演習問題1&3
Maximaで
poly_monomial_order:
grlex;
とかやっても、grlex順序でのpoly_pseudo_divideがうまく動かず、
いつもlex順序で計算されてしまう。
poly_buchbergerとかは単項式順序を替えられるので、
poly_pseudo_divideがlex順序でしか計算出来ないようだ。
小問a
grlex順序:
x7y2+x3y2-y+1=(x6+x2)(xy2-x)+x7+x3-y+1
lex順序:
x7y2+x3y2-y+1
=(x6+x5y+x4y2+x4+x3y+x2y2+2x2+2xy+2y2+2)(xy2-x)
+(x6+x5y+x4+x3y+2x2+2xy+2)(x-y3)
+2y3-y+1
lexの手計算めんどい・・・。
Maximaでは
load(grobner)$
poly_monomial_order:
lex;
f:
x^7*y^2+x^3*y^2-y+1;
f1: x*y^2-x;
f2:
-y^3+x;
poly_pseudo_divide(f,[f1,f2],[x,y]);
小問2
grlex順序:
x7y2+x3y2-y+1=(x6+x2)(xy2-x)+x7+x3-y+1
lex順序:
x7y2+x3y2-y+1
=(x6y2+x5y5+x4y8+x3y11+x2y14+x2y2+xy17+xy5+y20+y8)(x-y3)
+y23+y11-y+1
Maximaでは小問aでの最後の行を
poly_pseudo_divide(f,[f2,f1],[x,y]);
演習問題2&3
小問a
grlex順序:
xy2z2+xy-yz=-xz2(-y2+x)+x2(z2-1)+x2+xy-yz
lex順序:
xy2z2+xy-yz
=(y2z2+y)(x-y2)
+(y3z2+y2z5+y2+yz8+yz3+z11+z6-z)(y-z3)
+(z12+z10+z8+z7+z6+z5+z4+z3+z)(z2-1)+z
Maximaでは
load(grobner)$
poly_monomial_order:
lex;
f: x*y^2*z^2+x*y-y*z;
f1: x-y^2;
f2: y-z^3;
f3:
z^2-1;
poly_pseudo_divide(f,[f1,f2,f3],[x,y,z]);
小問b
循環1回grlex順序:
xy2z2+xy-yz=xy2(z2-1)-x(-y2+x)+x2+xy-yz
循環1回lex順序:
xy2z2+xy-yz
= (xyz2+xz5+x+yz+y+z4+z3-z)(y-z3)
+(xz6+xz4+xz2+xz+x+z5+z4+z3+z)(z2-1)
+(z+1)(x-y2)+z
Maximaでは小問aでの最後の行を
poly_pseudo_divide(f,[f2,f3,f1],[x,y,z]);
循環2回grlex順序:
xy2z2+xy-yz=xy2(z2-1)-x(-y2+x)+x2+xy-yz
循環2回lex順序:
xy2z2+xy-yz
= (xy2+y3z+y2z2+y2z+yz+y+z)(z2-1)
+(y2+y)(x-y2)
+(y3+y2z+y2+yz+y+1)(y-z3)+z
Maximaでは小問aでの最後の行を
poly_pseudo_divide(f,[f3,f1,f2],[x,y,z]);
grelex順序でもlex順序でも剰余が全て一致する。
各順序でのGröbner基底になっている?
演習問題4
§2補題8によりmultideg(aifi)=multideg(ai)+multideg(fi)。
割り算アルゴリズムにおいて、ai=0の状況から、
LT(p)/LT(fi)の演算結果を初めてaiに加えるとき、
ai=LT(p)/LT(fi)だから、multideg(ai)=multideg(p)-multideg(fi)となり、
LT(p)≤LT(f)からmultideg(ai)+multideg(fi)=multideg(p)≤multideg(f)。
故にこのときmultideg(aifi)≤multideg(f)。
ai≠0の状況で、LT(p)/LT(fi)の演算結果をaiに加えるときは、
pの多重次数はai=0の状況での時よりも真に小さいから、
LT(p)/LT(fi)の多重次数もai=0の状況での時よりも真に小さい。
したがってmultideg(ai)は変わらないから、multideg(aifi)≤multideg(f)が常に成り立つ。
演習問題5
小問a
(f1,
f2)での割り算: f=-f1+x3-x2z+x-zよりr1=x3-x2z+x-z,
(f2,
f1)での割り算: f=-xf2+x3-x2zよりr2=x3-x2z。
(f2,
f1)での割り算を実行した時に、
-xf2=-x2y+xの第2項が、たまたまfの第4項と一致したところから、
違いが出ている。
小問b
r=x-z=f1-xf2∈<f1, f2>
小問c
grlex順序でmultideg(r)=(1,0,0)は、
multideg(f1)=(2,1,0), multideg(f2)=(1,1,0)より小さいから、
余りはr。
小問d
g=yf1-(xy+1)f2=-yz-1∈<f1, f2>とすると、
multideg(g)=(0,1,1)はmultideg(f1), multideg(f2)より小さいから、
余りはg≠0。
小問e
一般には与えない。
例えば小問dのように、Af1+Bf2の和において、
高い多重次数の項のキャンセルがあると、
f1,f2のどちらでも割れないAf1+Bf2∈<f1, f2>を作れることがあるからである。
演習問題6
g=3xf1-2yf2=-3x2+2y2+2y∈<f1, f2>とすれば、grlex順序でmultideg(g)=(2,0)は、
multideg(f1)=(1,2), multideg(f2)=(2,1)より小さいから、
gはf1,f2のどちらも割れないので余りはg≠0。
演習問題7
g∈<f1, f2, f3>として例えばg=yf1-xf2=x-yzや、
g=yf2-xf3=2xz-yがある。
演習問題8
A1f1+...+Asfsの和において、高い多重次数の項がキャンセルして、
multideg(g)がf1,...,fsのどの多重次数よりも小さくなれば、
(f1,...,fs)による割り算の余りは0にならない。
演習問題9
小問a
変数順序として(y,z,x)、単項式順序としてlex順序を取り、
f1=y-x2, f2=z-x3とすると、LT(f1)=y, LT(f2)=z。
定理3により任意のf∈k[y,z,x]について、h1,h2,r∈k[y,z,x]が存在して、
f=h1f1+h2f2+r。
ここでとっている変数順序・単項式順序から、
(f1, f2)での割り算アルゴリズムにおいて、
中間被除数にyを含む項があれば、中間被除数の先頭項もyを含む。
この先頭項は常にf1で割れ、
かつf1は先頭項以外にyを含まないから、中間被除数をf1で割った余りは、
yについての次数がもとの中間被除数より真に小さくなる。
したがって中間被除数がyを含まなくなるまでf1での割り算が続けられる。
中間被除数がyを含まなくなったあと中間被除数の先頭項がzを含めば、
同様にして中間被除数がzを含まなくなるまでf2での割り算が続けられる。
中間被除数がy,zを共に含まなければ、f1, f2での割り算は終了するから、
この中間被除数が余りrとなり、y,zを含まない。
したがってr∈k[x]。
小問b
第1章§3の捩れ3次曲線のパラメター付けx=t, y=t2, z=t3からz2-x4y=t6-t6=0。
小問c
小問aの変数順序・単項式順序から割り算を行なって、
-yx4+z2=-x4f1+(z+x3)f2。
演習問題10
小問a
x=t, y=tm, z=tnとすれば、V上でy-xm=0かつz-xn=0だから、
V⊂V(y-xm, z-xn)。
逆に任意のx∈ℝに対しV(y-xm, z-xn)上の点は(x,xm,xn)だから、
x=tとパラメターづけすればV(y-xm, z-xn)⊂Vとなる。
よってV=V(y-xm, z-xn)なのでVはアフィン多様体。
小問b
演習問題9小問aと同様にして、任意のf(y,z,x)∈k[y,z,x]について、
h1,h2∈k[y,z,x], r∈k[x]が存在してf(y,z,x)=h1(y-xm)+h2(z-xn)+r。
小問aにより、f∈I(V)なら、すべてのt∈ℝに対しf(tm,tn,t)=r(t)=0。
ℝは無限体だから、第1章§1命題5によりr=0でなければならない。
したがってf=h1(y-xm)+h2(z-xn)。
逆にf=h1(y-xm)+h2(z-xn)なら明らかにf∈I(V)。
よってI(V)の元はh1(y-xm)+h2(z-xn)
(h1,h2∈k[y,z,x])。
演習問題11
小問a
β∈Δiなら、Δi≠∅かつΔi⊂α(i)+ℤn≥0なのでβ∈α(i)+ℤn≥0。
したがってβ=α(i)+γとなるγ∈ℤn≥0が存在する。
これはxβ=xα(i)xγとなるxγが存在することを意味するからxα(i)|xβ。
このとき、もしj<iなるあるjについてxα(j)|xβだったとすると、
β=α(j)+δとなるδ∈ℤn≥0が存在する。
すなわちβ∈α(j)+ℤn≥0なのでβはΔ1,..., Δjのどれかに含まれる。
するとΔiの定義によりβ∉Δiとなり矛盾。
したがってβ∈Δiなら、j<iなるすべてのjについてxα(j)∤xβ。
逆にxα(i)|xβかつ、j<iなるすべてのjについてxα(j)∤xβとする。
xα(i)|xβよりβ∈α(j)+ℤn≥0だから、βはΔ1,..., Δiのいずれかに含まれる。
β∈Δk (1≤k≤i-1)だったとすると、β∈α(k)+ℤn≥0だからxα(k)|xβなので、
j<iなるすべてのjについてxα(j)∤xβであることと矛盾。
したがってβ∈Δiでなければならない。
小問b
HTMLの制限により、\overline{Δ}をΔで表す。
Δの定義により、γ∈Δであることと
γがどのΔi (1≤i≤s)にも属さないことは同値で、
小問aによりすべての1≤i≤sなるiについてxα(i)∤xγと同値。
小問c
割り算アルゴリズムからaiの中の単項式xβはすべて、
アルゴリズム中のある中間被除数の先頭単項式で、
j<iなるすべてのjについてxα(j)で割り切れず、
かつxα(i)で割り切れるような単項式xδについて、
xβ=xδ/xα(i)によって求まったものである。
したがって小問aによりδ=β+α(i)∈Δi。
rの項は全て、すべてのxα(i) (1≤i≤s)で割り切れない単項式xγからなるから、
小問bによりγ∈Δ。
小問d
f=a1f1+...+asfs+rの表示は割り算アルゴリズムによって得られたもので、
変数順序と単項式順序を定めれば、
与えられたfに対しFでの割り算手順は唯一つに定まるから、
f=a1f1+...+asfs+rの表示も唯一つに定まる。
したがって小問cで与えられた性質を満たすfの表示は唯一つ。
演習問題12
演習問題11dにより、変数順序と単項式順序を定めれば、
g1=a1,1f1+...+as,1fs+r1
g2=a1,2f1+...+as,2fs+r2
なるa1,1,...,as,1, r1, a1,2,...,as,2, r2∈k[x1,..,xn] がただひとつ定まる。
ただしmultideg(r1), multideg(r2)はすべてのmultideg(f1),...,multideg(fs)より小さい。
このとき
c1g1+c2g2=(c1a1,1+c2a1,2) f1+...+(c1as,1+c2as,2) fs+c1r1+c2r2
で、明らかにmultideg(c1r1+c2r2)はすべてのmultideg(f1),...,multideg(fs)より小さいから、
c1r1+c2r2はc1g1+c2g2のFによる割り算の余りである。
再び演習問題11dにより、c1r1+c2r2∈k[x1,..,xn]はただひとつ定まる。
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