演習問題1
P|Qだから、Q=P(x)R(x,y), R=r0(x)+r1(x)y+...+rm(x)ym∈F[x,y]だから、
ai(x)=P(x)ri(x)となりP|ai。
演習問題2
f=a(x)-yb(x)がF(y)[x]において可約と仮定すると、
f=gh となる定数でないg,h∈F(y)[x]が存在する。
F(y)はF[y]の分数体で、F[y]は定理A.5.6によりUFDだから、
定理A.5.8(Gaussの補題)によりf=g1h1となる
定数でないg1,h1∈F[y][x]=F[x,y]が存在するが、これはfのF[x,y]での既約性に反する。
したがって、fはF(y)[x]において既約。
演習問題3
(a)
任意のP∈F(y)[x]のxの多項式としての次数をmとすれば、
p0,...,pm,q0,...,qm∈F[y]としてP=p0/q0+(p1/q1)x+...+(pm/qm)xmだから、
g(y)=q0...qm∈F[y]をとるとgP= P1∈F[x,y]。
(b)
g(y)h(y)(a(x)-yb(x))=g(y)h(y)AB=A1B1。
gとhはyのみの多項式だから、xとyの多項式として
A1|(a(x)-yb(x))またはB1|(a(x)-yb(x))。
(c)
g(y)h(y)(a(x)-yb(x))=A1B1=(a(x)-yb(x))A2B1よりg(y)h(y)=A2B1。
g(y)h(y)∈F[y]だからA2B1∈F[y]なのでB1∈F[y]。
(d)
B=B1/h(y)で、(c)によりB1∈F[y]またh(y)∈F[y]だからB∈F(y)。
したがってBはF(y)[x]の単数だから、a(x)-yb(x)はF[x,y]において既約。
演習問題4
HTMLでの行列表現は、頑張ればなんとかできるが面倒なので、
(7.26)の行列を((a,b),(c,d))などと書くことにする。
γ,δ∈GL(2,F)をγ=((a,b),(c,d)), δ=((e,f),(g,h))とすると、
γδ=((ae+bg,af+bh),(ce+dg,cf+dh))。
Φ(γ)=σγ-1(t)=(at+b)/(ct+d), Φ(δ)=σδ-1(t)=(et+f)/(gt+h)より、
σγ-1(σδ-1(t))=[(ae+bg)t+af+bh]/[(ce+dg)t+cf+dh]=σ(γδ)-1(t)だから、
σγ-1σδ-1=σ(γδ)-1となりΦは群準同型。
演習問題5
A(t),B(t)は互いに素で、aまたはcの少なくとも一つは0でなく、
B(t)≠0なのでcとdの少なくとも一つは0でない。
ad-bc=0と仮定する。
abcd≠0でad-bc=0なら、a/c=b/d=kよりA(t)=kB(t)だから、
A(t),B(t)が互いに素であることに反するのでabcd=0。
a=0ならc≠0で、ad-bc=0よりb=0だが、このときA(t)=0だから、
A(t),B(t)が互いに素であることに反するのでa≠0。
b=0ならd≠0で、ad-bc=0よりa=0となり、a≠0に反するからb≠0。
c=0ならa≠0とad-bc=0よりd=0となり、A(t)=at, B(t)=ctだから、
A(t),B(t)が互いに素であることに反するのでc≠0。
d=0ならc≠0とad-bc=0よりb=0となり、b≠0に反する。
以上により、ad-bc≠0だから、((a,b),(c,d))は可逆なのでGL(2,F)の元である。
演習問題6
(a)
I2を2×2単位行列:GL(2,F)の単位元として、全てのα∈F^についてI2·α=α。
またγ,δ∈GL(2,F)をγ=((a,b),(c,d)), δ=((e,f),(g,h))とすると、
演習問題4によりα≠∞, α≠-h/g (g≠0)なら、順序に気をつけて
γ·(δ·α)=(γδ)·α=σ(γδ)-1(α)=[(ae+bg)α+af+bh]/[(ce+dg)α+cf+dh]。
α=∞ならδ·∞=e/gよりγ·(δ·∞)=γ·(e/g)=(ae+bg)/(ce+dg)=(γδ)·∞,
α=-h/gならδ·α=∞よりγ·(δ·(-h/g))=γ·∞=a/c=(γδ)·(-h/g)。
したがって、全てのα∈F^についてγ·(δ·α)=(γδ)·αとなるので、
γ·αは定義A.4.1を満たすから、F^上のGL(2,F)の作用である。
(b)
λ∈F, λ≠0とし、全てのα∈FについてλI2·α=λα/λ=αまたλI2·∞=∞だから、
全てのα∈F^についてλI2·α=λα/λ=αとなり、λI2のF^への作用は自明。
すなわち、GL(2,F)の正規部分群F*I2について、
任意のγ∈GL(2,F)により定まる剰余類γF*I2のF^上の作用は等しいから、
商群GL(2,F)/F*I2=PGL(2,F)のF^上の作用は矛盾なく与えられる。
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