演習問題13
例7.5.6と同様に、σ: ℂ(t)→ℂ(t) (α(t)→α(ζnt))とすると、
明らかにtnはσで不変だからℂ(tn)⊂LG。
定理7.5.3(a)(b)により、LG⊂ℂ(t)はGalois拡大で[ℂ(t):LG]=|G|=n。
一方命題7.5.5により[ℂ(t):ℂ(tn)]=nだから、[LG:ℂ(tn)]=1となるので、
補題4.3.3によりLG=ℂ(tn)。よって定理7.5.3(c)により、Gal(ℂ(t)/ℂ(tn))=G≃Cn。
演習問題14
(a)
o(σ)=o(τ)=2である。
στ(α(t))=α(1-t-1)より、(στ)2(α(t))=α((1-t)-1), (στ)3(α(t))=α(t)だから<στ>≃C3。
(στ)i-1(α(t))=αi(t) (i=1,2,3)とすると、添字の置換について<στ>≃<(123)>。
またτσ(α(t))=α3(t), (τσ)2(α(t))=α2(t),よりτσ=(στ)-1, <τσ>≃<(132)>。
するとτ-1(στ)τ=τσ=(στ)-1だから、<σ,τ>は位数2o(στ)=6の二面体群。
すなわち<σ,τ>=<στ,τ>≃D6≃S3。
(b)
(a)によりG=<σ,τ>はF(t)の自己同型のなす有限群だから、
定理7.5.3よりLG⊂F(t)は6次のGalois拡大でG=Gal(F(t)/LG)。
Gは明らかにF上恒等だから、GはGal(F(t)/F)の部分群である。
定理7.5.7とPGL(2,F)の定義からPGL(2,F)≃Gal(F(t)/F)なので、
σ,τが一次分数変換であることから、
PGL(2,F)の部分群Pが存在してP≃G=<σ,τ>≃S3。
γ=((1,0),(1,0))とするとσγ-1=σ, δ=((-1,1),(0,1))とするとσδ-1=τなので、P=<[γ],[δ]>。
[γ]·0=∞, [γ]·1=1, [γ]·∞=0また[δ]·0=1, [δ]·1=0, [δ]·∞=∞だから、
Pは{0,1,∞}をそれ自身に移し、命題7.5.8により[γ],[δ]は一意。
逆に{0,1,∞}をそれ自身に移すPGL(2,F)の部分群Qは、
0,1,∞の3要素の任意の置換と同型だから、Q≃S3≃P≃G。
したがって、Gは{0,1,∞}をそれ自身に移す元全体からなる、
PGL(2,F)の部分群と同型。
S3のもとになる、置換される3要素は、こんな奥深くに隠れてるのね・・・。
(c)
f(t)=(t2-t+1)3/[t2(t-1)2]とすると、σ(f(t))=f(t), τ(f(t))=f(t)なのでF(f(t))⊂LG。
(b)よりLG⊂F(t)は6次のGalois拡大なので [F(t):LG]=6。
命題7.5.5(c)により[F(t):F(f(t))]=6なので、
体拡大F(f(t))⊂LG⊂F(t)に定理4.3.8(塔定理)を適用して
6=[F(t):F(f(t))]=[F(t):LG][LG:F(f(t))]=6[LG:F(f(t))]だから[LG:F(f(t))]=1。
したがって補題4.3.3によりF(f(t))=LGだから、
F(f(t))⊂F(t)はGalois拡大で(a)によりG=Gal(F(t)/F(f(t)))≃S3。
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