2013-01-28

コックス, リトル&オシー「グレブナ基底と代数多様体入門」第2版 第4章§3の演習問題


演習問題1
f=(x+y)4(x2+y)2(x-5y), g=(x+y)(x2+y)3(x+3y), h=(x+y)4(x2+y)3(x-5y)(x+3y)として、
f|hかつg|hだから<h><f>かつ<h><g>なので<h><f><g>
逆にa<f><g>とする。
f|aかつg|aだから、(x+y)4|a, (x2+y)3|a, (x-5y)|a, (x+3y)|aなのでh|a
したがって<f><g><h>
よって<f><g>=<h>

演習問題2
(1)式の右辺が定義12(i)を満たすのは明らか。

あるhk[x1,...,xn]についてf|h, g|hとし、
fの一意なすべての規約因子をp1,...,pt
gの一意なすべての規約因子をq1,...,quとすれば、
すべてのpi, qjについてpi|h, qj|hである。

{p1,...,pt}{q1,...,qu}の規約因子の中で、
重複する因子は同じと見て1つずつ取り出したものをf1,...,flとし、
{p1,...,pt}-({p1,...,pt}{q1,...,qu})の規約因子を同様にfl+1,...,fr,
{q1,...,qu}-({p1,...,pt}{q1,...,qu})の規約因子をgl+1,...,gsとする。
またfi{p1,...,pt}における重複の数をai
gj{q1,...,qu}における重複の数をbjとすれば、
すべてのf1,...,flについてfiai|hfibi|hだからfimax(ai,bi)|h
すべてのfl+1,...,frについてfiai|h、すべてのgl+1,...,gsについてgibi|hなので、
f1max(a1,b1)... flmax(al,bl)gl+1bl+1... gsbsfl+1al+1... frar|hとなるから、
(1)の右辺はhを割るので、(1)の右辺は定義12(ii)を満たす。
したがって(1)式が成り立つ。

演習問題3&4
命題9によりIJはイデアル。
I=<f>, J=<g> (f,gk[x1,...,xn])とすれば、f|LCM(f,g)かつg|LCM(f,g)なので、
LCM(f,g)IJだから、<LCM(f,g)>IJ
hIJとすれば、f|hかつg|hなので、定義12によりLCM(f,g)|hだから、
h<LCM(f,g)>となりIJ<LCM(f,g)>
したがってIJ=<LCM(f,g)>だから、IJは主イデアルで生成元はLCM(f,g)

演習問題5
f,gを規約分解して(1)式のように表示したとし、
max(ai,bi)=ci, min(ai,bi)=diとおく。
h=f1d1...fldlとすればci+di=ai+biより、fg=LCM(f,g)·h
明らかにh|fかつh|gだから§2定義11によりh|GCD(f,g)
f1d1,...,fldlk上規約だから、一意分解性により、
GCD(f,g)f1d1,...,fldlを規約因子として持つ。

1ilなる全てのfiについて、
diの定義からfidi+1fまたはfidi+1gなので、
GCD(f,g)fidi+1fを規約因子として持ち得ないから、
f1,..., flを規約因子に持たないpk[x1,...,xn]が存在して、
GCD(f,g)=f1d1...fldl·p=hp
ここでp|fl+1al+1... frarかつp|gl+1bl+1... gsbsだが、
定義により{fl+1,..., fr}{gl+1,...,gs}=だから、pk[x1,...,xn]の単数なのでpk
すなわちhGCD(f,g)は定数倍の違いしかない。

§2演習問題9からGCD(f,g)には定数倍の不定性は許容されるので、
h=GCD(f,g)としてよい。
したがってfg=LCM(f,g)·GCD(f,g)となり命題14が成り立つ。

演習問題6
小問a
I1=<f1,..., fr>, I2=<g1,..., gs>, J=<h1,..., ht>とすれば、
命題2によりI1+I2=<f1,..., fr,g1,..., gs>なので、
命題5と命題2により(I1+I2)J
=<h1f1,...,h1fr, h2f1,...,h2fr,..., htf1,..., htfr,h1g1,...,h1gs, h2g1,...,h2gs,..., htg1,..., htgs>
=<h1f1,...,h1fr, h2f1,...,h2fr,..., htf1,..., htfr>+<h1g1,...,h1gs, h2g1,...,h2gs,..., htg1,..., htgs>
=I1J +I2J

小問b
I=<f1,..., fs>, J=<g1,..., gt>とすれば、
IJ=<f1g1,..., fsg1, f1g2,..., fsg2,..., f1gt,..., fsgt>
=<g1f1,..., gtf1, g1f2,..., gtf2,..., g1fs,..., gtfs>=JI
なので、イデアルの積は可換。
したがって(I1...Ir)m=I1m...Irm

演習問題7
小問a
gIとすると、あるnが存在してgnI
あるm>0に対しImJとなったとすると、gnmImJ
故にgJとなるから、IJ

小問b
一般にk[x1,...,xn]のイデアルI1, I2について、
f1I1, f2I2とするとf1+f2I1+I2で、
§2補題5によりI1I1, I2I2だからf1I1, f2I12より
f1+f2I1+√I2となるのでI1+I2I1+√I2

f√(I+J)とすれば、あるmが存在してfmI+JI+√Jとなるから、
f√(√I+√J)なので√(I+J)√(√I+√J)

g√(√I+√J)とすればあるnが存在してgnI+√Jとなるから、
あるg1I, g2Jが存在してgn=g1+g2
g1I, g2Jよりあるn1,n2が存在してg1n1I, g2n2Jである。
(gn)n1+n2-1=(g1+g2)n1+n2-1
2項展開の各項は、§2補題5の証明と同様に、
g1n1g2n2のいずれかを含むので、(gn)n1+n2-1=gn(n1+n2-1)I+J
故にg√(I+J)だから√(√I+√J)√(I+J)
したがって√(I+J)=√(√I+√J)

演習問題8
特に書いてないが[x,y,z]での話だろうな。

小問a
Maxima
-----
f: x^4+x^3*y+x^3*z^2-x^2*y^2+x^2*y*z^2-x*y^3-x*y^2*z^2-y^3*z^2;
g: x^4+2*x^3*z^2-x^2*y^2+x^2*z^4-2*x*y^2*z^2-y^2*z^4;
lcm(f,g);
-----
からLCM(f,g)=(x-y)(x+y)2(x+z2)2を得るので、命題13により
<f><g>=<(x-y)(x+y)2(x+z2)2>

Maxima
-----
factor(f);
factor(g);
-----
よりf=(x-y)(x+y)2(x+z2), g=(x-y)(x+y)(x+z2)2なので、
fg=(x-y)2(x+y)3(x+z2)3だから、
§2命題9より√(<f><g>)=√(<fg>)=<(x-y)(x+y)(x+z2)>

小問b
小問aと命題14によりGCD(f,g)=fg/LCM(f,g)=(x-y)(x+y)(x+z2)

小問c
定理11により<tf,tg,(1-t)p,(1-t)q>の簡約Gröbner基底で、
[x,y,z]の元であるものを生成元とするイデアルを求めればよい。

Maxima
-----
load("grobner");
p: x^2+x*y+x*z+y*z;
q: x^2-x*y-x*z+y*z;
tI1:t*[f,g];
tI2: (1-t)*[p,q];
I: poly_reduced_grobner(append(tI1,tI2),[t,x,y,z]);
factor(I[3]);
factor(I[5]);
-----
により、<tf,tg,(1-t)p,(1-t)q>[x,y,z]
={(x-y)(x+y)(x+z2)(y-z2), (x-y)(x+y)(x+z2)2}を得るので、
<f,g><p,q>=<(x-y)(x+y)(x+z2)(y-z2), (x-y)(x+y)(x+z2)2>

演習問題9
一般にfIJなら、あるf1,..., frI, g1,..., grJa1,..., ark[x1,...,xn]が存在して、
f=a1f1g1+...+ arfrgr。これよりfIかつfJだからfIJなのでIJIJ

f√(IJ)とすると、あるmが存在してfmIJIJとなるから、
f(IJ)なので√(IJ)(IJ)

逆にf(IJ)とする。命題16により(IJ)=√IJだから、
あるp,qが存在してfpIかつfqJ
fp+q=fpfqIJなので、f(IJ)となり(IJ)(IJ)
したがって(IJ)=(IJ)

[x,y,z]の根基イデアルI=<xy>J=<xz>について、
IJ=<x2yz>√(IJ)=<xyz>IJなので根基でない。
I=√I, J=√Jだから√(IJ)IJの例にもなっている。

演習問題10
HTMLの制限により\tilde(I)Iで表す。

I=<p1(x),...,pr(x)>とする。p1(x),...,pr(x)k[x1,...,xn]を、
k[x1,...,xn,t]の同じ多項式と同一視すれば、
補題10によりk[x1,...,xn,t]のイデアルとしてf(t)I=<f(t)p1(x),..., f(t)pr(x)>
k[x1,...,xn,t]のイデアルとしてI=<p1(x),...,pr(x)>なので、
命題6により<f(t)>I=<f(t)p1(x),..., f(t)pr(x)>だから<f(t)>I=f(t)I

演習問題11
小問a
定理4によりV(I+J)=V(I)V(J)
は代数的閉体なので、V(I)V(J)=なら、
弱形の零点定理によりIJは相互極大。
逆にIJが相互極大なら、I+J10だから、
2章§5定義8によりV(I+J)=。よってV(I)V(J)=

kが代数的閉体でなければ、
kに根を持たない2次以上のk上既約な1変数多項式f(x)k[x]が存在する。
g=f(x1)k[x1,...,xn]とすればV(<g>)=なので、
hg の任意の定数倍でない倍式とすれば、V(<g>)V(<h>)=
しかし<h><g>より<g>+<h>=<g>k[x1,...,xn]だから、
<g><h>は相互極大でない。

小問b
IJIJは常に成り立つから、逆の包含関係を示す。
fIJとする。I=<g1,...,gr>, J=<h1,...,hs>とすれば、
a1,...,ar,b1,...,bsk[x1,...,xn]が存在して、
f=a1g1+...+ argr=b1h1+...+ bshsと書ける。

IJは相互極大なので1I+Jだから、
あるgI, hJA,Bk[x1,...,xn]が存在してAg+Bh=1となるので、
f=1f=Agf+Bhf=Ag(b1h1+...+ bshs)+Bh(a1g1+...+ argr)
=Ab1gh1+...+ Absghs+Ba1hg1+...+ Barhgr
ここでgh1,...,ghs,hg1,...,hgrIJだから、fIJ
したがってIJIJなのでIJ=IJ

小問c
[x,y]においてI=<x>,J=<y>とすれば、IJは根基で、
IJ=<xy>も§2命題9により根基だから、
演習問題9と命題16を用いてIJ=√(IJ)=(IJ)=√IJ=IJ
ところがV(I)V(J)={(0,0)}だから、
小問aによりI+Jは相互極大でない。従って逆は成り立たない。

小問d
IJは相互極大なので1I+Jだから、
あるfI, gJA,Bk[x1,...,xn]が存在してAf+Bg=1となる。
このとき1=(Af+Bg)2=(A2f+2ABg)f+A2g2I+J2だから、
I+J2=k[x1,...,xn]となるのでIJ2は相互極大。

より一般に、1=(Af+Bg)r+s-1の右辺を展開すると、
2項展開の各項はfrgsのいずれかを含むから、
1Ir+JsとなりIrJsは相互極大。

小問e
う~ん・・・。
I1... IrI1... Irなので、逆向きの包含関係を示せばI1... Ir=I1... Irとなり、
あとは小問dと演習問題6bを使って証明が終わるわけだが・・・。

fI1... Irとし、
仮定から1=Af1+Bf2=Cf1+Df3=...=Yf1+Zfr=A'f2+B'f3=...
(fiIi, A,B,... k[x1,...,xn])といった、1の別表現がいくつも作れるので、
そこからfI1... Irとなる形を組み上げるのだと思うけど・・・。

演習問題12
Hilbertの基底定理によりI=<f1,...,fr>
IJだから、あるm1,...,mrが存在して、
すべての1irについてfimiJ
m=m1+...+mrとすれば(多分本当はm=m1+...+mr-(r-1)で十分だが)、
命題6からImの基底はf1j1...frjr (j1+...+jr=m)と、
f1,...,frについての全次数がm次の同次式となる
すると少なくとも1つのjimiとなるから全てのf1j1...frjrJとなる。
故にImJ

演習問題13
§1演習問題9a,9bによりαAは環準同型。

小問a
αA(0)=0は明らかだから0ker(αA)
αAは環準同型なのでf1,f2ker(αA)と任意のA1,A2k[x1,...,xm]について、
αA(A1f1+A2f2)=αA(A1)αA(f1)+αA(A2)αA(f2)=0だから、A1f1+A2f2ker(αA)
したがってker(αA)はイデアル。

小問b
I=<f1,...,fr>A1,...,Ark[x1,...,xm]とすれば、
αAは環準同型なのでαA(A1f1+...+Arfr)=αA(A1)αA(f1)+...+αA(Ar)αA(fr)だが、
αA(A1),...,αA(Ar)の全体、すなわちαAによるk[x1,...,xm]の像は、
k[y1,...,yn]に必ずしも一致しないから、
αA(I)は第1章§4定義1(iii)を一般に満たさない。

例えば§1演習問題9dのように、
A=((1,0) (1,0))すなわちx1=y1, x2=y1なら、
αA: k[x1,x2]k[y1,y2] ((x1,x2)(y1,y1))は環準同型だが、
I=k[x1,x2]としてαA(I)k[y1]だから、
任意のgαA(I)hk[y2]k[y1,y2]について
ghαA(I)となるのでαA(I)はイデアルではない。

小問c
§1演習問題9eと同様。
αA(0)=0I'なので0αA-1(I')。またf,gαA-1(I')とすると、
αAは環準同型なのでαA(f+g)=αA(f)+αA(g)I'だからf+gαA-1(I')
hk[x1,...,xn]としてαAは環準同型なので、
αA(hf)=αA(h)αA(f)I'となるからhfαA-1(I')
したがってαA-1(I')k[x1,...,xm]のイデアル。

演習問題14
補題として、I=<f1,...,fr>なら<αA(I)>=<αA(f1),...,αA(fr)>を示す。
αA(f1),...,αA(fr)には0が含まれるかもしれない)。

{αA(f1),...,αA(fr)}αA(I)より<αA(f1),...,αA(fr)><αA(I)>は明らかなので、
逆の包含関係を示せば良い。
pA<αA(I)>ならp1,...,psIc1,...,csk[y1,...,yn]が存在して、
pA=c1αA(p1)+...+csαA(ps)なので、
pi=bi1f1+...+birfr, Cj=c1αA(b1j)+...+csαA(bsj)k[y1,...,yn]
(ただしbijk[x1,...,xm])とすれば、
pA=C1αA(f1)+...+CrαA(fr)と書けるから<αA(I)><αA(f1),...,αA(fr)>
したがって<αA(I)>=<αA(f1),...,αA(fr)>

以下小問a~dではI=<f1,...,fr>, J=<g1,...,gs>とする。上の補題より、
<αA(I)>=<αA(f1),...,αA(fr)>, <αA(J)>=<αA(g1),...,αA(gs)>である。

小問a
fA<αA(I)>ならb1,...,brk[y1,...,yn]が存在して、
fA=b1αA(f1)+...+brαA(fr)
IJよりf1,...,frJだからαA(f1),...,αA(fr) αA(J)なのでfA<αA(J)>
したがってαA(I)αA(J)

小問b
命題2と補題により<αA(I+J)>=<αA(f1),...,αA(fr),αA(g1),...,αA(gr)>
=<αA(f1),...,αA(fr)>+<αA(g1),...,αA(gr)>=<αA(I)>+<αA(J)>

小問c
fA<αA(IJ)>なら、あるcijk[y1,...,yn] (1ir, 1js)が存在して、補題により
fA=cijαA(figj)=cijαA(fi)αA(gj)<αA(I)><αA(J)> (1)だから、
<αA(IJ)><αA(I)><αA(J)>

fA<αA(I)><αA(J)>なら、(1)の等式を逆にたどれば補題により、
fA<αA(IJ)>がわかるので、<αA(I)><αA(J)><αA(IJ)>
したがって<αA(IJ)>=<αA(I)><αA(J)>

小問d
著者コックス公式の第3errata192ページの項で、
IKまたはJKならば」
→◯「IKまたはJK、かつαAが全射ならば」の修正

fA<αA(IJ)>とすると、あるh1,...,htIJについて、
d1,...,dtk[y1,...,yn]が存在して、fA=d1αA(h1)+...+dtαA(ht)
h1,...,htIの元なのでhi=bi1f1+...+birfr (bijk[x1,...,xm])だから、
補題の証明と同様にしてfA=C1αA(f1)+...+CrαA(fr)<αA(I)>
(Cj=d1αA(b1j)+...+dtαA(btj)k[y1,...,yn])
h1,...,htJの元でもあるので同様にfA<αA(J)>となるので、
fA<αA(I)><αA(J)>。故に<αA(IJ)><αA(I)><αA(J)>

KIとする。
fA<αA(I)><αA(J)>とすれば、
b1,...,br,c1,...,csk[y1,...,yn]が存在して、補題により
fA=b1αA(f1)+...+brαA(fr)かつfA=c1αA(g1)+...+csαA(gs)
αA: k[x1,...,xm]k[y1,...,yn]は全射だから、
B1,...,Brk[x1,...,xm]が存在してbi=αA(Bi)なので、
fA=αA(B1)αA(f1)+...+αA(Br)αA(fr)
αAは環準同型だからfA=αA(B1f1+...+Brfr)
同様にC1,...,Crk[x1,...,xm]が存在してfA=αA(C1g1+...+Csgs)
f=B1f1+...+BrfrI, g=C1g1+...+CsgsJとすると、
αA(f-g)=fA-fA=0なのでf-g=hKI
これよりg=f-hIとなるから、gIJ
よってfA=αA(g)αA(IJ)だから<αA(I)><αA(J)>αA(IJ)
したがって<αA(IJ)>=<αA(I)><αA(J)>

KJの時も同様だから、KIまたはKJ、かつαAが全射なら、
<αA(IJ)>=<αA(I)><αA(J)>となる。

小問e
著者コックス公式の第3errata192ページの項で、
IKならば」
→◯「IKかつαAが全射ならば」の修正

I=<f1...,fr>とする。

fA<αA(√I)>なら、b1,...,brk[y1,...,yn]が存在して、
補題によりfA=b1αA(f1)+...+brαA(fr)
fiIだからl1,...,lrが存在してfiliIなので、αA(fi)li=αA(fili)αA(I)
l=l1+...+lrとすれば(多分本当はl=l1+...+lr-(r-1)で十分だが)、
fAl=(b1αA(f1)+...+brαA(fr))lの展開の各項はf1j1...frjr (j1+...+jr=l)を含む。
すると、どの項でも少なくとも1つのjiliとなるからfAl<αA(I)>
故にfA<αA(I)>なので<αA(√I)><αA(I)>

fA<αA(I)>とすると、あるlが存在してfAl<αA(I)>
αA: k[x1,...,xm]k[y1,...,yn]は全射だから、小問dと同様に、
あるfIが存在してfAl=αA(f)だが・・・。
う~ん、なんか条件足んないんじゃないの?

演習問題15
小問a
fαA-1(I')ならfA=αA(f)I'とすれば、I'J'よりfAJ'だからfαA-1(J')

小問b
✕「αA-1(I'+J')=αA-1(I')+αA-1(J').
→◯「αA-1(I'+J')αA-1(I')+αA-1(J'). αAが全射ならば等号が成立する.
の修正があるが、多分さらに修正が必要で、
→◎「αA-1(I'+J')αA-1(I')+αA-1(J').
右辺がKを含み、かつαAが全射ならば等号が成立する.
だと思う

fαA-1(I')+αA-1(J')なら、あるf1αA-1(I'), g1αA-1(J')が存在してf=f1+g1
これよりαA(f)=αA(f1+g1)=αA(f1)+αA(g1)I'+J'だからfαA-1(I+J')
故にαA-1(I')+αA-1(J')αA-1(I+J')

KαA-1(I')+αA-1(J')かつαA: k[x1,...,xm]k[y1,...,yn]が全射とする。
fαA-1(I'+J')とすればαA(f)I'+J'なので、
あるfA1I', gA1J'が存在してαA(f)=fA1+gA1
αAは全射だから、あるf1αA-1(I'), g1αA-1(J')が存在して、
fA1=αA(f1), gA1=αA(g1)なので、αA(f)=αA(f1)+αA(g1)=αA(f1+g1)となるから、
αA(f)-αA(f1+g1)= αA(f-(f1+g1))=0なので、f-(f1+g1)=hK
これよりf=(f1+g1)+hαA-1(I')+αA-1(J')+KとなりfαA-1(I')+αA-1(J')+K
KαA-1(I')+αA-1(J')ならfαA-1(I')+αA-1(J')となるから、
αA-1(I+J')αA-1(I')+αA-1(J')となりαA-1(I+J')=αA-1(I')+αA-1(J')

小問c
✕「右辺がKを含めば等号が成立する.
→◯「αAが全射、かつ右辺がKを含めば等号が成立する.
の修正

f(αA-1(I'))(αA-1(J'))とする。
αA-1(I')=<f1,...,fr >,αA-1(J')=<g1,...,gs>とすれば、命題6により、
Bijk[x1,...,xm] (1ir, 1js)が存在してf=i,j Bijfigj
これよりαA(f)=i,j αA(Bij)αA(fi)αA(gj)
αA(fi)I', αA(gj)J'だから、αA(fi)αA(gj)I'J'
I'J'はイデアルだからαA(f)I'J'なのでfαA-1(I'J')
故に(αA-1(I'))(αA-1(J'))αA-1(I'J')

K(αA-1(I'))(αA-1(J'))かつαA: k[x1,...,xm]k[y1,...,yn]が全射とする。
fαA-1(I'J')とすればαA(f)I'J'なので、
I'=<f'1,...,f'r>, J'=<g'1,...,g's>とすれば、命題6により、
bijk[y1,...,yn] (1ir, 1js)が存在してαA(f)=i,j bijf'ig'j
f1,...,frαA-1(I'), g1,...,gsαA-1(J'), Bijk[x1,...,xm] (1ir, 1js)が存在して、
f'i=αA(fi), g'i=αA(gi), bij=αA(Bij)だから、
αA(f)=i,j αA(Bij)αA(fi)αA(gj)=αA(i,j Bijfigj)
故にαA(f-i,j Bijfigj)=0となるので、f-i,j Bijfigj=hKだから、
これよりf=i,j Bijfigj+h(αA-1(I'))(αA-1(J'))+KとなりfαA-1(I')αA-1(J')+K
K(αA-1(I'))(αA-1(J'))よりf(αA-1(I'))(αA-1(J'))となるから、
αA-1(I+J')(αA-1(I'))(αA-1(J'))となりαA-1(I+J')= (αA-1(I'))(αA-1(J'))

小問d
fαA-1(I')αA-1(J')とする。
αA-1(I')=<f1,...,fr >,αA-1(J')=<g1,...,gs>とすれば、命題6により、
Bi,Cjk[x1,...,xm] (1ir, 1js)が存在してf=i Bifi=j Cjgj
αA(f)=i αA(Bi)αA(fi)=j αA(Cj)αA(gj)
αA(fi)I', αA(gj)J'だから、αA(f)I'かつαA(f)J'
故にαA(f)I'J'だからfαA-1(I'J')となりαA-1(I')αA-1(J')αA-1(I'J')

fαA-1(I'J')とするとαA(f)I'J'だから、
I'=<f'1,...,f'r>, J'=<g'1,...,g's>とすれば、
bi,cjk[y1,...,yn] (1ir, 1js)が存在してαA(f)=i bif'i=j cjg'jなので、
fαA-1(I')かつfαA-1(J')となり、fαA-1(I')αA-1(J')
故にαA-1(I'J')αA-1(I')αA-1(J')だからαA-1(I'J')=αA-1(I')αA-1(J')

小問e
fαA-1(√I')とする。αA(f)I'だから、
あるlが存在してαA(f)l=αA(fl)I'なので、flαA-1(I')
fαA-1(I')となり、αA-1(√I')αA-1(I')

fαA-1(I')とする。あるlが存在してflαA-1(I')なので、
αA(fl)=αA(f)lI'だからαA(f)I'となりfαA-1(√I')
故にαA-1(I')αA-1(√I')なのでαA-1(I')=αA-1(√I')