演習問題1
(a)
f=xm-1とするとLの標数は0なのでf'=mxm-1で、f= f'x/m-1だからgcd(f,f')=1。
故に命題5.3.2によりfは分離的。
(b)
1はfの根である。
x1,x2をfの異なる根とすると、(x1x2)m-1= x1mx2m-1=1·1-1=0だからx1x2もfの根。
x1-1=1/x1とすると(x1-1)m-1=1/x1m-1=0だから、x1-1はfの根。
したがってxm-1の根全体は乗法に関し群を成す。
演習問題2
F⊂LはGalois拡大だから、定理7.1.1によりLは、
ある分離多項式f∈F[x]の分解体なので、fの根をα1,...,αnとしてL=F(α1,...,αn)。
また、F⊂F(ζ)はxm-1の分解体だから、定理7.1.1によりGalois拡大。
(8.3)式によりL(ζ)=F(α1,...,αn,ζ)=LF(ζ)なので、
8.2節演習問題7によりF⊂L(ζ)はGalois拡大。
演習問題3
f=xm-1, p次円分多項式をΦp=xp-1+...+x+1とすると、f=(x-1)Φp。
fは演習問題1(a)により分離的で、相異なる根は1,ζ,...,ζp-1だから、
ζ,...,ζp-1はΦpの根、すなわちi=1,..,p-1に対しΦp(ζi)=0。
これより、(8.9)式の左辺=ζ-(p-1)i[(ζi)p-1+...+ζi+1]=ζ-(p-1)iΦp(ζi)=0。
演習問題4
(a)
γi,ζiγi,..., ζimi-1γiはxmi-γimiの相異なる全ての根なので、
σ∈Gal(Fi/Fi-1)とするとσはこれらの根の置換を引き起こす、
Fi-1上恒等な自己同型である。ζi ∈F⊂Fi-1としてよいので、σ(ζi)=ζiだから、
σはγiでの値によって決まる。
すなわち、任意のσに対しあるl (0≤l≤mi-1)がただ一つ存在してσ(γi)=ζilγi。
(b)
ζimi=1を用いて、σ(γi)=ζi[l]γiである。
σ,τ∈Gal(Fi/Fi-1)とし、τ(γi)=ζi[k]γiを任意にとると、
στ(γi)=ζi[k+l]γi=τσ(γi)だからGal(Fi/Fi-1)はAbel群で、
σ→[l]が加法群としてのℤ/miℤへの、Gal(Fi/Fi-1)からの準同型を与えることがわかる。
この準同型の核の元σをとれば[l]=0よりσ(γi)=γiだから、
核は恒等な自己同型のみからなるので、σ→[l]は1対1準同型写像。
(c)
Gal(Fi/Fi-1)はσ(ζi)=ζiγiとなるσによって生成されるから、
Gal(Fi/Fi-1)は巡回群。o(σ)=miなので、
任意の[l]に対し(b)の準同型はσl→[l]となるから、
(b)の1対1準同型写像は全射。よって同型写像だからGal(Fi/Fi-1)≃ℤ/miℤ≃Cmi。
演習問題5
F⊂LはGalois拡大なので、F⊂Fi-1⊂Lに定理7.3.1を適用して、
Gal(L/Fi-1)はGal(L/F)の部分群だから、定理A.1.1(Lagrangeの定理)により
|Gal(L/Fi-1)|は|Gal(L/F)|を割る。
またF⊂Fi-1⊂Lに命題7.1.3を適用してFi-1⊂LはGalois拡大。
Fi-1⊂FiはGalois拡大だから、定理7.2.5によりGal(L/Fi)⊴Gal(L/Fi-1)なので、
定理7.2.7によりGal(L/Fi-1)/Gal(L/Fi)≃Gal(Fi/Fi-1)となり、
|Gal(Fi/Fi-1)|は|Gal(L/Fi-1)|を割る。したがって|Gal(Fi/Fi-1)|は|Gal(L/F)|を割る。
演習問題6
0≤i≤n-1として(ζmi/n)n=ζmi=1だから、
1,ζm/n,..., ζm(n-1)/nはxn-1のn個の相異なる根である。
xn-1のL上の分解体はL(ζm/n)だが、n|m, ζ∈Lだから、L(ζm/n)=L=L(ζ)。
したがってζm/nは1の原始n乗根。
演習問題7
(a)
(問題文のi=1,...,prはi=1,...,rの誤植)
m=p1...prとする。ζ∈Fを1の原始m乗根とすると、
ζm/pi∈Fは演習問題6により1の原始pi乗根。
逆にi=1,...,rについて1の原始pi乗根をζi∈Fとし、ζ=∏iζi∈Fとすると、
ζm=1, ζk≠1 (1≤k≤m-1)だから、ζは1の原始m乗根。
(b)
(a)のノーテーションのもとで、ζ∈Fだから(a)によりζi∈F。
F⊂LはGalois拡大だから定理7.1.5により|Gal(L/F)|=[L:F]なので、
piは|Gal(L/F)|を割る。したがってFは(8.12)を満たすので、
定理8.3.3の「特別な場合」の証明により、F⊂Lは冪根的。
(c)
補題8.3.1によりF⊂L(ζ)はGalois拡大で、さらに可解拡大だから、
定理8.3.3(Galoisの定理)によりGal(L/F)は可解群。
補題8.3.1によりF(ζ) ⊂L(ζ)もGalois拡大でGal(L(ζ)/F(ζ))は可解群となるから、
定理8.3.3(Galoisの定理)によりF(ζ) ⊂L(ζ)は可解拡大。
F(ζ)は1の原始m乗根を含むから、(b)によりF(ζ)⊂L(ζ)は冪根的となる。
ζm=1∈FだからF⊂F(ζ)は冪根的なので、補題8.2.7によりF⊂L(ζ)は冪根的。
演習問題8
(a)
Re(α13)はMaximaコマンド
omega:(-1+sqrt(3)*%i)/2;
alpha1:x1+omega^2*x2+omega*x3;
elem:2;
ratsimp(elem([3],realpart(alpha^3),[x1,x2,x3]));
を用いてRe(α13)=σ13-9σ1σ2/2+27σ3/2=-27/2q。
またIm(α13)=(3√3/2)(x12x3-x22x3-x1x32+x2x32-x12x2+x1x22)
=(3√3/2)(x2-x1)(x3-x2)(x3-x1)=3√3√Δ/2なので、α13=27/2[-q+√(-Δ/27)]。
写像α13→(23)·α13は、x2にx3を、x3にx2を代入する求値写像なので、
定理2.1.2により環準同型。
Re(α13)は対称式なのでこの写像に対し不変で、
Im(α13)は交代式に比例するから命題2.4.1によりIm(β13)=-Im(α13)。
したがってβ13=27/2[-q-√(-Δ/27)]だからβ1=3∛{1/2[-q-√(-Δ/27)]}を得る。
(b)
α1=x1+ω2x2+ωx3, β1=x1+ωx2+ω2x3, σ1=x1+x2+x3を、
x1,x2,x3について解いて(8.15)を得る。
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