演習問題1
(g(iz))'=ig'(iz)と、g(iz)=ig(z)から(g(iz))'=i(g(z))'=ig'(z)なので、
g'(iz)=g'(z)。
演習問題2
(a)
u=Re(φ(z))=φ(x)φ'(y)/(1-φ2(x)φ2(y))と、
v=Im(φ(z))=φ(y)φ'(x)/(1-φ2(x)φ2(y))に対し、
15.2節演習問題2(d)よりφ''(x)=-2φ3(x)も用いて容易に確かめられる。
(b)
(15.4)の定義からφ(0)=0, φ(ϖ/2)=1。
0≤x≤ϖ/2に対し、(15.8)によってφ'(x)=√(1-φ4(x))だから、
φ'(0)=1, φ'(ϖ/2)=0。したがって(15.23)の最初の2行を得る。
(15.9)によってφ(ϖ)=φ(ϖ-0)=-φ(0)=0,
また15.2節演習問題2(c)よりφ'(ϖ)=φ'(ϖ-0)=-φ'(0)=-1。
したがって(15.23)の3行目を得る。
(15.9)とφの周期性によりφ(3ϖ/2)=φ(-ϖ/2)=-φ(ϖ/2)=-1。
15.2節演習問題2(a)(b)よりφ'(3ϖ/2)=φ'(-ϖ/2)=φ'(ϖ/2)=0。
したがって(15.23)の4行目を得る。
z=x+iyとして、iz=-y+ixだから、(15.22)により
φ(iz)=(φ(-y)φ'(x)+iφ(x)φ'(-y))/(1-φ2(-y)φ2(x))
=(-φ(y)φ'(x)+iφ(x)φ'(y))/(1-φ2(y)φ2(x))
=i(iφ(y)φ'(x)+φ(x)φ'(y))/(1-φ2(y)φ2(x))=iφ(z)。
さらに演習問題1によりφ'(iz)=φ'(z)。よって(15.24)を得る。
(15.23)によりφ(0)=φ(ϖ)=0だから、φの周期性により、
m∈ℤに対しφ(mϖ)=0。(15.24)によりφ(mϖi)=iφ(mϖ)=0。
また(15.23)によりφ'(0)=1, φ'(ϖ)=-1だから、
m∈ℤが偶数ならφ'(mϖ)=1、奇数ならφ'(mϖ)=-1だから、
m∈ℤに対しφ'(mϖ)=(-1)m。(15.24)によりφ'(mϖi)=φ'(mϖ)=(-1)m。
よって(15.25)を得る。
加法法則と(15.25)から、m,n∈ℤに対し
φ(z+mϖ)=(φ(z)φ'(mϖ)+φ(mϖ)φ'(z))/(1+φ2(z)φ2(mϖ))=(-1)mφ(z),
φ(z+nϖi)=(φ(z)φ'(nϖi)+φ(nϖi)φ'(z))/(1+φ2(z)φ2(nϖi))=(-1)nφ(z)。
よって(15.26)を得る。
演習問題3
加法法則と(15.9),(15.23)(15.24)および15.2節演習問題2(b)より、
φ(z±ϖi/2)=(φ(z)φ'(±ϖi/2)+φ(±ϖi/2)φ'(z))/(1+φ2(z)φ2(±ϖi/2))
=(φ(z)φ'(ϖi/2)±φ(ϖi/2)φ'(z))/(1+φ2(z)φ2(ϖi/2))
=(φ(z)φ'(ϖ/2)±iφ(ϖ/2)φ'(z))/(1-φ2(z)φ2(ϖ/2))
=±iφ'(z)/(1-φ2(z))。
演習問題4
z0=(m+in)ϖ/2(m+nは奇数)なら、l,k∈ℤとして
z0=ϖ/2+lϖ+kϖi,
z0=ϖi/2+lϖ+kϖi,
z0=3ϖ/2+lϖ+kϖi,
z0=3ϖi/2+lϖ+kϖi,
z0=ϖ+ϖi/2+lϖ+kϖi,
z0=ϖ/2+ϖi+lϖ+kϖi,
のいずれかである。この全てのz0に対しφ'(z0)=0を示せばよい。
命題15.3.1(c)を微分してφ'(z+lϖ+kϖi)=(-1)l+kφ'(z)だから、
(15.23)(15.24)により
φ'(ϖ/2+lϖ+kϖi)=(-1)l+kφ'(ϖ/2)=0,
φ'(ϖi/2+lϖ+kϖi)=(-1)l+kφ'(ϖi/2)=(-1)l+kφ'(ϖ/2)=0,
φ'(3ϖ/2+lϖ+kϖi)=(-1)l+kφ'(3ϖ/2)=0,
φ'(3ϖi/2+lϖ+kϖi)=(-1)l+kφ'(3ϖi/2)=(-1)l+kφ'(3ϖ/2)=0。
また演習問題3によりφ(z+ϖi/2)=iφ'(z)/(1-φ2(z))だから、
φ'(z+ϖi/2)=-iφ(z+ϖi)(1-φ2(z+ϖi/2)),
φ'(z+ϖi)=-iφ(z+3ϖi/2)(1-φ2(z+ϖi))なので、
φ'(ϖ+ϖi/2)=-iφ(ϖ+ϖi)(1-φ2(ϖ+ϖi/2)),
φ'(ϖ/2+ϖi)=-iφ(ϖ/2+3ϖi/2)(1-φ2(ϖ/2+ϖi))。
加法法則と(15.23)~(15.25)により
φ(ϖ+ϖi)=(φ(ϖ)φ'(ϖi)+φ(ϖi)φ'(ϖ))/(1+φ2(ϖ)φ2(ϖi))=0,
φ(ϖ/2+3ϖi/2)=(φ(ϖ/2)φ'(3ϖi/2)+φ(3ϖi/2)φ'(ϖ/2))/(1+φ2(ϖ/2)φ2(3ϖi/2))=0,
だから、
φ'(ϖ+ϖi/2+lϖ+kϖi)=(-1)l+kφ'(ϖ+ϖi/2)=0,
φ'(ϖ/2+ϖi+lϖ+kϖi)=(-1)l+kφ'(ϖ/2+ϖi)=0。
以上によりφ'(z0)=0。
演習問題5
(a)
φに関する恒等式P(φ(x))=0がx∈ℝで成り立つとする。
D=ℂ∖{z∈ℂ| z=(m+in)ϖ/2
(m,nは奇数)}として、
命題15.3.1によりφ(z)はDにおいて解析的で、ℝ⊂D。
ℝはD内に集積点を持つので、P(φ(z))が解析的ならば、
一致の定理によりz∈DについてP(φ(z))=0である。
(b)
φ'(z)-(1-φ4(z))はDにおいて解析的で、z∈ℝでφ(z)-(1-φ4(z))=0だから、
(a)によりz∈Dについてφ'(z)-(1-φ4(z))=0。
演習問題6
定理15.3.1により加法公式が
D=ℂ∖{z∈ℂ| z=(m+in)ϖ/2
(m,nは奇数)}で成り立つから、
演習問題5(a)により(15.9)(15.12)(15.13)はDでそのまま使える。
z=(-1)m+nz0+(m+in)ϖなら、x=(z+z0)/2, y=(z-z0)/2とすると、
m+nが奇数ならx=(m+in)ϖ、m+nが偶数ならy=(m+in)ϖである。
命題15.3.1の加法公式と、(15.25)より
φ((m+in)ϖ)=(φ(mϖ)φ'(nϖi)+φ(nϖi)φ'(mϖ))/(1+φ2(mϖ)φ2(nϖi))=0。
(15.12)よりφ(z)-φ(z0)=φ(x+y)-φ(x-y)=2φ(y)φ’(x)/(1-φ2(x)φ2(y))なので、
m+nが偶数ならφ(y)=0だからφ(z)=φ(z0)。
m+nが奇数なら演習問題4によりφ’(x)=0だからφ(z)=φ(z0)。
よってφ(z)=φ(z0)。
逆にφ(z)=φ(z0)なら、x=(z+z0)/2, y=(z-z0)/2として、
(15.12)よりφ(z)-φ(z0)=φ(x+y)-φ(x-y)=2φ(y)φ’(x)/(1-φ2(x)φ2(y))=0なので、
φ(y)=0またはφ’(x)=0。
φ(y)=0なら定理15.3.2によりy=(z-z0)/2=(m'+in')ϖ (m',n'∈ℤ)だから、
z=z0+(m+in)ϖ (m,nは偶数)。
m,nが共に奇数の時は極だから、Dではm+nが偶数としてよいので、
z=(-1)m+nz0+(m+in)ϖ
(m+nは偶数)。
φ’(x)=0なら演習問題5(b)によりφ4(x)=1だからφ(x)= ±1または±i。
φ(x)=1なら、x=x1+ix2
(x1,x2∈ℝ)として(15.22)より
φ(x2)φ'(x1)/(1-φ2(x1)φ2(x2))=0だから、φ(x2)=0またはφ'(x1)=0。
φ(x2)=0なら(15.23)からx2=n'ϖ (n'∈ℤ)で、このときφ'(x2)=(-1)n'である。
1=φ(x1)φ'(x2)/(1-φ2(x1)φ2(x2))=(-1)n'φ(x1)だから、φ(x1)=(-1)n'により、
m'∈ℤとしてn'が偶数ならx1=(4m'+1)ϖ/2 、n'が奇数ならx1=(4m'+3)ϖ/2。
m=4m'+1または4m'+3、n=2n'としてまとめると、
x=(m+in)ϖ/2 (mは奇数、nは偶数)となるので、
z=-z0+(m+in)ϖ (mは奇数、nは偶数)。
また、φ'(x1)=0なら(15.23)からx1=(2n'+1)ϖ/2 (n'∈ℤ)で、
このときφ(x1)=(-1)n'である。
1=φ(x1)φ'(x2)/(1-φ2(x1)φ2(x2))=(-1)n'φ'(x2)/(1-φ2(x2))/だから
両辺を2乗して演習問題5(b)を用いて整理すると、
φ(x2)=0となるので、上の場合に帰着される。
φ(x)=-1なら(15.9)により、x=-(m+in)ϖ/2だから、
-mをm, -nをnと書きなおして同じ表式を得る。
φ(x)=iなら(15.24)によりφ(ix)=-1だから、
x=(-n+im)ϖ/2 (mは奇数、nは偶数)となるので、
mをn, -nをmと書きなおしてx=(m+in)ϖ/2 (mは偶数、nは奇数)。
これよりz=-z0+(m+in)ϖ (mは偶数、nは奇数)。
φ(x)=-iならx=-(-n+im)ϖ/2だからφ(x)=iと同じ表式が得られる。
これらをまとめると、z=(-1)m+nz0+(m+in)ϖ
(m+nは奇数)。
以上によりz=(-1)m+nz0+(m+in)ϖ
(m,n∈ℤ)。
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