演習問題8
(a)
γ∘(γ')-1:{1,..,l}→{1,..,l}は1対1かつ全射だから、
{1,..,l}の置換なのでσ=γ∘(γ')-1∈Sl。
(b)
例によってHTMLの制限のため\hat{σ}をσで表す。
φ∈S(T)を任意として、σ∘γ'(φ)=σ(γ'∘φ∘(γ')-1)=σ∘γ'∘φ∘(γ')-1∘σ-1
=γ∘(γ')-1∘γ'∘φ∘(γ')-1∘γ'∘γ-1=γ∘φ∘γ-1=γ(φ)だから、γ=σ∘γ'。
演習問題9
T={1,..,n}とする。S(T)=Snである。
σi∈Hに対し、γ(σi)=iでγ:H→Tを定義すると、
明らかにγは1対1で、7.4節Cから|H|=|G|=nだからγは全射。
σj∈Hを一つ固定すると、γ(φσj)=γ∘φσj∘γ-1についてγ∘φσj∘γ-1(i)=γ∘φσj(σi)=γ(σjσi)で、
σjσi=σk∈Hとなるk∈Tが、GのCayley表から唯一つ定まるのでγ∘φσj∘γ-1(i)=k。
異なるiに対しkは全て異なるので、
γ∘φσj∘γ-1はGのCayley表から定まるTの置換となるから、
γ∘φσj∘γ-1∈H⊂S(T)=Snとなるので、γ:{φσj|σj∈H }→H⊂S(T)=Snとなるから、
HはSnにおいて正則。
演習問題10
(a)
γは1対1で全射だから、|G|=l。
γは同型でIm(γ)=Gだから|{φg|g∈G}|=|G|=lである。
γは同型だから、g1∈Gに対しg1=γ(φg)となるφg∈S(G)が存在する。
そこでGの{1,...,l}への作用をg1·i=γ(φg)·i=γ∘φg∘(γ-1(i))=γ(gγ-1(i))
(i∈{1,...,l})
によって定義すると、γ(φg)·i=iとなるとき、γは1対1で全射なので、
gγ-1(i)=γ-1(i)だから、g=eとなり、したがってγ(φe)=eである。
故にGi={e}なので、定理A.4.9(群の作用の基本定理)により、
|G·i|=|G|/|Gi|=|G|=lだから、G·i={1,...,l}。
iは任意だからGは可移で、Gの固定部分群は全て{e}なので自明。
(b)
Gは可移だから|G·1|=l。
Gの固定部分群は自明だから、1の固定部分群G1={e}なので、
定理A.4.9(群の作用の基本定理)により|G|=|G·1||G1|=lである。
Gは可移なので、任意のi∈{1,...,l}に対しi=τ(1)=γ(τ)となるτ∈Gが存在する。
したがってγは全射で、しかも|G|=|Im(γ)|=lだからγは1対1。
(c)
(a)により任意のi∈{1,...,l}に対し、i=τi(1)となるτi∈Gが唯一つ存在し、
γ-1(i)=τiだから、任意のg∈G⊂Slについて、
γ(φg)(i)=γ∘φg∘γ-1(i)=γ(gγ-1(i))=γ(gτi)=gτi(1)=g(i)となるのでγ(φg)=g。
したがってγによって{φg| g∈G }はGへ写るからGは正則。
演習問題11
(a)
Fpnにおけるスカラー倍は加法から構成できるのだから、
Fpnにおいて加法について閉じている部分集合は全て部分空間である。
すなわち加法群としてのFpnの任意の部分群は部分空間。
(b)
γは群準同型だから任意のu,v∈Fpnについてγ(u+v)=γ(u)+γ(v)で、
Fpnにおけるスカラー倍は加法から構成できるので、
スカラー倍の算法も保たれる。よってγは線型。
演習問題12
(a)
(AGL(n,Fp)は可解とは限らないので、Gも可解とは限らず、
したがってFpnはGの正規部分群とは限らないから、
定理14.3.16の証明の話はそのままでは使えない。)
G⊂AGL(n,Fp)だから、Gの任意の元はγA,vと書ける。
Gにおける0∈Fpnの固定部分群をG0とすると、
任意のg=γA,v∈G0⊂Gについてg·0=A0+v=v=0だからg=γA,0∈GL(n,Fp)なので、
G0⊂G⋂GL(n,Fp)。逆に任意のγA,0∈GL(n,Fp)に対しγA,0·0=0は明らかだから、
G0=G⋂GL(n,Fp)である。したがって、
GのVヘの作用はG0の元による線形変換γA,0と、
Fpnの元による平行移動γIn,vとの合成となる。
すべてのg∈G0についてg(V) ⊂Vだが、gは正則な線形変換だから、
g(V) =Vである。よってG0の元による線形変換によってVは不変だから、
任意のv∈Fpnについて、g(v+V)=Av+V。
演習問題11(a)と同様に、Fpnにおけるスカラー倍は加法から構成できるのだから、
Fpnの任意の部分空間は、加法について閉じているので、
加法群としてのFpnの部分群になる。
R1=V,...,RkをFpnの加法群としての部分群Vのすべての剰余類とすると、
1<|V|=|R1|=...=|Rk|<pnである。
任意のv∈Fpnについて、v+Vはどれかの剰余類と等しい集合だから、
Fpnの作用による平行移動によってR1,...,Rkのブロック構造は保たれる。
また前の段落で示したことから、G0の元の作用による一次変換によって、
R1=Vは不変で、他の剰余類は別の剰余類に移るから、
R1,...,Rkのブロック構造は保たれる。
したがって、GのVヘの作用によってR1,...,Rkのブロック構造は保たれ、
1<|V|=|R1|=...=|Rk|<pnだから、Gは非原始的。
(b)
γA,w∘γIn,v∘γA,w-1=γIn,Av∈FpnだからFpn⊴ G。
G⊂AGL(n,Fp)だから、G/FpnはGにおける線形変換からなる。
したがって(a)で示したことによりG/Fpn≃G⋂GL(n,Fp)=G0。
FpnはAbel群だから命題8.1.5により可解。
故に定理8.1.4によりGが可解であることと、
G/Fpn≃G0が可解であることとは同値。
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