演習問題16
(a)
γT: AutF(V)→AutF(W) (ϕ↦T∘ϕ∘T-1)は明らかに群準同型。
Tは同型なので、ψ∈AutF(W)ならγT(T-1∘ψ∘T)=ψ, T-1∘ψ∘T∈AutF(V)。
故にγTは全射。
γT(ϕ)=T∘ϕ∘T-1=eAutF(W)なら、ϕ=T-1∘T=eAutF(V)だから、
γTは1対1、よって同型だからγT: AutF(V)≃AutF(W)。
(b)
T, T'はいずれもVからWへの同型だから、
Φ-1= T∘T'-1∈AutF(W)によってΦ:
W→Wを定義でき、Φ∈AutF(W)。
これよりT'=Φ∘T。
(c)
任意のϕ∈AutF(V)について、
γT'(ϕ)=T'∘ϕ∘T'-1=Φ∘T∘ϕ∘T-1∘Φ-1=Φ∘γT(ϕ)∘Φ-1=γΦ∘γT(ϕ)なので
γT'=γΦ∘γT。
演習問題17
(a)
aI2+bγαは明らかにγαと可換だから{aI2+bγα∈AutFp(Fp2)|a,b∈Fp}⊂C(γα)。
逆にm∈C(γα)とする。α∈Fp2∖Fpなので、
1,αはFp上のベクトル空間としてのFp2の基底だから、
m(1)=a+bα=(aI2+bγα)(1)となるa,b∈Fpが存在する。
mγα=γαmだから、m(α)=mγα(1)=γαm(1)=γα(a+bα)=aα+bα2=(aI2+bγα)(α)。
Fp2の基底で線形写像が一致するから、m=aI2+bγα。
したがってC(γα)⊂{aI2+bγα∈AutFp(Fp2)|a,b∈Fp}。
{γβ|β∈Fp2*}⊂{aI2+bγα∈AutFp(Fp2)|a,b∈Fp}は明らか。
m=aI2+bγα∈AutFp(Fp2)
(a,b∈Fp)とし、β=a+bα≠0とすれば、
m(1)=a+bα=γβ(1), m(α)=aα+bα2=(a+bα)α=γβ(α)だから、
{aI2+bγα∈AutFp(Fp2)|a,b∈Fp}⊂{γβ|β∈Fp2*}。
逆にn∈{γβ|β∈Fp2*}ならβ=a+bα
(a,b∈Fp)とおけるので、
n(1)=β=a+bα=(aI2+bγα)(1), n(α)=βα=(aI2+bγα)(α)となり、
{γβ|β∈Fp2*}⊂{aI2+bγα∈AutFp(Fp2)|a,b∈Fp}。
よって{aI2+bγα∈AutFp(Fp2)|a,b∈Fp}={γβ|β∈Fp2*}。
以上により(14.38)を得る。
任意のa+bα∈Fp2
(a,b∈Fp)について、
m∈AutFp(Fp2)だからm(a+bα)=am(1)+bm(α)。
m(α)=βm(1)だから、m(a+bα)=am(1)+bβm(1)=(a+bβ)m(1)。
β=αならm(a+bα)=(a+bα)m(1)=γδ(a+bα)=γδ,e(a+bα)だから、
m=γδ=γδ,e∈ΓL(1,Fp2)。
β=σ(α)
なら、σ∈Gal(Fp2/Fp)なので、
σはFp上恒等な体Fp2の自己同型だから、
m(a+bα)=(a+bσ(α))m(1)=σ(a+bα)m(1)=(γδ∘σ)(a+bα)=γδ,σ(a+bα)だから、
m=γδ∘σ=γδ,σ∈ΓL(1,Fp2)。したがって(14.40)を得る。
(b)
γμ,σ∈ΓL(1,Fp2)
(μ∈Fp2, σ∈Gal(Fp2/Fp))とすると、
γμ,σγσ-1(μ-1),σ-1=γ1,eなのでγμ,σ-1=
γσ-1(μ-1),σ-1 。
γβ∈C(γα)
(β∈Fp2*)と任意のu∈Fp2に対し、
γμ,σ∘γβ∘γμ,σ-1(u)= γμ,σ∘γβ(σ-1(μ-1)σ-1(u))= γμ,σ(βσ-1(μ-1)σ-1(u))
=μσ(β)μ-1u=σ(β)u=γσ(β)(u)で、β∈Fp2*よりσ(β) ∈Fp2*だから、
γμ,σ∘γβ∘γμ,σ-1=γσ(β)∈C(γα)となるのでγμ,σ∈N(C(γα))。
故にΓL(1,Fp2)⊂N(C(γα))。
演習問題18
(a)
Aがa∉{hgh-1| h∈M}なる元aを持つと仮定する。
Aa={h1ah1-1| h1∈M}にh1ah1-1= h2gh2-1なるh,h1∈Mが存在すれば、
a=h1-1h2gh2-1 h1=(h1-1h2)g(h1-1h2)-1∈<hgh-1>なので仮定に反するから、
Aa⊴MかつAaはAの真部分群。
これはAの極小性に反するので、A={hgh-1| h∈M}。
(b)
a∈A, z∈Z(A)とする。A⊴Mだから、任意のm∈Zについて
a=mbm-1なるb∈Aが存在するので、
a(mzm-1)=mbm-1 mzm-1= mbzm-1=mzbm-1= mzm-1 mbm-1=(mzm-1)aだから、
mzm-1∈Z(A)となりZ(A)⊴M。
演習問題19
(a)
g∈Fp*を法pでの原始根とすると、
補題9.1.2(Fermatの小定理)によりgp-1=1。
p-1≡0 (mod 8)だから、p-1=8mとなるm∈ℕが存在するので、
1=gp-1=g8m=(gm)8。gは原始根だから(gm)2≠1,
(gm)4≠1なので、
ζ=gmとしてo(ζ)=8。
(b)
(平方剰余の第2補充法則によりp≡1 (mod 8)なら2は平方剰余だから、
α2=2となるα∈Fp*が存在する。)
i2=ζ4, (ζ4)2=1なので0=ζ8-1=(ζ4-1)(ζ4+1)=0。
(a)によりζ4≠1だからζ4=i2=-1。
故に(1+i)2=2iだから、α=iζ(1+i)とおけばα2=2となる。
(c)
(14.25)の行列をa1=((0,1),(1,0)), a2=((i,0),(0,1)), a3=((1,-1),(1,1))とする。
ただし(b)によりi2=-1, i=ζ2。
det(a1)=-1でia1∈SL(2,Fp),
det(a2)=iなのでiζa2∈SL(2,Fp),
det(a3)=2なのでiζ(1+i)a3∈SL(2,Fp)。
演習問題10(a)により<[a1],[a2],[a3]>≃S4なので、
S4≃<[ia1],[iζa2],[iζ(1+i)a3]>⊂PSL(2,Fp)。
(d)
ζ82=iだから、Fpにおけるζとℂにおけるζ8が対応している。
演習問題20
(a)
gh=-hgとCayley-Hamiltonの定理から、
命題14.4.4の証明と同様にしてg2=h2=-1。
これより(gh)2=-g2h2=-1, g(gh)=-(gh)g=g2h=-h,
h(gh)=-(gh)h=-gh2=-g, -I2∈Z(<g,h>)。
写像g↦i, h↦jの対応により、gh↦kで、
Qと<g,h>(…というか<-I2, g,h>)は同じCayley表を持つことが確かめられるから、
Q≃<g,h>。
(b)
(14.26)のπをπ=π2∘π1,
π1:AGL(2,Fp)→GL(2,Fp) (γA,v↦A),
π2:GL(2,Fp)→PGL(2,Fp) (A↦[A])と分ける。
命題14.4.4と同じノーテーションのもとで、
(M3)0=π2-1(N(H)), H=<[g],[h]>⊂PGL(2,Fp)。
任意のm∈(M3)0をとると、[m]∈N(H)だから[m]H[m]-1=H。
この両辺にπ2-1を作用させれば、
Ker(π2)=Fp*I2はGL(2,Fp)の全ての元と可換であることと、
π2-1(H)=<g,h>Fp*I2から、
m<g,h>m-1Fp*I2=<g,h>Fp*I2。
q∈<g,h>ならdet(mqm-1)=det(q)=1だから、
実はm<g,h>m-1=<g,h>なので、m∈N(<g,h>)。故に (M3)0⊂N(<g,h>)。
逆にm∈N(<g,h>)なら、任意のq1∈<g,h>について、
あるq2∈<g,h>が存在してmq1m-1=q2。
この両辺にπ2を作用させれば、[q1],[q2]∈<[g],[h]>=Hで、
[m][q1][m]-1=[q2]∈Hとなるから、[m]∈N(H)
なのでm∈π2-1(N(H))=(M3)0となるからN(<g,h>)⊂(M3)0。
以上により(M3)0=N(<g,h>)。
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