2012-02-25

コックス「ガロワ理論」 14.1節の演習問題


演習問題1
(a)
<θ>の正規化群をNとする。
τNとすると、τθτ-1<θ>だから、ある1lp-1が存在して
τθτ-1=θlだからτθ=θlτ
逆にτθ=θlτならτθτ-1=θlだからτN

(b)
(14.1)を繰り返し適用することで、
τ(i+j)=τ(i+(j-1)+1)=τ(i+(j-1))+l=....=τ(i)+jl

演習問題2
(a)
HGよりgH=Hgだから、(gH)o(g)=g o(g)Ho(g)=H
定理A.1.1Lagrangeの定理)から|G/H|=|G|/|H|=[G:H]だから、
任意のgHG/Hについて(gH)[G:H]=eG/H=H
以上により(gH)o(g)=(gH)[G:H]=H

(b)
gcd(o(g),[G:H])=1だから、あるm,nが存在してmo(g)+n[G:H]=1
(a)により(gH)o(g)=(gH)[G:H]だから、
(gH)mo(g)=(gH)1-n[G:H]= (gH)m[G:H]よりgH=(gH)(m+n)[G:H]
さらに(gH)[G:H]=Hを用いてgH=[(gH)[G:H]]m+n=Hとなるので、gH

演習問題3
定理A.5.1(c)Sylowの第3定理)により、
Gp-Sylow部分群の個数をNとして、
N1 (mod p)かつN|G|=pm (1mp-1)を割る。
N1 (mod p)よりN=pk+1≠p (k≥0)だからN|mなので、
ある1dmについてm=Nd=pkd+dだが、
1mp-1だからk=0でなければならない。
したがってN=1となり、<θ>Gの唯一つのp-Sylow部分群だから、
gGを任意として<θ>の位数pの共軛部分群g<θ>g-1=<θ>となるので、
<θ>Gである。

演習問題4
GFrobenius群なら、GxGy={e}である。
Gは可移的なのでg(x)=yとなるgGが存在するからGxG
また|G·x|=|X|<|G|から定理A.4.9(群の作用の基本定理)により|Gx|=|G|/|G·x|=|G|/|X|>1
故に1<|Gx|<|G|
H=Gxとし、任意のgHについて、g(x)=yxとすると、
gHg-1Gの部分群で(gHg-1)·y=yだから、
gHg-1Gyなので、HgHg-1={e}である。

逆はうーん・・・。

演習問題5
Fの標数は0fは規約だから命題5.3.7により分離的。
f[x]は奇数次なので、命題3.2.2により少なくとも1つの実根αを持つ。
f2つの実根α,γを持ち、かつβなる根も持ったとする。
fは冪根で解けるから、定理14.1.1によりL=F(α, β)=F(α, γ)となるが、
F(α, β) かつF(α, γ)だから矛盾。
故にfはただひとつの実根を持つか、またはp個全ての根が実根である。

演習問題6
6.4節演習問題6により、f3つの実根を持つ。
f[x][x]は規約5次式だから、演習問題5により、
fは冪根で解くことはできない。

演習問題7
τSpについてτθτ-1AGL(1,Fp)とする。
(τθτ-1)p=τθpτ-1 =eだから、o(τθτ-1)=pである。
補題14.1.2(a)により<θ>AGL(1,Fp)で、[AGL(1,Fp):<θ>]=p-1だから、
gcd([AGL(1,Fp):<θ>], o(τθτ-1))=1なので、補題14.1.3によりτθτ-1<θ>
したがってτ<θ>を正規化するので、補題14.1.2(a)によりτAGL(1,Fp)

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