演習問題1
φは周期2ϖの周期関数だから、
-ϖ≤s≤ϖ についてのみ示せば十分。
0≤s≤ϖ/2のとき、s=∫0φ(s)dt/√(1-t4)。
定義により-s=∫0-φ(s)(-|dt|)/√(1-t4)=∫0-φ(s)dt/√(1-t4)だからφ(-s)=-φ(s)。
ϖ/2≤s≤ϖのとき、s=ϖ/2+∫1φ(s)|dt|/√(1-t4)=ϖ/2+∫φ(s)1dt/√(1-t4)。
定義により
-s=-ϖ/2+∫-1-φ(s)(-|dt|)/√(1-t4)=-ϖ/2+∫φ(s)-1dt/√(1-t4)
=-ϖ/2-∫-φ(s)1du/√(1-u4) (t=-u)だからφ(-s)=-φ(s)。
-ϖ/2≤s≤0のときは0≤s≤ϖ/2のときと同様、
-ϖ≤s≤-ϖ/2のときはϖ/2≤s≤ϖのときと同様にして、
すべての場合についてφ(-s)=-φ(s)が示される。
0≤s≤ϖ/2のとき、r=φ(s)ならs=∫0rdt/√(1-t4)。
このrを用いて、定義により
ϖ-s=ϖ/2+∫φ(s)1dt/√(1-t4)=∫01dt/√(1-t4) +∫φ(s)1dt/√(1-t4)
=∫01|dt|/√(1-t4) +∫1φ(s)|dt|/√(1-t4)
=∫0φ(s)|dt|/√(1-t4)=∫0φ(s)dt/√(1-t4)
だからr=φ(ϖ-s)=φ(s)。他の範囲についても同様。
演習問題2
ϖ/2<s≤ϖのときは0≤ϖ-s<ϖ/2だから、
dφ(s)/ds=-dφ(ϖ-s)/d(ϖ-s)なので、(dφ(s)/ds)2=(dφ(ϖ-s)/d(ϖ-s))2。
これより-ϖ≤s<0のときは、dφ(s)/ds=-dφ(-s)/ds=dφ(-s)/d(-s)なので、
(dφ(s)/ds)2=(dφ(-s)/d(-s))2となるから、
0≤s≤ϖ/2に対して命題15.2.1が証明されれば、
-ϖ≤s≤ϖでも命題15.2.1が成り立ち、
さらにφ(s)は周期2ϖだから、
すべてのsについて命題15.2.1が成り立つことがわかる。
演習問題3
(a)
-ϖ≤s0≤ϖとし、s=s0+2nϖ
(n∈ℤ)とすれば、
dφ(s)/ds=(dφ(s0+2nϖ)/ds0)/(ds/ds0)=dφ(s0+2nϖ)/ds0。
ここでφ(s0+2nϖ)=φ(s0)だからdφ(s)/ds=dφ(s0)/ds0となるので、
dφ(s)/dsも周期2ϖをもつ。
(b)
(15.9)によりdφ(s)/ds=-dφ(-s)/ds=dφ(-s)/d(-s)だから、
dφ(s)/dsは偶函数。
(c)
φ'(ϖ-s)=dφ(ϖ-s)/d(ϖ-s)=-dφ(ϖ-s)/ds=-dφ(s)/ds=-φ'(s)。
(d)
命題15.2.1の式を微分して2φ'φ''=-4φ3φ'。
φ'≠0すなわちs≠ϖ/2+nϖ
(n∈ℤ)ならφ''=-2φ3。
s=ϖ/2+2nϖ
(n∈ℤ)なら命題15.2.1から、
通常の微分の極限操作によりφ''(s)=-2=-2φ3(s)、
s=-ϖ/2+2nϖ
(n∈ℤ)なら同様にφ''(s)=2=-2φ3(s)だから、
すべてのsについてφ''=-2φ3が成り立つ。
演習問題4
演習問題1と同様にして、(15.9)の類似である、
sin(-x)=-sinxとsin(π-x)=sinxを得るので、
演習問題2と同様に、0≤x≤πで考えれば十分。
すると命題15.2.1の証明と同様にして、
1=cosx/√(1-sin2x)を得るのでcos2x=1-sin2x。
演習問題5
(a)
∂h/∂v=(∂x/∂v)(∂g/∂x)|x=(u+v)/2, y=(u-v)/2+(∂y/∂v)(∂g/∂y)|x=(u+v)/2, y=(u-v)/2
=(1/2)(∂g/∂x)|x=(u+v)/2, y=(u-v)/2-(1/2)(∂g/∂y)|x=(u+v)/2, y=(u-v)/2。
(b)
(a)によりℝ2上∂g/∂x=∂g/∂yなら∂h/∂v=0なので、hはuのみの函数。
u=x+yだからℝ2上gはx+yのみの函数。
g(x,y)の表式においてx,yは必ずx+yの形で現れるので、
xの代わりにx+y, yの代わりに0とおいても同じ表式が得られる。
したがってℝ2上g(x,y)=g(x+y,0)。
逆にℝ2上g=g(x+y,0)なら明らかにℝ2上∂g/∂x=∂g/∂y。
(c)
g(x,y)はx,yについて対称だから∂g/∂x=∂g/∂y。
(15.9)によりφ(0)=0、命題15.2.1によりφ'(0)=0だから、
(b)によりg(x,y)=g(x+y,0)=φ(x+y)となり、(15.12)を得る。
演習問題6
(15.9)によりφ(-y)=-φ(y)、演習問題3(b)によりφ'(-y)=φ'(y)だから、
加法法則(15.12)のyに-yを代入して減法法則を得る。
演習問題7
(a)
普通に計算して
Pn+1(u)=(1-u)(2Pn(u)Qn(u)Qn-1(u)-uPn2(u)Pn-1(u))-Pn-1(u)Qn2(u)。
帰納法の仮定によりPn(u), Pn-1(u), Qn(u), Qn-1(u)∈ℤ[u]だからPn+1(u)∈ℤ[u]。
(b)
HTMLの制限により、\tilde(P)をPと書く。
定理15.2.5の証明において、φ((n+1)x)の式に現れるのは、
Pn-1/Qn-1=Pn-1/Qn-1, Pn/Qn=Pn/Qn, Pn+1/Qn+1=Pn+1/Qn+1だから、
Pn, Qnの代わりに互いに素なPn, Qnを用いることができる。
このときQn(0)=1だがQn(0)=1とは限らない。
Qn, Cn, Qn∈ℤ[u]なので、Qn(0), Cn(0), Qn(0)∈ℤだから、
Qn(0)=Cn(0)Qn(0)=1よりCn(0)=1かつQn(0)=1、またはCn(0)=-1かつQn(0)=-1。
前者の場合は定理の条件をすべて満たす。
後者の場合、Pn, Qnの代わりに-Pn, -Qnを用いても同じφ((n+1)x)の式を得るから、
この置き換えによりQn(0)=1とできる。よって、Pn,Qnは互いに素で、
定理15.2.5のすべての条件を満たす。
(c)
(15.13)からφ((n+1)x)=-φ((n-1)x)+(2φ(nx)φ'(x))/(1+φ2(nx)φ2(x))で、
nが奇数ならn-1は偶数なので、帰納法の仮定により
φ((n-1)x)=φ(x)(Pn-1(u)/Qn-1(u))φ'(x),
φ(nx)=φ(x)(Pn(u)/Qn(u))である。ただしu=φ4(x)とおいた。
これよりφ((n+1)x)=φ(x)[-Pn-1(u)/Qn-1(u)+2Pn(u)Qn(u)/(Qn2(u)+uPn2(u))]φ'(x)
=φ(x)[-Pn-1(u)(Qn2(u)+uPn2(u))+ 2Pn(u)Qn(u)Qn-1(u)]
/[Qn-1(u)(Qn2(u)+uPn2(u))]φ'(x)
なので、
Pn+1(u)=-Pn-1(u)(Qn2(u)+uPn2(u))+ 2Pn(u)Qn(u)Qn-1(u)∈ℤ[u],
Qn+1(u)=Qn-1(u)(Qn2(u)+uPn2(u))∈ℤ[u]とすれば、
φ((n+1)x)=φ(x)(Pn+1(u)/Qn+1(u))φ'(x)。
また帰納法の仮定によりQn-1(0)=1, Qn(u)=1だから、Qn+1(0)=1となる。
(b)によりPn+1(u), Qn+1(u)は互いに素としてよい。
演習問題8
nが偶数の時は奇数の時と同様にして、φ(m(2ϖ/n)=uとして
0=u(Pn(u4)/Qn(u4))φ'(u)だから、両辺を2乗して命題15.2.1を用い、
0=u2(Pn(u4)/Qn(u4))2φ'2(u)=u2(Pn(u4)/Qn(u4))2(1-u4)
=u2(Pn(u4)/Qn(u4))2(1-u2)(1+u2)だから、
uはu2Pn2(u4)(1-u2)(1+u2)の根。
1+u2>0で、uがuPn(u4)=0の根であることと、
u2Pn2(u4) の根であることとは同値だから、、
uはuPn(u4)(1-u2)の根である。
演習問題9
(a)
定理A.3.2(Gaussの補題)により、ℚ[u]においてgcd(P(u),Q(u))=1なので、
あるR(u),S(u)∈ℚ[u]が存在して、R(u)P(u)+S(u)Q(u)=1。
故にR(u4)P(u4)+S(u4)Q(u4)=1
(1)。この式はℚの任意の拡大体で成り立つ。
P(u4), Q(u4)がℚのある拡大体において共通根αを持つと仮定すると、
0=R(α4)P(α4)+S(α4)Q(α4)=1 (1)。となり矛盾。
したがって、P(u4), Q(u4)はℚのいかなる拡大体においても共通根を持たない。
Q(0)≠0だから、0はQの根でないので、uP(u4), Q(u4)も、
ℚのいかなる拡大体においても共通根を持たない。
(b)
mが偶数ならφ(mx)Qm(φ4(x))=φ(x)Pm(φ4(x))。
もしQm(φ4(x))=0となるφ(x)が存在すれば、
φ(x)Pm(φ4(x))=0なので、φ(x)はuP(u4), Q(u4)∈ℤ[u]の共通根。
Pm, Qmは互いに素でQm(0)=1だから、(a)と矛盾する。
したがってmが偶数の時Qm(φ4(x))≠0。
mが奇数ならφ(mx)Qm(φ4(x))=φ(x)Pm(φ4(x))φ'(x)。
もしQm(φ4(x))=0となるφ(x)≠0が存在すれば、
(a)によりφ(x)Pm(φ4(x))≠0だから、φ'(x)=0なので、
命題15.2.1によりφ'2(x)=1-φ4(x)=0。故にφ4(x)=1。
(15.18)により、Qm(1)=0なら、
Qm+1(1)=0となるが、m+1は偶数なので、
上で示したことにより、Qm+1(1)≠0だから矛盾。
故にmが奇数の時もφ(x)≠0ならQm(φ4(x))≠0。
(c)
n>2だから0<2ϖ/n<ϖ。
0<s≤ϖ/2に対し(15.8)によりr=φ(s)はsの単調増加函数で、
(15.9)によりφ(0)=0、またφ(ϖ/2)=1だから、0<s≤ϖ/2ではφ(s)>0。
(15.9)よりϖ/2<s<ϖなら0<ϖ -s<ϖ/2なのでφ(s)=φ(ϖ
-s)>0
したがって全ての0<s<ϖに対しφ(s)>0だから、φ(2ϖ/n)≠0。
よって(b)によりQm(φ4(2ϖ/n))≠0
演習問題10
(a)
x=2ϖ/10とすると、定理15.2.5により、
0=φ(2ϖ)=φ(10x)=φ(2·5x)=φ(5x)(P2(φ4(5x))/Q2(φ4(5x)))φ'(5x)
=2φ(5x)φ'(5x)/(1+φ4(5x))=2φ(x)(P5(φ4(x))/Q5(φ4(x)))φ'(5x)/(1+φ4(5x))
=2φ(x)(P5(φ4(x))/Q5(φ4(x)))
5x=ϖよりφ(5x)=0, φ'(5x)=-1だから、
-2φ(x)(P5(φ4(x))/Q5(φ4(x)))=0となるので、
r0=φ(x)はr0P5(r04)=0を満たすから、
5等分点に対応するr0と同じ方程式を満たす。
(b)
Maximaで
---------
factor(x^24+50*x^20-125*x^16
+300*x^12-105*x^8-62*x^4+5);
---------
を計算して、問題と同じ表式を得る。
r08-2r04+5は実のr04を根に持たない。
r04=xとし、x4+52x3-26x2-12x+1を、
xの方程式としてMaximaで
---------
solve(x^4+52*x^3-26*x^2-12*x+1)
---------
で解いて4つの実根
x=-13-6√5±2√(85+38√5), x=-13+6√5±2√(85-38√5),
が得られる。2√(85+38√5)≈19.15, 2√(85-38√5)≈17.70なので、
正の実根はx=r04=-13+6√5+2√(85-38√5)と、
x=r04=-13-6√5+2√(85+38√5)だから、
r0の正の実数解はr0=∜[-13+6√5+2√(85-38√5)]と
r0=∜[-13-6√5+2√(85+38√5)]。
(問題文の∜[-13+6√5±2√(85-38√5)]は誤植。)
589ページの5等分点の図を見ればわかるように、
半径r0≠0の1つの円とレムニスケートは4つの交点を持つが、
そのうち2つしか5等分点に入っていない。
10等分点は4つの交点全てを考えることで得られるので、
5等分点と10等分点は同じr0を持つ。
演習問題11
x=∫[0,α] dt/√(1-t2)=sin-1α,
y=∫[0,β] dt/√(1-t2)=sin-1β,
z=∫[0,γ] dt/√(1-t2)=sin-1γとすると、α=sin x∈[0,1], β=sin
y∈[0,1]より、
√(1-α2)=cos x, √(1-β2)=cos yだから、
γ=sin x cos y+cos x sin y=sin(x+y)なのでz=sin-1γ=x+yとなる。
演習問題12
普通に変数変換するだけ。
まあ広義積分を含む上に符号の問題もあるが。
k=iを(15.21)に代入してφ(u)=sin
am uはまんま明らか。
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