2012-11-03

コックス, リトル&オシー「グレブナ基底と代数多様体入門」第2版 第1章§5の演習問題


演習問題1
3の証明においてkが代数的閉なら、
akfの根である場合が常に成り立つので明らか。

演習問題2
ヒントがほぼまんまだが、
Van der Monde行列式が0なら、Van der Monde行列の列ベクトルは線型従属だから、
あるc0,...,cnkが存在して
c0 t(1,...,1)+c1 t(a1,...,an)+c2 t(a12,...,an2)+...+ cn-1 t(a1n-1,...,ann-1)
= t(c0+c1a1+c2a12+...+cn-1a1n-1, c0+c1a2+c2a22+...+cn-1a2n-1,..., c0+c1an+c2an2+...+cn-1ann-1)
=0
だから、n-1次多項式c0+c1x+c2x2+...+cn-1xn-1が、
a1,...,anの異なるn個の根を持つことになり系3と矛盾。

演習問題3
I=<x,y>が主イデアルと仮定すると、あるfk[x,y]についてI=<f>
xIだからあるgk[x,y]が存在してx=fgだが、
deg(x)=1だからdeg(f)=0またはdeg(g)=0
deg(f)=0ならfk0でない定数だが、
kの定数はI=<x,y>の元ではないのでこれはありえない。
したがってdeg(g)=0なのでgk0でない定数となりf=g-1x
するとI=<f>=<x>yだからyI=<x,y>と矛盾。

演習問題4
GCD(f,g)=hkfgが互いに素)な場合については、
Af+Bg=1となるA,Bk[x]が存在することは、
k[x]におけるEuclidのアルゴリズムを用いて

deg(h)>0のとき、f=f'h, g=g'hとおけば、
GCD(f',g')=1だからAf'+Bg'=1となるA,Bk[x]が存在するので、
両辺にhをかけてAf+Bg=h

演習問題5
明らかにf-qg<f,g>だから§4演習問題2により<f-qg,g><f,g>
f=(f-qg)+qg<f-qg,g>だから同様に<f,g><f-qg,g>
よって<f,g>=<f-qg,g>

演習問題6
<h>=<f2,...,fs>よりh<f2,...,fs>だから<f1,h><f1,...,fs>
2isについて定義7によりfi=qih<h> (qik[x])だから<f1,...,fs><f1,h>
よって<f1,...,fs>=<f1,h>

演習問題7
(6)を再帰的に使えば良い。

演習問題8
小問a
Maxima
gcd(x^4+x^2+1,x^4-x^2-2*x-1, x^3-1);
としてx2+x+1

小問b
Maxima
gcd(x^3+2*x^2-1-2,x^3-2*x^2-x+2,x^3-x^2^4*x+4);
としてx-1

演習問題9
Maxima
gcd(x^3+x^2-4*x-4,x^3-x^2-4*x+4,x^3-2*x^2-x+2);
からGCD(x3+x2-4x-4, x3-x2-4x+4, x3-2x2-x+2)=x2-4を得るので
x2-4<x2-4>=<x3+x2-4x-4, x3-x2-4x+4, x3-2x2-x+2>

演習問題10
整数論で一次不定方程式を解くやり方と同じ。

演習問題11
小問a
は代数的閉だから演習問題1によりfは重根を含めdeg(f)個の根を持つ。
したがってV(f)=ならdeg(f)=0だからf0でない定数。逆は明らか。

小問b

は代数的閉だから、f1,...,fsに共通根が存在しないことと、
V(f1,...,fs)=であることは同値。
f1,...,fsに共通根が存在しないこととGCD(f1,...,fs)=1は同値。

(§4の定義5できちんと触れられていないが、
この問題や§4の命題8などとの整合性を考えると
V=ならI(V)=k[x1,...,xn]と定義するのが良いように思われる。)

小問c
GCD(f1,...,fs)を命題8(iii)を再帰的に用いて求めている間に、
いずれかの時点でGCD1になればGCD(f1,...,fs)=1としてよいから、
小問bによりV(f1,...,fs)=となる。
最後までGCD1にならなければV(f1,...,fs)

演習問題12~14
コックス「ガロワ理論」の方でやったのでパス。

演習問題15
小問a
コックス「ガロワ理論」の方でやったのでパス。

小問b
Maxima
f:x^11-x^10+2*x^8-4*x^7+3*x^5-3*x^4+x^3+3*x^2-x-1;
ratsimp(f/gcd(f,diff(f,x)));
によりfred=x5+x2-x-1

演習問題16
演習問題11cと同様に<f1,...,fs>の基底を計算して、
演習問題15afredを求めればよい。

演習問題17
Maxima
f:gcd(x^5-2*x^4+2*x^2-x,x^5-x^4-2*x^3+2*x^2+x-1);
ratsimp(f/gcd(f,diff(f,x)));
により基底はx2-1

2012-11-02

コックス, リトル&オシー「グレブナ基底と代数多様体入門」第2版 第1章§4の演習問題


演習問題1
x2(x2+y2-1)-(xy+1)(xy-1)=x4-x2+1<x2+y2-1, xy-1>

演習問題2
(ii)(i)fi<f1,..., fs>から(1is)
(i)(ii)はイデアルの定義から明らか。

演習問題3
小問a
x+y, x-y<x,y>だから演習問題2により<x+y,x-y><x,y>
kの標数が2でなければ、
x=2-1(x+y)+2-1(x-y)<x+y,x-y>, y=2-1(x+y)-2-1(x-y)<x+y,x-y>,
だから演習問題2により<x,y><x+y,x-y>
以上により<x,y>=<x+y,x-y>
kの標数が2だと<x+y,x-y>=<x+y>でたぶんムリ。

小問b
x+xy=1·x+x·y<x,y>, y+xy=y·x+1·y<x,y>,
x2=x·x<x,y>, y2=y·y<x,y>により<x+xy, y+xy, x2, y2><x,y>
kの標数が2でなければ、
1·(x+xy)-1·(y+xy)=x-y<x+xy, y+xy, x2, y2>と、
1·(x+xy)+1·(y+xy)=x+y+2xy<x+xy, y+xy, x2, y2>,
2-1y·(x+xy)+2-1x·(y+xy)-2-1y·x2-2-1x·y2=xy<x+xy, y+xy, x2, y2>より
(x+y+2xy)-2·xy=x+y<x+xy, y+xy, x2, y2>だから、
小問aと演習問題2より<x,y>=<x+y,x-y><x+xy, y+xy, x2, y2>
したがって<x,y>=<x+xy, y+xy, x2, y2>
kの標数が2だとたぶんムリ。

小問c
2(x2-4)+3(y2-1)=2x2+3y2-11, (x2-4)-(y2-1)=x2-y2-3だから
<2x2+3y2-11, x2-y2-3><x2-4, y2-1>
kの標数が5でなければ、
5-1·(2x2+3y2-11)+5-1·3(x2-y2-3)=x2-4<2x2+3y2-11, x2-y2-3>
5-1·(2x2+3y2-11)-5-1·2(x2-y2-3)=y2-1<2x2+3y2-11, x2-y2-3>
より<x2-4, y2-1><2x2+3y2-11, x2-y2-3>
したがって<x2-4, y2-1>=<2x2+3y2-11, x2-y2-3>
kの標数が5だとたぶんムリ。

演習問題4
1itに対しgi< f1,..., fs>なので、
f1,..., fsが全て消える(a1,..., an)に対しg1,..., gtも全て消えるから
V(f1,..., fs) V(g1,..., gt)。逆の包含関係も同様。

演習問題5
命題4と演習問題3bにより明らか。

演習問題6
小問a
Iの要素の次数はいくらでも大きくなるので、
Ik上のベクトル空間としての基底も無限に必要。

小問b
0=y·x+(-x)·y<x,y>

小問c
0=fj·fi+(-fi)·fj

小問d
x2+xy+y2=(x+y)x+y·y=x·x+(x+y)y

小問e
x+x2-x2=x<x+x2, x2>また明らかにx+x2,x2<x>だから、
演習問題2により<x+x2, x2>=<x>だが、
x+x2<x2>, x2<x+x2>だから、<x+x2, x2><x>の極小基底。
線形空間では基底の数は、
基底のとり方によらず次元で決まっていたのと異なる。

演習問題7
V(xn, ym)={(0,0)}である。
補題6の次のところの例でI({0,0})=<x,y>が示されている。

演習問題8
小問a
fI(V)なら明らかに任意の正整数mについて、
fmV上で消えるからfmI(V)
逆にある正整数mについてfmI(V)なら、
V上の任意の点(a1,...,an)f(a1,...,an)m=0
fk[x1,...,xn]kは体だから整域なので、
f(a1,...,an)=0でなければならないのでfI(V)
したがってI(V)は根基。

小問b
(x)2<x2, y2>だがx<x2, y2>だから<x2, y2>は根基でない。

演習問題9
小問a
捩れ3次曲線のパラメタ付けx=t, y=t2, z=t3より
y2-xz=t4-t4=0だからy2-xzI(V)

小問b
(2)式以下の議論により、
y2-xz=[x2+(y-x2)]2-x[x3+(z-x3)]=(x2+y)(y-x2)-x(z-x3)

演習問題10
V(x-y)のパラメタ付けx=t, y=tより
f<x-y>なら明らかにfV(x-y)上消えるからfI(V(x-y))
逆にらfI(V(x-y))なら、(2)式以下と同様の議論により、
hk[x,y], rk[x]が存在してf(x,y)=h(y-x)+rで、
0=f(t,t)=r(t)が任意のtkについて成り立つからrは零函数。
kは無限体だから第1章§1命題5によりrは零多項式なのでf(x,y)=h(y-x)<x-y>
したがってI(V(x-y))=<x-y>

演習問題11
V=V(y-x3,z-x4)でアフィン多様体。
捩れ3次曲線と同様の議論によりI(V(y-x3,z-x4))=<y-x3,z-x4>

演習問題12
V=V(y2-x3,z-x2)でアフィン多様体。
確かに容易ではない・・・。

演習問題13
小問a
x,y=1または0に対しx2-x, y2-y0となるから、
x2-x, y2-yI。故に演習問題2により<x2-x,y2-y>I

小問b
F2は可換な体なので可換環だから、任意のp,hF2[x]
(deg(p)≥deg(h))についてp=qh+rとなるq,rF2[x] (deg(r)<deg(h))が一意に存在する。
故にf=0ideg(f) piyi (piF2[x])とすれば、
pi=hi(x2-x)+aix+bi,hiF2[x], ai,biF2と書けるのでf=A(x2-x)+q1x+q2
ただしA=0ideg(f) hiyiF2[x,y], q1=0ideg(f) aiyiF2[y], q2=0ideg(f) biyi
さらにq1=g1(y2-y)+ay+b, q2=g2(y2-y)+cy+d
 (g1,g2F2[y], a, b, c, dF2)と書けるから、
B=xg1+g2F2[x,y]とすればf=A(x2-x)+B(y2-y)+axy+bx+cy+d

小問c,d
a=b=c=d=0なら明らかにf(x,y)I
逆にf(x,y)Iならf(0,0)=0なのでd=0
するとf(1,0)=0からb=0f(0,1)=0からc=0f(1,1)=0からa=0を得る。
故にf(x,y)If=A(x2-x)+B(y2-y)<x2-x,y2-y>は同値だからI=<x2-x,y2-y>

小問e
y(x2-x)+x(y2-y)=x2y+xy2-xy-xy=x2y+xy2

演習問題14
小問a
V=WならVWかつVWだから、
命題8(i)によりI(V)I(W)かつI(V)I(W)となりI(V)=I(W)。逆も同様。

小問b
命題8(ii)よりVWI(V)I(W)は同値だから、
命題8(i)によりVWI(V)I(W)は同値。

演習問題15
小問a
補題6の証明と同様。

小問b
X(1,1)を含まないから単にI(X)=<x-y>

小問c
1章§1演習問題6aによりI(n)={0}


2012-11-01

コックス、リトル&オシー「グレブナ基底と代数多様体入門」第2版 演習問題の解答例

コックス, リトル&オシー「グレブナ基底と代数多様体入門」第2版 第1章§3の演習問題


演習問題9
小問a.
(a-x)y2=x2(a+x)

小問b.
演習問題8と同様にして
x=a(t2-1)/(t2+1)
y=at(t2-1)/(t2+1)

Maximaで計算すると(a=1)
wxplot2d([['parametric, (t^2-1)/(t^2+1), t*(t^2-1)/(t^2+1), [t, -3, 3], [nticks, 300]]], [x,-5,5])$


演習問題10
小問a.
y=m(x-a)との交点を考えて
x=-a(m2-1)/(m2+1)
y=-2am3/(m2+1)

Maximaで計算すると(a=1)
wxplot2d([['parametric, -(m^2-1)/(m^2+1), -2*m^3/(m^2+1), [m, -6, 6], [nticks, 300]]], [x,-5,5])$

小問b,cはまんま。

演習問題11は演習問題8がほぼまんま。


演習問題12
小問a. b.
(t, t2, t4)
Maximaではplot3d([t,t^2,t^4],[s,0,1],[t,-2,2]);

小問c.
t(x,y,z)= t(t, t2, t4)+u t(1, 2t, 4t3)
Maximaではplot3d([t+u,t^2+2*u*t,t^4+4*u*t^3],[u,-2,2],[t,-2,2]);


演習問題13
a= t(1,0,-1), b= t(1,1,-1), c= t(-1,2,1)として
問題の平面の方程式は(a-x)·(b×c)=0
b×c= t(3,0,3)=3 t(1,0,1)を用いて整理して、平面の方程式はz=-x

演習問題14
小問a
tP+(1-t)Q=Q+t(P-Q)は線分PQ上の点だから、
Cが凸集合であることによりtP+(1-t)QC

小問b
小問aにより、n=2についてt=t1, 1-t=t2とすれば成立。
1in ti=1ならQn=1in tiPiCn=kで成立したとし、
n=k+1のときのQk+1=1ik+1 tiPiを考える。
t=1ik tiとするとtk+1=1-t
t=1ならtk+1=0だからQk+1=QkCで成立。
0t<1については、帰納法の仮定によりQk/tCだから、
小問aと同様にCt(Qk/t)+(1-t)Pk+1=Qk+tk+1Pk+1=Qk+1となり成立
以上によりn=k+1でも成立。

演習問題15は制御多角形が凸多角形なら演習問題14がまんま。
凸多角形でないときはIllustratorとかでもややこしい曲線になる。

演習問題16
小問a
分母=-2(w-1)t2+2(w-1)t+1で、この判別式はw2-1だから、
0 w<1なら分母が0となるtは存在しない。
w=1のときは分母=1≠0
w>1のとき分母=0の解はt={1±√[(w+1)/(w-1)]}/2で、
w>1のときこの解は0t≤1を満たさない。

小問b
t=0のときx=x1, y=y1
t=1のときx=x3, y=y3

小問c
x'(0)=2w(x2-x1)
x'(1)=2w(x3-x2)
y'(0)=2w(y2-y1)
y'(1)=2w(y3-y2)
だから(x1, y1)を通る傾きy'(0)/x'(0)の直線はy-y1=(x-x1)(y2-y1)/(x2-x1)
(x3, y3)を通る傾きy'(1)/x'(1)の直線はy-y3=(x-x3)(y3-y2)/(x3-x2)
これより、これら2つの直線のの交点が(x2,y2)となることは明らか。

小問d
制御多角形は三角形なので凸集合だから、
演習問題14により曲線は制御多角形内にある。

小問e,f
t(x(1/2), y(1/2))は素直に計算するだけ。
すなわちt(x(1/2), y(1/2))は、(x2, y2)と、
(t(x1, y1)+ t(x3, y3))/2すなわち(x1, y1)(x3, y3)を結ぶ線分の中点を結ぶ線分を、
1:wに内分する点の位置ベクトル。

演習問題17
w=(1-√2/2)/(√2-1)=1/√2,
t(x1, y1)=t(1,0), t(x2, y2)=t(1,1), t(x3, y3)=t(0,1)より、
x=[(1-t)2+√2t(1-t)]/[1+√2(1-√2)t(1-t)]
y=[t2+√2t(1-t)]/[1+√2(1-√2)t(1-t)]

Maximaでは
w: 1/sqrt(2);
d: 1+2*t*(1-t)*(w-1);
nx: (1-t)^2+2*t*(1-t)*w;
ny: 2*t*(1-t)*w+t^2;
wxplot2d([['parametric, nx/d, ny/d, [t, 0, 1],
[nticks, 300]]],[x,0,1], [y,0,1],
[gnuplot_preamble, "set size ratio 1; set zeroaxis;"])$