演習問題21
Fpnm=(Fpm)nである。FpmはFp上のm次元ベクトル空間だから、
定義4.3.1によりFpのm次拡大体なので、
命題11.1.1と定理11.1.4によりFpm =Fpmとなり、よってFpnm=Fpmn。
Fpmn⊂AGL(n,Fpm)⊂AΓL(n,Fpm)。
Fpmn→Fpmnを定め、FpmnのFp上のベクトル空間としての次元はnmだから、
AΓL(n,Fpm)⊂AGL(nm,Fp)。さらに命題14.3.5によりAGL(nm,Fp) ⊂Spnm。
以上によりFpnm=Fpmn AGL(n,Fpm)⊂AΓL(n,Fpm)⊂AGL(nm,Fp)⊂Spnm。
演習問題22
φ: AGL(n,Fq)→GL(n+1,Fq) (γA,v↦((A,v),(0,1)))とすると、
φ(γA,vγB,w)=φ(γAB,Aw+v)=((AB,Aw+v),(0,1))
=((A,v),(0,1))
((B,w),(0,1))=φ(γA,v)φ(γB,w)だからφは群準同型で、
明らかにIm(φ)={((A,v),(0,1))| A∈GL(n,Fq), v∈Fqn}。
GL(n+1,Fq)の単位元は((In,0),(0,1))だから、Ker(φ)={γIn,0}となり、
したがってKer(φ)はAGL(n,Fq)の単位元のみからなるからφは1対1。
よってAGL(n,Fq)≃{((A,v),(0,1))| A∈GL(n,Fq), v∈Fqn}。
演習問題23
p>3に対しAGL(2,Fp)が可解と仮定すると、定理8.1.4により、
GL(2,Fp)≃AGL(2,Fp)/Fp2は可解。
故に命題8.1.3によりSL(2,Fp)⊴GL(2,Fp)は可解で、
演習問題14(c)と定理8.1.4よりPSL(2,Fp)≃SL(2,Fp)/{±I2}も可解となる。
ところが定理14.3.20によりp>3に対しPSL(2,Fp)は単純で、
演習問題14(c)により|PSL(2,Fp)|=p(p2-1)/2は p>3に対し素数でないから、
PSL(2,Fp)は可解でないので矛盾。
よってp>3に対しAGL(2,Fp)は可解でない。
演習問題24
(問題文の「その節の演習問題1」は「その節の演習問題11」の誤植)
HTMLの制限により\hat{F}をFと表す。
7.5節演習問題11により、PGL(2,F)∞≃AGL(1,F)である。
命題7.5.8により任意のα,β∈Fに対しPGL(2,F)の元[γ]が存在して、
[γ]·α=βだからPGL(2,F)は可移。
AGL(1,F)のFへの作用は、PGL(2,F)のFへの作用から、
α∈F, γa,b∈AGL(1,F) (a,b∈F)としてγa,b·α=aα+bで定義され、
演習問題4によりAGL(1,F)はF= F∖{∞}上2重可移だから、
演習問題19(b)によりPGL(2,F)は3重可移。
・・・というアウトラインだが、Fが無限体だとどうすんだ・・・。
てか可移性自体が、少なくともこの本では、
有限集合への作用に対してしか定義されてないのだが・・・。
演習問題25
(14.15)によりAΓL(1,F4)はS4の部分群と同型。
命題11.1.1によりF4はF2の2次拡大体。
F2上の2次の既約多項式は定理11.2.4により1つで、f=x2+x+1のみである。
f’=1だからgcd(f,f’)=1なので命題5.3.2によりfは分離的となり、
fの一つの根をαとしてα+1がもう一つの根。
したがってF4={0,1,α,α+1}である。
α1=0, α2=1, α3=α, α4=α+1とし、
γa,b∈AGL(1,F4) (a∈GL(1,F4)=F4*, b∈F4) の作用をγa,b·αi=aαi+b∈F4で定義する。
さらにγa,b·αi=ασ(i)によってφ: AGL(1,F4)→S4 (γa,b↦σ)を定義すると、
φは明らかに群準同型。
Ker(φ)は、すべての1≤i≤4についてγa,b·αi=aαi+b=αiとなるγa,bからなり、
(a-1)αi+b=0すなわちa=1, b=0しかないから、
Ker(φ)={γ1,0}。すなわちKer(φ)はAGL(1,F4)の単位元のみからなるので、
φは1対1。
|AGL(1,F4)|=|F4*||F4|=12だから、Im(φ)≃AGL(1,F4)はS4の位数12の部分群となり、
そのような部分群はA4のみだから、AGL(1,F4)≃A4。
(14.15)によりAΓL(1,F4)はS4の部分群と同型で、
部分群としてGal(F4/F2)≃C2と同型な部分群を含み、
またA4≃AGL(1,F4)⊂AΓL(1,F4)。
Gal(F4/F2)はF2上恒等な、F2上の既約多項式fのGalois群なので、
α1=0, α2=1を固定し、α3=α, α4=α+1を交換する互換を含むから、
AΓL(1,F4)も互換を含む。A4を含むこのようなS4の部分群は、
S4しかないから、AΓL(1,F4)≃S4。
演習問題26
命題11.1.1により|Fp2|=|Fp2|=p2。
|AGL(1,Fp2)|=|(Fp2)*||Fp2|=p2(p2-1)。
Fp⊂Fp2は定理11.1.7によりGalois拡大だから、
定理7.1.5と定理11.1.1により|Gal(Fp2/Fp)|=[Fp2:Fp]=2なので、
|AΓL(1,Fp2)|=|AGL(1,Fp2)||Gal(Fp2/Fp)|=2p2(p2-1)。
演習問題14(a)により|GL(2,Fp)|=p(p-1)(p2-1)だから、
|AGL(2,Fp)|=|GL(2,Fp)||Fp2|=p3(p-1)(p2-1)。
pが2でも奇素数でも|AΓL(1,Fp2)|は|AGL(2,Fp)|を割る。
|Sp2|= p2!。
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