(a)
7.3節演習問題8(a)で示した。L=ℚ(ζ7+ζ7-1)である。
(b)
7.3節演習問題8(a)により、L=ℚ(ζ7+ζ7-1)である。
ζ7+ζ7-1∈ℚ(ζ7)だからL⊂ℚ(ζ7)。したがってℚ⊂L⊂ℚ(ζ7)。
ζ77=1∈ℚより拡大ℚ⊂ℚ(ζ7)は定義8.2.1を満たすので、ℚ⊂ℚ(ζ7)は冪根的。
演習問題2
ℚ⊂Lが冪根的なら定義8.2.1によりあるγ∈Lとm∈ℕが存在して、
L=ℚ(γ), γm∈ℚである。m<3なら補題4.1.3により、
γのℚ上の最小多項式の次数が2次以下となるが、
これは7.3節演習問題8(a)により[L:ℚ]=3であることと矛盾するからm≥3。
演習問題3
(a)
K1⊂L, K2⊂Lだから、K1,K2を含むLの部分体は少なくともLが存在する。
K1,K2を含むLの部分体全体を{Li}とし、K=⋂i Liとすれば、
全てのiに対しK⊂LiかつK1⊂K, K2⊂K。
k1,k2∈Kとする。全てのiに対しk1,k2∈Liで、各Liは体だから、
k1,k2の和、積、加法・乗法の逆元も全てのLiの元となるので、
それらはKの元になる。また明らかに0,1∈Kなので、Kは体。
したがって、KはK1,K2を含むLの最小の部分体だからK=K1K2。
(b)
K=F(α1,...,αn,β1,...,βm)とすると、Kは体でK1⊂K, K2⊂Kだから、
(a)によりK1K2⊂K。
k∈Kとすると、kはα1,...,αn,β1,...,βmのF係数有理式で表される。
K1,K2を含む任意の体Mにおいて、α1,...,αn,β1,...,βm∈Mだからk∈Mである。
したがってK1,K2を含む全ての体の共通部分にkは含まれるから、
(a)によりk∈K1K2となりK⊂K1K2。
以上によりK=K1K2。
演習問題4
(a)
F⊂KはGalois拡大だから命題7.1.7(a)を満たす。
L⊂K'が、F⊂K'がGalois拡大となる拡大だったとすると、
F⊂K'は有限次正規拡大でα∈L⊂K'だから、h∈F[x]⊂L[x]はK'上完全分解する。
したがってあるK''⊂K'が存在してK''はhの分解体となり、
系5.1.7によりL上恒等写像であるような体の同型K''≃Kが存在する。
K''⊂K'だからこの同型はK'の中への、体の準同型となり、
命題7.1.7(b)が満たされる。したがって、KはLのF上のGalois閉包である。
(b)
hは命題4.1.5によりF上の既約多項式で、Kはhの分解体だから、
命題6.3.7によりGal(K/F)は可移。
σ∈Gal(K/F)とすれば、σはhの根α1を根αiへ可移に移すから、
F⊂L⊂K におけるL=F(α1)の共軛体はσL=σF(α1)=F(αi)。
演習問題5
(a)
iについての数学的帰納法で示す。
i=0のときF0=F⊂K2=F0'だからFi⊂Fi'。
Fi=F0(γ1,...,γi)⊂Fi'=F0'(γ1,...,γi)と仮定すると、
Fi+1=F0(γ1,...,γi)(γi+1)⊂F0'(γ1,...,γi)(γi+1)=F0'(γ1,...,γi+1)= Fi+1'。
したがって全てのi=0,...,nに対しFi⊂Fi'。
(b)
(8.4)式によりFn'=K2(γ1,...,γn)なのでK2⊂Fn'。
F⊂K2だからF(γ1,...,γn)=K1⊂Fn'。
故に定義8.2.5と演習問題3(a)によりK1K2⊂Fn'。
k∈Fn'=K2(γ1,...,γn)なら、kはγ1,...,γn∈K1のK2係数有理式で表されるから、
kはFn'を含む任意の体の元である。したがって演習問題3(a)によりFn'⊂K1K2。
したがってFn'=K1K2。
演習問題6
F⊂Lは冪根的だから、体の列F=F0⊂F0(γ1)⊂F0(γ1,γ2)⊂...⊂F0(γ1,...,γn)=Lが存在して、
あるmi>0に対しγimi∈F0(γ1,...,γi-1)。
σはF上恒等なMの自己同型だから、
σF0=F0⊂σF0(γ1)=F0(σ(γ1))⊂... ⊂σF0(γ1,...,γn)=F0(σ(γ1),..., σ(γn))は体の列となり、
γimi∈F0(γ1,...,γi-1)よりσ(γn)mi∈F0(σ(γ1),..., σ(γi))となるので、
この列は定義8.2.1を満たすから、F⊂σLは冪根的。
演習問題7
F⊂K1はGalois拡大だから有限次拡大。
定理7.1.1によりK1に根を持つF上の分離多項式f1は、
α1,...,αn∈K1をf1の根とするとf1=(x-α1)... (x-αn)とK1上完全分解し、
K1はf1の分解体となるので、K1=F(α1,...,αn)。
同様に、K2に根を持つF上の分離多項式f2は、
β1,..., βm∈K2をf2の根としてf1=(x-β1)... (x-βm)とK2上完全分解し、K2=F(β1,..., βm)。
α1,...,αn,β1,..., βmのうち異なるものをγ1,..., γrとする。
(8.3)式によりK1K2=F(γ1,..., γr)であるから、F⊂K1K2は有限次拡大。
K1K2に根を持つF上の分離多項式f=(x-γ1)... (x-γn)は、
K1K2上完全分解するから、定理7.1.1によりF⊂K1K2はGalois拡大である。
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