2012-11-05

コックス, リトル&オシー「グレブナ基底と代数多様体入門」第2版 第2章§1の演習問題


演習問題1
小問a
f=(x-1)(x-2)だから(x-2)|fなのでfI

小問b
Maxima
remainder(x^5-4*x+1,x^3-x^2+x);
-x2-4x+1≠0だからfI

小問c
Maxima
gcd(x^4-6*x^2+12*x-8, 2*x^3-10*x^2+16*x-8);
1だから、I[x]の単数を含むのでI=[x]
したがってfI

小問d
Maxima
gcd(x^9-1,x^5+x^3-x^2-1);
x3-1=fだからfI

演習問題2
小問a
普通にGaussの消去法。
2式と第1式を入れ替えたほうが楽で、
結果t=zとしてx-y=1, 5y-t=7を得るので
x=(t+8)/5, y=(t+7)/5, z=t

小問b
-x4+x1+x2-x3=0, 0x4+x1-x2+x3=0と書きなおして行列表示すれば、
x2x3が自由パラメタとなるので、x2=t, x3=uとして
x1=u-t, x4=2u-2t

小問c
x=tとしてy=t3, z=t5

演習問題3
小問a
2-1+3式でtが消去できて-x1+x2+x3=0

小問b
x1+x2+x4=4tx2-2x3=3tから3x1-x2+8x3+3x4=0

小問c
y+z=x4+x7

演習問題4
小問a
f1,...,fm, g1,...,gm,Rとする。
任意のmについてf1=...=fm=0Rとすれば0I
(xt1f1+...+xtmfm)+(xs1g1+...+xsngn)は、
t1,...,tms1,...,snに同じ数が含まれれば、対応する項をまとめて、
あとは適当な添字の付け替えでxu1f1+...+xukfkとできる。
hR, f=xt1f1+...+xtmfmIとすればhf=xt1hf1+...+xtmhfmで、
hf1,...,hfmRだからhfI。以上によりIRのイデアル。

小問b
Iが有限生成と仮定し、I=<f1,...,fs>とする。

f1,...,fsk0でない定数を項に持つものがあったとし、
その1つをfmとする。fmの定数項をamkとしてfm=am(1+gm)とし、
fm-1=am-1(1-gm+ gm2-...)R
 (括弧内は1/(1+z)z=1周りのTaylor展開にgmを代入した級数)とすれば、
fm-1Rだからfmfm-1=1Iとなるが、Ik0でない定数を含まないから矛盾。
故にf1,...,fsは全て、k0でない定数を項に持たない。

全てのxmI=<x1,...>だから、
fi1次の項をbi,1x1+bi,2x2+...とすれば、
xm=h1,m f1+...+hs,m fs (1)
となるh1,m,...,hs,mRが任意のm≥1について存在する。
fi1次の項をbi,1x1+bi,2x2+...hj,mの定数項をcj,mとすれば、
(1)の一次の項は
xm=c1,m(b1,1x1+b1,2x2+...)+c2,m(b2,1x1+b2,2x2+...)+...+cs,m(bs,1x1+bs,2x2+...)
=(c1,mb1,1+c2,mb2,1+...+ cs,mbs,1)x1+(c1,mb1,2+c2,mb2,2+...+ cs,mbs,2)x2+...
なので、c1,mbl,l+c2,mb2,l+...+ cs,mbs,l=0 (lm) (2)
かつc1,mbl,m+c2,mb2,m+...+ cs,mbs,m=1 (3)が、
すべてのl≥1について成り立つ。
(2),(3)c1,m,...,cs,mについての連立線形方程式と見れば、
(2)より無限個のlについてc1,mbl,l+c2,mb2,l+...+ cs,mbs,l=0だから、
起こりうる場合は次の2つである:
(i) c1,m=c2,m=...=cs,m=0
(ii) bl,l, b2,l,..., bs,l0でないものが含まれるlは高々s-1
((3)と合わせてs個の線型連立方程式)

しかし(i)(3)と矛盾するから(ii)の場合しか起こらない。
すると各fi1次の項は有限個しかないから、
(1)の右辺の線形結合にも1次の項は有限個しか含まれない。
これは(1)の左辺の、無限個のxmについて(1)が成り立つことと矛盾。
したがって、Iは有限生成ではない。

演習問題5
小問a
全次数がiの、異なったxuyvの形の単項式はi+1個だから、
0im (i+1)=(m+1)(m+2)/2

小問b
小問aにより[f(t)]u[g(t)]vの形の"単項式"の、
線形結合の係数は(m+1)(m+2)/2個ある。
f(t),g(t)tについての次数は高々nだから、
deg([f(t)]u[g(t)]v)n(u+v)nmなので、
[f(t)]u[g(t)]vの線形結合の、tについての最高次は高々nm次。
固定されたnに対し、
mが十分大きければnm+1<(m+1)(m+2)/2となるから、
tの冪の全ての係数を0に出来る。
したがって[f(t)]u[g(t)]vk[t]において線型従属。

小問c
n=max(deg(f(t)),deg(g(t))とすれば小問bにより、
nm+1<(m+1)(m+2)/2となるようなmを全次数とする多項式F(x,y)で、
F(f(t),g(t))tの多項式として0になるようなものをとれるのでCV(F)

小問d
f(t,u), g(t,u), h(t,u)の全次数が高々n次とすると、
a+b+cmを満たす[f(t,u)]a[g(t,u)]b[h(t,u)]cの形の式の、
t,uについての全次数はnm=Θ(m)なのに対し、
xaybzcの形の式はO(m2) (実際はO(m3))なので、
小問acと同様に、十分大きいmに対し、
F(f(t),g(t),h(t))t,uの多項式として0になるようなFをとれる。

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