単位円上にζ18=cos20°+isin20°が作図可能であることを意味する。
するとζ18からx軸に垂線を下ろすことで、cos20°が作図可能。
1.3節のcosの3倍角公式から、
cos60°=1/2=4cos320°-3cos20°なので、
f=8x3-6x-1の根が作図可能。
命題A.3.1によりfがℚに根を持てば根は±1, ±1/2, ±1/4, ±1/8のいずれかだが、
これらはすべてfの根ではないから、補題A.1.19によりfはℚ上規約となり、
したがって命題4.1.5によりfはcos20°のℚ上の最小多項式。
ところがLをfの分解体とするとdeg(f)=3|[L:ℚ]だから定理10.1.12と矛盾。
よって直定規とコンパスでは20°は作図不能。
演習問題7
ℚ⊂Fは有限次拡大だから補題4.4.2により代数拡大で、
Fの標数は0だから命題5.3.7により分離拡大。
したがって命題7.1.7により、
F⊂MとなるFのℚ上のGalois閉包Mが同型を除き一意に存在する。
ℚ⊂Fは代数拡大なので、定理4.4.3により、
F=ℚ(α1,..., αm) (m=[F:ℚ])となる、
ℚ上代数的なα1,..., αm∈Fが存在する。
命題7.1.6の証明から、α1,..., αmのℚ上の最小多項式p1,...,pm∈ℚ[x]のうち、
相異なる多項式をq1,...,qrとしてf=q1...qrとし、
fの根全体をβ1,..., βnとすれば、M=ℚ(β1,..., βn)。
F⊂ℂなのでα1,..., αm∈ℂだから、fはℂに根を持つので、
命題3.2.1によりfはℂ上完全分解する。
したがってβ1,..., βn∈ℂだからM⊂ℂである。
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