演習問題1
f=(x+y)4(x2+y)2(x-5y), g=(x+y)(x2+y)3(x+3y), h=(x+y)4(x2+y)3(x-5y)(x+3y)として、
f|hかつg|hだから<h>⊂<f>かつ<h>⊂<g>なので<h>⊂<f>⋂<g>。
逆にa∈<f>⋂<g>とする。
f|aかつg|aだから、(x+y)4|a, (x2+y)3|a, (x-5y)|a, (x+3y)|aなのでh|a。
したがって<f>⋂<g>⊂<h>。
よって<f>⋂<g>=<h>。
演習問題2
(1)式の右辺が定義12(i)を満たすのは明らか。
あるh∈k[x1,...,xn]についてf|h, g|hとし、
fの一意なすべての規約因子をp1,...,pt、
gの一意なすべての規約因子をq1,...,quとすれば、
すべてのpi, qjについてpi|h,
qj|hである。
{p1,...,pt}⋂{q1,...,qu}の規約因子の中で、
重複する因子は同じと見て1つずつ取り出したものをf1,...,flとし、
{p1,...,pt}-({p1,...,pt}⋂{q1,...,qu})の規約因子を同様にfl+1,...,fr,
{q1,...,qu}-({p1,...,pt}⋂{q1,...,qu})の規約因子をgl+1,...,gsとする。
またfiの{p1,...,pt}における重複の数をai、
gjの{q1,...,qu}における重複の数をbjとすれば、
すべてのf1,...,flについてfiai|h, fibi|hだからfimax(ai,bi)|h、
すべてのfl+1,...,frについてfiai|h、すべてのgl+1,...,gsについてgibi|hなので、
f1max(a1,b1)... flmax(al,bl)gl+1bl+1... gsbsfl+1al+1... frar|hとなるから、
(1)の右辺はhを割るので、(1)の右辺は定義12(ii)を満たす。
したがって(1)式が成り立つ。
演習問題3&4
命題9によりI⋂Jはイデアル。
I=<f>, J=<g> (f,g∈k[x1,...,xn])とすれば、f|LCM(f,g)かつg|LCM(f,g)なので、
LCM(f,g)∈I⋂Jだから、<LCM(f,g)>⊂I⋂J。
h∈I⋂Jとすれば、f|hかつg|hなので、定義12によりLCM(f,g)|hだから、
h∈<LCM(f,g)>となりI⋂J⊂<LCM(f,g)>。
したがってI⋂J=<LCM(f,g)>だから、I⋂Jは主イデアルで生成元はLCM(f,g)。
演習問題5
f,gを規約分解して(1)式のように表示したとし、
max(ai,bi)=ci, min(ai,bi)=diとおく。
h=f1d1...fldlとすればci+di=ai+biより、fg=LCM(f,g)·h。
明らかにh|fかつh|gだから§2定義11によりh|GCD(f,g)。
f1d1,...,fldlはk上規約だから、一意分解性により、
GCD(f,g)はf1d1,...,fldlを規約因子として持つ。
1≤i≤lなる全てのfiについて、
diの定義からfidi+1∤fまたはfidi+1∤gなので、
GCD(f,g)はfidi+1∤fを規約因子として持ち得ないから、
f1,..., flを規約因子に持たないp∈k[x1,...,xn]が存在して、
GCD(f,g)=f1d1...fldl·p=hp。
ここでp|fl+1al+1... frarかつp|gl+1bl+1... gsbsだが、
定義により{fl+1,..., fr}⋂{gl+1,...,gs}=∅だから、pはk[x1,...,xn]の単数なのでp∈k。
すなわちhとGCD(f,g)は定数倍の違いしかない。
§2演習問題9からGCD(f,g)には定数倍の不定性は許容されるので、
h=GCD(f,g)としてよい。
したがってfg=LCM(f,g)·GCD(f,g)となり命題14が成り立つ。
演習問題6
小問a
I1=<f1,..., fr>,
I2=<g1,..., gs>, J=<h1,..., ht>とすれば、
命題2によりI1+I2=<f1,..., fr,g1,..., gs>なので、
命題5と命題2により(I1+I2)J
=<h1f1,...,h1fr, h2f1,...,h2fr,..., htf1,...,
htfr,h1g1,...,h1gs, h2g1,...,h2gs,..., htg1,...,
htgs>
=<h1f1,...,h1fr, h2f1,...,h2fr,..., htf1,...,
htfr>+<h1g1,...,h1gs, h2g1,...,h2gs,..., htg1,...,
htgs>
=I1J +I2J。
小問b
I=<f1,..., fs>, J=<g1,..., gt>とすれば、
IJ=<f1g1,..., fsg1, f1g2,..., fsg2,...,
f1gt,..., fsgt>
=<g1f1,..., gtf1, g1f2,..., gtf2,...,
g1fs,..., gtfs>=JI
なので、イデアルの積は可換。
したがって(I1...Ir)m=I1m...Irm。
演習問題7
小問a
g∈√Iとすると、あるn∈ℕが存在してgn∈I。
あるm>0に対しIm⊂Jとなったとすると、gnm∈Im⊂J。
故にg∈√Jとなるから、√I⊂√J。
小問b
一般にk[x1,...,xn]のイデアルI1, I2について、
f1∈I1,
f2∈I2とするとf1+f2∈I1+I2で、
§2補題5によりI1⊂√I1, I2⊂√I2だからf1∈√I1, f2∈√I12より
f1+f2∈√I1+√I2となるのでI1+I2⊂√I1+√I2。
f∈√(I+J)とすれば、あるm∈ℕが存在してfm∈I+J⊂√I+√Jとなるから、
f∈√(√I+√J)なので√(I+J)⊂√(√I+√J)。
g∈√(√I+√J)とすればあるn∈ℕが存在してgn∈√I+√Jとなるから、
あるg1∈√I, g2∈√Jが存在してgn=g1+g2。
g1∈√I, g2∈√Jよりあるn1,n2∈ℕが存在してg1n1∈I, g2n2∈Jである。
(gn)n1+n2-1=(g1+g2)n1+n2-1
の2項展開の各項は、§2補題5の証明と同様に、
g1n1とg2n2のいずれかを含むので、(gn)n1+n2-1=gn(n1+n2-1)∈I+J。
故にg∈√(I+J)だから√(√I+√J)⊂√(I+J)。
したがって√(I+J)=√(√I+√J)。
演習問題8
特に書いてないがℚ[x,y,z]での話だろうな。
小問a
Maximaで
-----
f:
x^4+x^3*y+x^3*z^2-x^2*y^2+x^2*y*z^2-x*y^3-x*y^2*z^2-y^3*z^2;
g:
x^4+2*x^3*z^2-x^2*y^2+x^2*z^4-2*x*y^2*z^2-y^2*z^4;
lcm(f,g);
-----
からLCM(f,g)=(x-y)(x+y)2(x+z2)2を得るので、命題13により
<f>⋂<g>=<(x-y)(x+y)2(x+z2)2>。
Maximaで
-----
factor(f);
factor(g);
-----
よりf=(x-y)(x+y)2(x+z2), g=(x-y)(x+y)(x+z2)2なので、
fg=(x-y)2(x+y)3(x+z2)3だから、
§2命題9より√(<f><g>)=√(<fg>)=<(x-y)(x+y)(x+z2)>。
小問b
小問aと命題14によりGCD(f,g)=fg/LCM(f,g)=(x-y)(x+y)(x+z2)。
小問c
定理11により<tf,tg,(1-t)p,(1-t)q>の簡約Gröbner基底で、
ℚ[x,y,z]の元であるものを生成元とするイデアルを求めればよい。
Maximaで
-----
load("grobner");
p:
x^2+x*y+x*z+y*z;
q:
x^2-x*y-x*z+y*z;
tI1:t*[f,g];
tI2:
(1-t)*[p,q];
I: poly_reduced_grobner(append(tI1,tI2),[t,x,y,z]);
factor(I[3]);
factor(I[5]);
-----
により、<tf,tg,(1-t)p,(1-t)q>⋂ℚ[x,y,z]
={(x-y)(x+y)(x+z2)(y-z2), (x-y)(x+y)(x+z2)2}を得るので、
<f,g>⋂<p,q>=<(x-y)(x+y)(x+z2)(y-z2), (x-y)(x+y)(x+z2)2>。
演習問題9
一般にf∈IJなら、あるf1,..., fr∈I, g1,..., gr∈Jとa1,..., ar∈k[x1,...,xn]が存在して、
f=a1f1g1+...+ arfrgr。これよりf∈Iかつf∈Jだからf∈I⋂JなのでIJ⊂I⋂J。
f∈√(IJ)とすると、あるm∈ℕが存在してfm∈IJ⊂I⋂Jとなるから、
f∈√(I⋂J)なので√(IJ)⊂√(I⋂J)。
逆にf∈√(I⋂J)とする。命題16により√(I⋂J)=√I⋂√Jだから、
あるp,q∈ℕが存在してfp∈Iかつfq∈J。
fp+q=fpfq∈IJなので、f∈√(IJ)となり√(I⋂J)⊂√(IJ)。
したがって√(I⋂J)=√(IJ)。
ℚ[x,y,z]の根基イデアルI=<xy>とJ=<xz>について、
IJ=<x2yz>は√(IJ)=<xyz>≠IJなので根基でない。
I=√I, J=√Jだから√(IJ)≠√I√Jの例にもなっている。
演習問題10
HTMLの制限により\tilde(I)をIで表す。
I=<p1(x),...,pr(x)>とする。p1(x),...,pr(x)∈k[x1,...,xn]を、
k[x1,...,xn,t]の同じ多項式と同一視すれば、
補題10によりk[x1,...,xn,t]のイデアルとしてf(t)I=<f(t)p1(x),..., f(t)pr(x)>。
k[x1,...,xn,t]のイデアルとしてI=<p1(x),...,pr(x)>なので、
命題6により<f(t)>I=<f(t)p1(x),..., f(t)pr(x)>だから<f(t)>I=f(t)I。
演習問題11
小問a
定理4によりV(I+J)=V(I)⋂V(J)。
ℂは代数的閉体なので、V(I)⋂V(J)=∅なら、
弱形の零点定理によりIとJは相互極大。
逆にIとJが相互極大なら、I+J∋1≠0だから、
第2章§5定義8によりV(I+J)=∅。よってV(I)⋂V(J)=∅。
kが代数的閉体でなければ、
kに根を持たない2次以上のk上既約な1変数多項式f(x)∈k[x]が存在する。
g=f(x1)∈k[x1,...,xn]とすればV(<g>)=∅なので、
hをg の任意の定数倍でない倍式とすれば、V(<g>)⋂V(<h>)=∅。
しかし<h>⊂<g>より<g>+<h>=<g>≠k[x1,...,xn]だから、
<g>と<h>は相互極大でない。
小問b
IJ⊂I⋂Jは常に成り立つから、逆の包含関係を示す。
f∈I⋂Jとする。I=<g1,...,gr>,
J=<h1,...,hs>とすれば、
a1,...,ar,b1,...,bs∈k[x1,...,xn]が存在して、
f=a1g1+...+ argr=b1h1+...+ bshsと書ける。
IとJは相互極大なので1∈I+Jだから、
あるg∈I,
h∈JとA,B∈k[x1,...,xn]が存在してAg+Bh=1となるので、
f=1f=Agf+Bhf=Ag(b1h1+...+ bshs)+Bh(a1g1+...+ argr)
=Ab1gh1+...+ Absghs+Ba1hg1+...+ Barhgr。
ここでgh1,...,ghs,hg1,...,hgr∈IJだから、f∈IJ。
したがってI⋂J⊂IJなのでIJ=I⋂J。
小問c
ℂ[x,y]においてI=<x>,J=<y>とすれば、IとJは根基で、
IJ=<xy>も§2命題9により根基だから、
演習問題9と命題16を用いてIJ=√(IJ)=√(I⋂J)=√I⋂√J=I⋂J。
ところがV(I)⋂V(J)={(0,0)}≠∅だから、
小問aによりI+Jは相互極大でない。従って逆は成り立たない。
小問d
IとJは相互極大なので1∈I+Jだから、
あるf∈I,
g∈JとA,B∈k[x1,...,xn]が存在してAf+Bg=1となる。
このとき1=(Af+Bg)2=(A2f+2ABg)f+A2g2∈I+J2だから、
I+J2=k[x1,...,xn]となるのでIとJ2は相互極大。
より一般に、1=(Af+Bg)r+s-1の右辺を展開すると、
2項展開の各項はfrとgsのいずれかを含むから、
1∈Ir+JsとなりIrとJsは相互極大。
小問e
う~ん・・・。
I1⋂... ⋂Ir⊂I1... Irなので、逆向きの包含関係を示せばI1⋂... ⋂Ir=I1... Irとなり、
あとは小問dと演習問題6bを使って証明が終わるわけだが・・・。
f∈I1⋂... ⋂Irとし、
仮定から1=Af1+Bf2=Cf1+Df3=...=Yf1+Zfr=A'f2+B'f3=...
(fi∈Ii, A,B,... ∈k[x1,...,xn])といった、1の別表現がいくつも作れるので、
そこからf∈I1... Irとなる形を組み上げるのだと思うけど・・・。
演習問題12
Hilbertの基底定理によりI=<f1,...,fr>。
I⊂√Jだから、あるm1,...,mr∈ℕが存在して、
すべての1≤i≤rについてfimi∈J。
m=m1+...+mrとすれば(多分本当はm=m1+...+mr-(r-1)で十分だが)、
命題6からImの基底はf1j1...frjr (j1+...+jr=m)と、
f1,...,frについての全次数がm次の同次式となる
すると少なくとも1つのji≥miとなるから全てのf1j1...frjr∈Jとなる。
故にIm⊂J。
演習問題13
§1演習問題9a,9bによりαAは環準同型。
小問a
αA(0)=0は明らかだから0∈ker(αA)。
αAは環準同型なのでf1,f2∈ker(αA)と任意のA1,A2∈k[x1,...,xm]について、
αA(A1f1+A2f2)=αA(A1)αA(f1)+αA(A2)αA(f2)=0だから、A1f1+A2f2∈ker(αA)。
したがってker(αA)はイデアル。
小問b
I=<f1,...,fr>、 A1,...,Ar∈k[x1,...,xm]とすれば、
αAは環準同型なのでαA(A1f1+...+Arfr)=αA(A1)αA(f1)+...+αA(Ar)αA(fr)だが、
αA(A1),...,αA(Ar)の全体、すなわちαAによるk[x1,...,xm]の像は、
k[y1,...,yn]に必ずしも一致しないから、
αA(I)は第1章§4定義1(iii)を一般に満たさない。
例えば§1演習問題9dのように、
A=((1,0) (1,0))すなわちx1=y1, x2=y1なら、
αA: k[x1,x2]→k[y1,y2] ((x1,x2)↦(y1,y1))は環準同型だが、
I=k[x1,x2]としてαA(I)⊂k[y1]だから、
任意のg∈αA(I)とh∈k[y2]⊂k[y1,y2]について
gh∉αA(I)となるのでαA(I)はイデアルではない。
小問c
§1演習問題9eと同様。
αA(0)=0∈I'なので0∈αA-1(I')。またf,g∈αA-1(I')とすると、
αAは環準同型なのでαA(f+g)=αA(f)+αA(g)∈I'だからf+g∈αA-1(I')、
h∈k[x1,...,xn]としてαAは環準同型なので、
αA(hf)=αA(h)αA(f)∈I'となるからhf∈αA-1(I')。
したがってαA-1(I')はk[x1,...,xm]のイデアル。
演習問題14
補題として、I=<f1,...,fr>なら<αA(I)>=<αA(f1),...,αA(fr)>を示す。
(αA(f1),...,αA(fr)には0が含まれるかもしれない)。
{αA(f1),...,αA(fr)}⊂αA(I)より<αA(f1),...,αA(fr)>⊂<αA(I)>は明らかなので、
逆の包含関係を示せば良い。
pA∈<αA(I)>ならp1,...,ps∈Iとc1,...,cs∈k[y1,...,yn]が存在して、
pA=c1αA(p1)+...+csαA(ps)なので、
pi=bi1f1+...+birfr, Cj=c1αA(b1j)+...+csαA(bsj)∈k[y1,...,yn]
(ただしbij∈k[x1,...,xm])とすれば、
pA=C1αA(f1)+...+CrαA(fr)と書けるから<αA(I)>⊂<αA(f1),...,αA(fr)>。
したがって<αA(I)>=<αA(f1),...,αA(fr)>。
以下小問a~dではI=<f1,...,fr>, J=<g1,...,gs>とする。上の補題より、
<αA(I)>=<αA(f1),...,αA(fr)>, <αA(J)>=<αA(g1),...,αA(gs)>である。
小問a
fA∈<αA(I)>ならb1,...,br∈k[y1,...,yn]が存在して、
fA=b1αA(f1)+...+brαA(fr)。
I⊂Jよりf1,...,fr∈JだからαA(f1),...,αA(fr) ∈αA(J)なのでfA∈<αA(J)>。
したがってαA(I)⊂αA(J)。
小問b
命題2と補題により<αA(I+J)>=<αA(f1),...,αA(fr),αA(g1),...,αA(gr)>
=<αA(f1),...,αA(fr)>+<αA(g1),...,αA(gr)>=<αA(I)>+<αA(J)>。
小問c
fA∈<αA(IJ)>なら、あるcij∈k[y1,...,yn] (1≤i≤r, 1≤j≤s)が存在して、補題により
fA=∑cijαA(figj)=∑cijαA(fi)αA(gj)∈<αA(I)><αA(J)> (1)だから、
<αA(IJ)>⊂<αA(I)><αA(J)>。
fA∈<αA(I)><αA(J)>なら、(1)の等式を逆にたどれば補題により、
fA∈<αA(IJ)>がわかるので、<αA(I)><αA(J)>⊂<αA(IJ)>。
したがって<αA(IJ)>=<αA(I)><αA(J)>。
小問d
(著者コックス公式の第3版errata:192ページの項で、
✕「I⊃KまたはJ⊃Kならば」
→◯「I⊃KまたはJ⊃K、かつαAが全射ならば」の修正)
fA∈<αA(I⋂J)>とすると、あるh1,...,ht∈I⋂Jについて、
d1,...,dt∈k[y1,...,yn]が存在して、fA=d1αA(h1)+...+dtαA(ht)。
h1,...,htはIの元なのでhi=bi1f1+...+birfr (bij∈k[x1,...,xm])だから、
補題の証明と同様にしてfA=C1αA(f1)+...+CrαA(fr)∈<αA(I)>
(Cj=d1αA(b1j)+...+dtαA(btj)∈k[y1,...,yn])。
h1,...,htはJの元でもあるので同様にfA∈<αA(J)>となるので、
fA∈<αA(I)>⋂<αA(J)>。故に<αA(I⋂J)>⊂<αA(I)>⋂<αA(J)>。
K⊂Iとする。
fA∈<αA(I)>⋂<αA(J)>とすれば、
b1,...,br,c1,...,cs∈k[y1,...,yn]が存在して、補題により
fA=b1αA(f1)+...+brαA(fr)かつfA=c1αA(g1)+...+csαA(gs)。
αA: k[x1,...,xm]→k[y1,...,yn]は全射だから、
B1,...,Br∈k[x1,...,xm]が存在してbi=αA(Bi)なので、
fA=αA(B1)αA(f1)+...+αA(Br)αA(fr)。
αAは環準同型だからfA=αA(B1f1+...+Brfr)。
同様にC1,...,Cr∈k[x1,...,xm]が存在してfA=αA(C1g1+...+Csgs)。
f=B1f1+...+Brfr∈I, g=C1g1+...+Csgs∈Jとすると、
αA(f-g)=fA-fA=0なのでf-g=h∈K⊂I。
これよりg=f-h∈Iとなるから、g∈I⋂J。
よってfA=αA(g)∈αA(I⋂J)だから<αA(I)>⋂<αA(J)>⊂αA(I⋂J)。
したがって<αA(I⋂J)>=<αA(I)>⋂<αA(J)>。
K⊂Jの時も同様だから、K⊂IまたはK⊂J、かつαAが全射なら、
<αA(I⋂J)>=<αA(I)>⋂<αA(J)>となる。
小問e
(著者コックス公式の第3版errata:192ページの項で、
✕「I⊃Kならば」
→◯「I⊃KかつαAが全射ならば」の修正)
√I=<f1...,fr>とする。
fA∈<αA(√I)>なら、b1,...,br∈k[y1,...,yn]が存在して、
補題によりfA=b1αA(f1)+...+brαA(fr)。
fi∈√Iだからl1,...,lr∈ℕが存在してfili∈Iなので、αA(fi)li=αA(fili)∈αA(I)。
l=l1+...+lrとすれば(多分本当はl=l1+...+lr-(r-1)で十分だが)、
fAl=(b1αA(f1)+...+brαA(fr))lの展開の各項はf1j1...frjr (j1+...+jr=l)を含む。
すると、どの項でも少なくとも1つのji≥liとなるからfAl∈<αA(I)>。
故にfA∈√<αA(I)>なので<αA(√I)>⊂√<αA(I)>。
fA∈√<αA(I)>とすると、あるl∈ℕが存在してfAl∈<αA(I)>。
αA: k[x1,...,xm]→k[y1,...,yn]は全射だから、小問dと同様に、
あるf∈√Iが存在してfAl=αA(f)だが・・・。
う~ん、なんか条件足んないんじゃないの?
演習問題15
小問a
f∈αA-1(I')ならfA=αA(f)∈I'とすれば、I'⊂J'よりfA∈J'だからf∈αA-1(J')。
小問b
(著者コックス公式の第3版errata
(第2刷用):192ページの項で、
✕「αA-1(I'+J')=αA-1(I')+αA-1(J').」
→◯「αA-1(I'+J')⊃αA-1(I')+αA-1(J'). αAが全射ならば等号が成立する.」
の修正があるが、多分さらに修正が必要で、
→◎「αA-1(I'+J')⊃αA-1(I')+αA-1(J').
右辺がKを含み、かつαAが全射ならば等号が成立する.」
だと思う)
f∈αA-1(I')+αA-1(J')なら、あるf1∈αA-1(I'), g1∈αA-1(J')が存在してf=f1+g1。
これよりαA(f)=αA(f1+g1)=αA(f1)+αA(g1)∈I'+J'だからf∈αA-1(I+J')。
故にαA-1(I')+αA-1(J')⊂αA-1(I+J')。
K⊂αA-1(I')+αA-1(J')かつαA: k[x1,...,xm]→k[y1,...,yn]が全射とする。
f∈αA-1(I'+J')とすればαA(f)∈I'+J'なので、
あるfA1∈I', gA1∈J'が存在してαA(f)=fA1+gA1。
αAは全射だから、あるf1∈αA-1(I'), g1∈αA-1(J')が存在して、
fA1=αA(f1), gA1=αA(g1)なので、αA(f)=αA(f1)+αA(g1)=αA(f1+g1)となるから、
αA(f)-αA(f1+g1)= αA(f-(f1+g1))=0なので、f-(f1+g1)=h∈K。
これよりf=(f1+g1)+h∈αA-1(I')+αA-1(J')+Kとなりf∈αA-1(I')+αA-1(J')+K。
K⊂αA-1(I')+αA-1(J')ならf∈αA-1(I')+αA-1(J')となるから、
αA-1(I+J')⊂αA-1(I')+αA-1(J')となりαA-1(I+J')=αA-1(I')+αA-1(J')
小問c
(著者コックス公式の第3版errata
(第2刷用):192ページの項で、
✕「右辺がKを含めば等号が成立する.」
→◯「αAが全射、かつ右辺がKを含めば等号が成立する.」
の修正)
f∈(αA-1(I'))(αA-1(J'))とする。
αA-1(I')=<f1,...,fr >,αA-1(J')=<g1,...,gs>とすれば、命題6により、
Bij∈k[x1,...,xm] (1≤i≤r, 1≤j≤s)が存在してf=∑i,j Bijfigj。
これよりαA(f)=∑i,j αA(Bij)αA(fi)αA(gj)。
αA(fi)∈I', αA(gj)∈J'だから、αA(fi)αA(gj)∈I'J'。
I'J'はイデアルだからαA(f)∈I'J'なのでf∈αA-1(I'J')。
故に(αA-1(I'))(αA-1(J'))⊂αA-1(I'J')。
K⊂(αA-1(I'))(αA-1(J'))かつαA: k[x1,...,xm]→k[y1,...,yn]が全射とする。
f∈αA-1(I'J')とすればαA(f)∈I'J'なので、
I'=<f'1,...,f'r>, J'=<g'1,...,g's>とすれば、命題6により、
bij∈k[y1,...,yn] (1≤i≤r, 1≤j≤s)が存在してαA(f)=∑i,j bijf'ig'j。
f1,...,fr∈αA-1(I'), g1,...,gs∈αA-1(J'),
Bij∈k[x1,...,xm] (1≤i≤r, 1≤j≤s)が存在して、
f'i=αA(fi), g'i=αA(gi), bij=αA(Bij)だから、
αA(f)=∑i,j αA(Bij)αA(fi)αA(gj)=αA(∑i,j Bijfigj)。
故にαA(f-∑i,j Bijfigj)=0となるので、f-∑i,j Bijfigj=h∈Kだから、
これよりf=∑i,j Bijfigj+h∈(αA-1(I'))(αA-1(J'))+Kとなりf∈αA-1(I')αA-1(J')+K。
K⊂(αA-1(I'))(αA-1(J'))よりf∈(αA-1(I'))(αA-1(J'))となるから、
αA-1(I+J')⊂(αA-1(I'))(αA-1(J'))となりαA-1(I+J')= (αA-1(I'))(αA-1(J'))。
小問d
f∈αA-1(I')⋂αA-1(J')とする。
αA-1(I')=<f1,...,fr >,αA-1(J')=<g1,...,gs>とすれば、命題6により、
Bi,Cj∈k[x1,...,xm] (1≤i≤r, 1≤j≤s)が存在してf=∑i Bifi=∑j Cjgj。
αA(f)=∑i αA(Bi)αA(fi)=∑j αA(Cj)αA(gj)。
αA(fi)∈I', αA(gj)∈J'だから、αA(f)∈I'かつαA(f)∈J'。
故にαA(f)∈I'⋂J'だからf∈αA-1(I'⋂J')となりαA-1(I')⋂αA-1(J')⊂αA-1(I'⋂J')。
f∈αA-1(I'⋂J')とするとαA(f)∈I'⋂J'だから、
I'=<f'1,...,f'r>, J'=<g'1,...,g's>とすれば、
bi,cj∈k[y1,...,yn] (1≤i≤r, 1≤j≤s)が存在してαA(f)=∑i bif'i=∑j cjg'jなので、
f∈αA-1(I')かつf∈αA-1(J')となり、f∈αA-1(I')⋂αA-1(J')。
故にαA-1(I'⋂J')⊂αA-1(I')⋂αA-1(J')だからαA-1(I'⋂J')=αA-1(I')⋂αA-1(J')。
小問e
f∈αA-1(√I')とする。αA(f)∈√I'だから、
あるl∈ℕが存在してαA(f)l=αA(fl)∈I'なので、fl∈αA-1(I')。
f∈√αA-1(I')となり、αA-1(√I')⊂√αA-1(I')。
f∈√αA-1(I')とする。あるl∈ℕが存在してfl∈αA-1(I')なので、
αA(fl)=αA(f)l∈I'だからαA(f)∈√I'となりf∈αA-1(√I')。
故に√αA-1(I')⊂αA-1(√I')なので√αA-1(I')=αA-1(√I')。