演習問題1
小問a
f=(x-1)(x-2)だから(x-2)|fなのでf∈I。
小問b
Maximaで
remainder(x^5-4*x+1,x^3-x^2+x);
は-x2-4x+1≠0だからf∉I。
小問c
Maximaで
gcd(x^4-6*x^2+12*x-8, 2*x^3-10*x^2+16*x-8);
は1だから、Iはℝ[x]の単数を含むのでI=ℝ[x]。
したがってf∈I。
小問d
Maximaで
gcd(x^9-1,x^5+x^3-x^2-1);
はx3-1=fだからf∈I。
演習問題2
小問a
普通にGaussの消去法。
第2式と第1式を入れ替えたほうが楽で、
結果t=zとしてx-y=1, 5y-t=7を得るので
x=(t+8)/5, y=(t+7)/5,
z=t。
小問b
-x4+x1+x2-x3=0, 0x4+x1-x2+x3=0と書きなおして行列表示すれば、
x2とx3が自由パラメタとなるので、x2=t,
x3=uとして
x1=u-t, x4=2u-2t。
小問c
x=tとしてy=t3, z=t5。
演習問題3
小問a
第2式-第1式+第3式でtが消去できて-x1+x2+x3=0。
小問b
x1+x2+x4=4tとx2-2x3=3tから3x1-x2+8x3+3x4=0。
小問c
y+z=x4+x7。
演習問題4
小問a
f1,...,fm, g1,...,gm,∈Rとする。
任意のmについてf1=...=fm=0∈Rとすれば0∈I。
(xt1f1+...+xtmfm)+(xs1g1+...+xsngn)は、
t1,...,tmとs1,...,snに同じ数が含まれれば、対応する項をまとめて、
あとは適当な添字の付け替えでxu1f1+...+xukfkとできる。
h∈R, f=xt1f1+...+xtmfm∈Iとすればhf=xt1hf1+...+xtmhfmで、
hf1,...,hfm∈Rだからhf∈I。以上によりIはRのイデアル。
小問b
Iが有限生成と仮定し、I=<f1,...,fs>とする。
f1,...,fsにkの0でない定数を項に持つものがあったとし、
その1つをfmとする。fmの定数項をam∈kとしてfm=am(1+gm)とし、
fm-1=am-1(1-gm+ gm2-...)∈R
(括弧内は1/(1+z)のz=1周りのTaylor展開にgmを代入した級数)とすれば、
fm-1∈Rだからfmfm-1=1∈Iとなるが、Iはkの0でない定数を含まないから矛盾。
故にf1,...,fsは全て、kの0でない定数を項に持たない。
全てのxm∈I=<x1,...>だから、
fiの1次の項をbi,1x1+bi,2x2+...とすれば、
xm=h1,m f1+...+hs,m fs (1)
となるh1,m,...,hs,m∈Rが任意のm≥1について存在する。
fiの1次の項をbi,1x1+bi,2x2+...、hj,mの定数項をcj,mとすれば、
(1)の一次の項は
xm=c1,m(b1,1x1+b1,2x2+...)+c2,m(b2,1x1+b2,2x2+...)+...+cs,m(bs,1x1+bs,2x2+...)
=(c1,mb1,1+c2,mb2,1+...+ cs,mbs,1)x1+(c1,mb1,2+c2,mb2,2+...+ cs,mbs,2)x2+...
なので、c1,mbl,l+c2,mb2,l+...+ cs,mbs,l=0 (l≠m) (2)
かつc1,mbl,m+c2,mb2,m+...+ cs,mbs,m=1 (3)が、
すべてのl≥1について成り立つ。
(2),(3)をc1,m,...,cs,mについての連立線形方程式と見れば、
(2)より無限個のlについてc1,mbl,l+c2,mb2,l+...+ cs,mbs,l=0だから、
起こりうる場合は次の2つである:
(i)
c1,m=c2,m=...=cs,m=0
(ii)
bl,l, b2,l,..., bs,lに0でないものが含まれるlは高々s-1個
((3)と合わせてs個の線型連立方程式)
しかし(i)は(3)と矛盾するから(ii)の場合しか起こらない。
すると各fiの1次の項は有限個しかないから、
(1)の右辺の線形結合にも1次の項は有限個しか含まれない。
これは(1)の左辺の、無限個のxmについて(1)が成り立つことと矛盾。
したがって、Iは有限生成ではない。
演習問題5
小問a
全次数がiの、異なったxuyvの形の単項式はi+1個だから、
∑0≤i≤m (i+1)=(m+1)(m+2)/2。
小問b
小問aにより[f(t)]u[g(t)]vの形の"単項式"の、
線形結合の係数は(m+1)(m+2)/2個ある。
f(t),g(t)のtについての次数は高々nだから、
deg([f(t)]u[g(t)]v)≤n(u+v)≤nmなので、
[f(t)]u[g(t)]vの線形結合の、tについての最高次は高々nm次。
固定されたnに対し、
mが十分大きければnm+1<(m+1)(m+2)/2となるから、
tの冪の全ての係数を0に出来る。
したがって[f(t)]u[g(t)]vはk[t]において線型従属。
小問c
n=max(deg(f(t)),deg(g(t))とすれば小問bにより、
nm+1<(m+1)(m+2)/2となるようなmを全次数とする多項式F(x,y)で、
F(f(t),g(t))がtの多項式として0になるようなものをとれるのでC⊂V(F)。
小問d
f(t,u), g(t,u),
h(t,u)の全次数が高々n次とすると、
a+b+c≤mを満たす[f(t,u)]a[g(t,u)]b[h(t,u)]cの形の式の、
t,uについての全次数はnm=Θ(m)なのに対し、
xaybzcの形の式はO(m2) (実際はO(m3))なので、
小問a~cと同様に、十分大きいmに対し、
F(f(t),g(t),h(t))がt,uの多項式として0になるようなFをとれる。
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