2011-07-10

コックス「ガロワ理論」 7.5節の演習問題3

演習問題13
7.5.6と同様に、σ: (t)→(t) (α(t)→α(ζnt))とすると、
明らかにtnσで不変だから(tn)LG
定理7.5.3(a)(b)により、LG(t)Galois拡大で[(t):LG]=|G|=n
一方命題7.5.5により[(t):(tn)]=nだから、[LG:(tn)]=1となるので、
補題4.3.3によりLG=(tn)。よって定理7.5.3(c)により、Gal((t)/(tn))=GCn

演習問題14
(a)
o(σ)=o(τ)=2である。
στ(α(t))=α(1-t-1)より、(στ)2(α(t))=α((1-t)-1), (στ)3(α(t))=α(t)だから<στ>C3
 (στ)i-1(α(t))=αi(t) (i=1,2,3)とすると、添字の置換について<στ><(123)>
またτσ(α(t))=α3(t), (τσ)2(α(t))=α2(t),よりτσ=(στ)-1, <τσ><(132)>
するとτ-1(στ)τ=τσ=(στ)-1だから、<σ,τ>は位数2o(στ)=6の二面体群。
すなわち<σ,τ>=<στ,τ>D6S3

(b)
(a)によりG=<σ,τ>F(t)の自己同型のなす有限群だから、
定理7.5.3よりLGF(t)6次のGalois拡大でG=Gal(F(t)/LG)
Gは明らかにF上恒等だから、GGal(F(t)/F)の部分群である。

定理7.5.7PGL(2,F)の定義からPGL(2,F)Gal(F(t)/F)なので、

σ,τが一次分数変換であることから、
PGL(2,F)の部分群Pが存在してPG=<σ,τ>S3

γ=((1,0),(1,0))とするとσγ-1=σ, δ=((-1,1),(0,1))とするとσδ-1=τなので、P=<[γ],[δ]>
[γ]·0=∞, [γ]·1=1, [γ]·∞=0また[δ]·0=1, [δ]·1=0, [δ]·∞=∞だから、
P{0,1,∞}をそれ自身に移し、命題7.5.8により[γ],[δ]は一意。
逆に{0,1,∞}をそれ自身に移すPGL(2,F)の部分群Qは、
0,1,∞3要素の任意の置換と同型だから、QS3PG
したがって、G{0,1,∞}をそれ自身に移す元全体からなる、
PGL(2,F)の部分群と同型。

S3のもとになる、置換される3要素は、こんな奥深くに隠れてるのね・・・。

(c)
f(t)=(t2-t+1)3/[t2(t-1)2]とすると、σ(f(t))=f(t), τ(f(t))=f(t)なのでF(f(t))LG
(b)よりLGF(t)6次のGalois拡大なので [F(t):LG]=6
命題7.5.5(c)により[F(t):F(f(t))]=6なので、
体拡大F(f(t))LGF(t)に定理4.3.8(塔定理)を適用して
6=[F(t):F(f(t))]=[F(t):LG][LG:F(f(t))]=6[LG:F(f(t))]だから[LG:F(f(t))]=1
したがって補題4.3.3によりF(f(t))=LGだから、
F(f(t))F(t)Galois拡大で(a)によりG=Gal(F(t)/F(f(t)))S3

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