演習問題1
例13.4.1でt2=1はt2=-1の誤植。
S3={(1),(12),(13),(23),(123),(132)}より、Maximaのバッチファイル
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t1:1;t2:-1;t3:2;
s1:y-(t1*x1+t2*x2+t3*x3);
s2:psubst([x1=x2,x2=x1],s1);
s3:psubst([x1=x3,x3=x1],s1);
s4:psubst([x2=x3,x3=x2],s1);
s5:psubst([x1=x2,x2=x3,x3=x1],s1);
s6:psubst([x1=x3,x3=x2,x2=x1],s1);
S:s1*s2*s3*s4*s5*s6;
Ss:ratsimp(elem([3],S,[x1,x2,x3])),elem:2;
s:subst([e1=-1,e2=-2,e3=1],Ss);
ss:factor(s);
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を用いて、SsでS(y)が、sとssでs(y)が確かめられる。
演習問題2
問題文のKはFの誤植だろう。
(13.32)はα1,..., αnについて対称だから、
定理2.2.2と
系2.1.5によりsu(y)∈F[u1,...,un,y]
演習問題3
(a)
与式は各u1,...,un,yについて1次だから既約。
(b)
(L[u1,...,un,y]はPIDではないので、Euclid整域でないから、
割り算アルゴリズムは一意ではないので使えない)。
h=gqだからL[u1,...,un,y]においてh∈<g>である。
F[u1,...,un,y]においてh∉<g>だったとすると、
F[u1,...,un,y]でh=gq1+r1なるq1,r1∈F[u1,...,un,y], r1∉<g>が存在して、
r1は0でない。
ところがF[u1,...,un,y]はL[u1,...,un,y]の部分環だから、
L[u1,...,un,y]でもh=gq1+r1となり、
L[u1,...,un,y]においてh∉<g>となるので矛盾。
したがって、F[u1,...,un,y]においてもh∈<g>だから、
0でないq2∈F[u1,...,un,y]が存在してF[u1,...,un,y]においてh=gq2。
Lは体だから系A.5.7によりL[u1,...,un,y]はUFDなので、
部分環F[u1,...,un,y]においてh=gq2なら
L[u1,...,un,y]でもh=gq2でなければならない。
これはq2=qを意味するから、q∈F[u1,...,un,y]。
(c)
任意のν∈Gfをとると、h=∏μ∈Gf (y-∑1≤i≤n
uiαμσ(i))より、
σ-1νσ·h=∏μ∈Gf (y-∑1≤i≤n uσ-1νσ(i)αμσ(i))。
ここでσ-1νσ(i)=jとおけば、
異なるiについてjも全て異なり、またσ(i)=ν-1σ(j)から、
σ-1νσ·h=∏μ∈Gf (y-∑1≤j≤n ujαμν-1σ(j))=∏λ∈Gf (y-∑1≤j≤n
ujαλσ(j))=h、
ただしλ=μν-1とおき、μがGf全体を走るとき、
μν-1もGf全体を走ることを用いた。
故に、σ-1νσ∈Gだからσ-1Gfσ⊂G。
演習問題4
(a)
演習問題1と同様のMaximaバッチファイル
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s1:y-(u1*x1+u2*x2+u3*x3);
s2:psubst([x1=x2,x2=x1],s1);
s3:psubst([x1=x3,x3=x1],s1);
s4:psubst([x2=x3,x3=x2],s1);
s5:psubst([x1=x2,x2=x3,x3=x1],s1);
s6:psubst([x1=x3,x3=x2,x2=x1],s1);
S:s1*s2*s3*s4*s5*s6;
Ss:ratsimp(elem([3],S,[x1,x2,x3])),elem:2$
s:subst([e1=-1,e2=-2,e3=1],Ss)$
ss:factor(s);
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を用いてsu(y)の規約因数分解を得る。
(b)
Maxima
で計算して、
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h:((a)で得たhの表式、長いので略)
hsym:ratsimp(elem([3],h,[u1,u2,u3])),elem:2;
hres:ratsimp(h-subst([e1=u1+u2+u3,e2=u1*u2+u1*u3+u2*u3,
e3=u1*u2*u3],hsym));
hsym+hres;
-------
から、例13.4.3のhの表式を得る。
演習問題5
演習問題4(a)と同様に、Maximaバッチファイル
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s1:y-(u1*x1+u2*x2+u3*x3);
s2:psubst([x1=x2,x2=x1],s1);
s3:psubst([x1=x3,x3=x1],s1);
s4:psubst([x2=x3,x3=x2],s1);
s5:psubst([x1=x2,x2=x3,x3=x1],s1);
s6:psubst([x1=x3,x3=x2,x2=x1],s1);
S:s1*s2*s3*s4*s5*s6;
Ss:ratsimp(elem([3],S,[x1,x2,x3])),elem:2$
s:subst([e1=0,e2=0,e3=1],Ss)$
ss:factor(s);
-------
から、例13.4.4のsu(y)の規約因数分解を得る。
演習問題6
(a)
ℚ[x1,...,xn]においてf=gh (g,h∈ℚ[x1,...,xn], deg(g)>0,deg(h)>0)
と可約になったとする。あるr,s∈ℤが存在して、
rg,sh∈ℤ[x1,...,xn]だから、ℤ[x1,...,xn]においてrsf=(rg)(sh)となる。
r,sは素因数分解した形で表されていると考えれば、
素数はℤ[x1,...,xn]において規約かつfはℤ上規約なので、
rsfは2通りの既約因数分解を持つことになり、
ℤ[x1,...,xn]がUFDであることと矛盾。
したがってfはℚ[x1,...,xn]上でも規約。
(b)
h1をsu(y)をℤ[u1,...,un,y]の規約因子とすると、
(a)によりh1はℚ[u1,...,un,y]の規約因子で、,
ℚ[u1,...,un,y]はUFDだから、ℚ[u1,...,un,y]の単数倍、
すなわちℚ倍の不定性を除きhとh1は一致する。
演習問題7
fはMaximaで規約因数分解できないのでℚ上既約。
Maximaで
------
f:x^5+20*x+16;
discriminant:factor(resultant(f,diff(f,x),x));
factor(f),modulus:7;
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を用いてΔ(f)=216·56と、例13.4.6のF7[x]における規約因数分解を得る。
演習問題8
p=3に対するSchönemann-Eisenstein判定法によりfはℚ上既約。
Maximaで
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f:x^5-6*x+3;
factor(f),modulus:11;
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を実行して、F11においてf=(x2+3x+8)(x3+8x2+x+10)だから、
定理13.4.5によりlcm(2,3)=6は|Gal(L/ℚ)|を割る。
定理13.2.2のS5の可移部分群のうち、位数が6で割れるのは
A5とS5だけである。
Δ(f)=-34·19·1129∉ℚ2だから、定理13.2.6によりGal(L/ℚ)≃S5。
演習問題9
Snの2つの置換τ1, τ2について、あるσ∈Snに対しτ2=σ-1τ1σとすると、
τ2はτ1の各サイクルの文字をσによって置換したものだから、
τ1と同じサイクル型を持つ。
逆にτ2がτ1と同じサイクル型を持てば、
τ1の各サイクルの文字をτ2の対応する文字に置換するσ∈Snが存在するので、
τ2=σ-1τ1σである。
演習問題10
(a)
(13.35)の集合をCとすると、
GはSnの部分群なので、ある固定したサイクル型の元は、
必ずしもGに入らないから、C =∅であることもありうる。
C ≠∅の場合は、σ1, σ2∈Cなら演習問題9により、
あるτ∈Snが存在してσ2=τ-1σ1τである。
共軛関係は同値関係だから、Snはこの同値関係によって類別されるので、
ある固定したサイクル型を持つSnの類とGの共通部分がC。
τ∈Gであることとσ1, σ2がGの同じ共軛類に属することは同値だが、
そのようなτ∈Gは常に存在するとは限らないので、
一般にはCはGの共軛類の和集合。
(b)
S4の部分群G={(1),(12),(34),(12)(34)}≃D4を考える。
サイクル型が"3,1"の元は存在しないので、このサイクル型についてC =∅。
サイクル型が"2,1,1"の元は(12)と(34)だが、
(34)=τ-1(12)τとなるτはGに存在しない(S4には存在する)から、
(12)と(34)はGの異なる共軛類に属するので、
サイクル型"2,1,1"に対しCはGの2つの共軛類の和集合。
演習問題11
(a)
S4の元は(1)(2)(3)(4)と4C2=6個の互換、4P3/3=8個の3サイクル、
4P4/4=6個の4サイクルと、3個の独立な互換同士の積である。
したがって
サイクル型
|
1,1,1,1
|
2,1,1
|
3,1
|
4
|
2,2
|
元の数
|
1
|
6
|
8
|
6
|
3
|
元の割合
|
4%
|
25%
|
33%
|
25%
|
13%
|
A4の元は(1)(2)(3)(4)と4P3/3=8個の3サイクル、
3個の独立な互換同士の積である。
サイクル型
|
1,1,1,1
|
3,1
|
2,2
|
元の数
|
1
|
8
|
3
|
元の割合
|
8%
|
67%
|
25%
|
D8の元は(1)(2)(3)(4)と2個の互換、2個の4サイクル、
3個の独立な互換同士の積である。
サイクル型
|
1,1,1,1
|
2,1,1
|
4
|
2,2
|
元の数
|
1
|
2
|
2
|
3
|
元の割合
|
13%
|
25%
|
25%
|
38%
|
D4⊂A4の元は(1)(2)(3)(4)と3個の独立な互換同士の積である。
サイクル型
|
1,1,1,1
|
2,2
|
元の数
|
1
|
3
|
元の割合
|
25%
|
75%
|
C4の元は(12.37)の通り。
(b)
「13.1節の演習問題15」は「13.1節の演習問題14」の誤植。
Maximaでfactorで因数分解した結果を自動で例えばリストに割り当てて、
あとの計算で使う方法がわからない・・・。
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