演習問題1
x3-xy+y2=1にx=1+ct, y=1+dtを代入してt[c3t2+(3c2-cd+d2)t+2c+d]=0。
これより2c+d≠0なら重複度は1。
2c+d=0なら、c≠0のときt2(c3t+3c2)=0より重複度は2。
2c+d=0でc=0ならd=0なのでx=1+ct=1, y=1+dt=1は直線を表現しない。
2c+d=0のときd=-2c、直線x=1+ct, y=1-2ctは(1,1)における接線となり、
その傾きは-2である。
演習問題2
小問a
直線Lの方向ベクトルは、x,yの第1のパラメター表示に対し(c,d)、
第2のパラメター表示に対し(c',d')で、これらは同じ直線の方向ベクトルだから、
定数λが存在して(c,d)=λ(c',d')。
小問b
g(t), g'(t)のt=0における重複度をそれぞれk,k'とすれば、
g(t)=tkh(t) (h(0)≠0), g'(t)=tk'h'(t)
(h'(0)≠0)。
小問aによりc'=c/λ, d'=d/λだから、g'(t)=g(t/λ)なのでg'(t)=tkh(t)/λkとも書ける。
ここでh(0)=h'(0)≠0だからk=k'となるから、
t=0における重複度はパラメター付けによらない。
演習問題3
x2+y2-2に問題のパラメター付けを代入して
g(t)=2t2+2bt+b2-2だから、g(t)=0の判別式4-b2=0、
すなわちb=±2のとき問題の直線(傾き1)は円に接する。
b=2のときt=-1だから接点は(-1,1),
b=-2のときt=1だから接点は(1,-1)。
演習問題4
求める接線Tのパラメター付けをx=a+ct, y=b+dtとすると、
(a,b)∈V(f)だからg(t)=f(a+ct, b+dt)としてg(0)=0。
TはV(f)と重複度2以上で交わるから、g(t)の一次の項は0なので
0=g'(0)=(∂f(a,b)/∂x)(dx/dt)|t=0+(∂f(a,b)/∂y)(dy/dt)|t=0=c(∂f(a,b)/∂x)+d(∂f(a,b)/∂y)。
これよりT上で
(∂f(a,b)/∂x)(x-a)+(∂f(a,b)/∂y)(y-b)=t[c(∂f(a,b)/∂x)+d(∂f(a,b)/∂y)]=0。
となる。
∇f(a,b)≠0だから、∂f(a,b)/∂xと∂f(a,b)/∂yは同時に0にならないので、
(∂f(a,b)/∂x)(x-a)+(∂f(a,b)/∂y)(y-b)=0が接線の方程式を定める。
演習問題5&6
t=0がg(t)の重複度k以上の根なら,、
m≥kとしてg(t)=tmh(t), h(0)≠0だから、
1≤l<kについてはある多項式p(t) (deg(p)=deg(h)-l=deg(g)-m-1)が存在して
g(l)(t)=tm-l{[m!/(m-l)!]h(t)+tp(t)}だからg(l)(0)=0。
とくにt=0がg(t)の重複度kの根なら、
上においてm=kだから1≤l<kについてg(l)(0)=0かつ、
l=kについてg(k)(0)=k!h(0)≠0。
逆に1≤l<kについてg(l)(0)=0なら、n=deg(g), g(t)=∑0≤i≤n aiti (ai∈k)として
g(l)(0)=l!al=0によりal=0となり、
したがってg(t)=∑k≤i≤n aiti=tk∑0≤j≤n-k aj+ktjとなり、
t=0はg(t)の、重複度が少なくともkの根。
とくにg(k)(0)=k!ak≠0ならak≠0なので、
g(t)=∑k≤i≤n aiti=tkh(t)ただしh(t)=∑0≤j≤n-k aj+ktjとすればh(0)=ak≠0だから、
t=0はg(t)の重複度kの根。
演習問題7
小問a
g(x,y)=y-f(x)として、C=V(g)である。
また問題のパラメター付けされた直線をTとする。
h(t)=g(a+t, f(a)+f'(a)t)=f(a)+f'(a)t-f(a+t)として、
実際h'(t)=f'(a)-f'(a+t)だからh'(0)=0なので、
定義3と演習問題5aにより、TはCの(a,f(a))における接線
小問b
(問題文のf'''(a)=0はf''(a)=0の誤植(原著第3版で確認))
定義3と演習問題5bにより、
Cの(a,f(a))における接線がCと重複度3以上で交わることはh''(0)=0と同値。
h'(t)=-f''(a+t)だからh''(0)=-f''(a)=0と同値。
小問c
演習問題6により直ちに従う。
小問d
小問cによりf''(x)はx=aで狭義単調だから、x=aで符号を変えるので、
(a,f(a))はCの変曲点。
演習問題8
小問a
f=x3-y2として∂f/∂x=3x2, ∂f/∂y=-2yだから、
∇f=0となるのは(0,0)のみ。
小問b
f=cx2-x3-y2として∂f/∂x=2cx-3x2, ∂f/∂y=-2yだから、
∇f=0となるのは(0,0)と(2c/3,0)だが、(2c/3,0)∉V(f)だから(0,0)のみ。
(0,0)は曲線が交差する点。
小問c
f=x2+y2-a2として∂f/∂x=2x, ∂f/∂y=-2yだから、
∇f=0となるのは(0,0)だが、円なのでa>0だから(0,0)∉V(f)。
したがって特異点はない。
演習問題9
小問a
原点を通る直線Lは、Lの方向ベクトルを(c,d)
(ただしcとdは同時に0でない)として、
x=ct, y=dtとパラメター付けされる。
f=x3-y2としてf(ct,dt)=t2(c3t-d2)だから、d≠0なら(つまりほとんどの場合)、
Lはy2=x3と重複度2で交わる。
d=0(このときc≠0)のときのみ重複度は3である。
小問b
f=x4+2xy2+y3としてf(ct,dt)=t3(c4t+2cd2+d3)だから、
2cd2+d3≠0ならLは重複度3で交わり、
2cd2+d3=0(このときc=0ならd=0となってしまうからc≠0)のときのみ、
重複度は4である。すなわち重複度3以上。
演習問題10
小問a
演習問題9と同様にLを定義し、
f=x3+x2-y2としてf(ct,dt)=t2(c3t+c2-d2)だから、
c2-d2≠0ならLは重複度2で交わる。
c2-d2=0のとき(このときc=0ならd=0となってしまうからc≠0)のときのみ、
重複度は3である。
小問b
c2-d2=0のとき、すなわちc=±dのとき、Lの傾きはd/c=±1で、
Lはy2=x2(1+x)の(0,0)で交差するそれぞれの曲線の接線。
c2-d2≠0のとき複数あるLと問題の曲線の交点が1つに重なるから、
重複度が上がる。
演習問題11
小問a
演習問題9と同様にLを定義し、
f=(x2+y2)3-4x2y2としてf(ct,dt)=t4[t2(c2+d2)3-4c2d2]だから、
cd≠0ならLは重複度4で交わる。
重複度4は、原点で4葉のバラの曲線が4本交差していることに対応する。
小問b
cd=0のとき、cとdは同時に0でないのでc2+d2≠0だから、
Lは重複度6で交わる。
cd≠0のときLと4葉のバラの曲線は、原点以外に2点の交点を持つが、
これらの2点も、c=0(Lがx軸)またはd=0(Lがy軸)のときは原点に重なるから、
重複度が6になる。
演習問題12
小問a
∇f(a,b,c)=(∂f(a,b,c)/∂x, ∂f(a,b,c)/∂y, ∂f(a,b,c)/∂z)=0のとき。
この定義がwell-definedであることは2変数の時と同様に証明される。
小問b
f=x2+y2+z2-1として∇f=(2x,2y,2z)だから、
∇f=0となるのは(0,0,0)だが、(0,0,0)∉V(f)。
したがって特異点はない。
小問c
f=x2-y2z2+z3として∇f=(2x,-2yz2,-2y2z+3z2)だから、
∇f=0となるのはa∈kとして(0,a,0)すなわちy軸。
第1章§2図2.5の曲面が交差する点に対応する。
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