2011-09-20

コックス「ガロワ理論」 9.1節の演習問題1


演習問題1
n>1なら、[i]が乗法に関する逆元[j]を持つことは、一次不定方程式ij+ny=1
1j<nとなる整数解(j,y)が唯一つ存在することと同値であるから、gcd(i,n)=1と同値。
したがって(/n)*1i<nかつgcd(i,n)=1となる整数の、
nを法とした合同類からなるから、|(/n)*|=φ(n)

n=1のときはすべての整数は0に合同で、i=0として、
ij+y=1jは任意でy=1という解がある。
したがって(/1)*は単位元のみからなる群{[0]}だから、
|(/1)*|=1=φ(1)

演習問題2
α|(/nm)*: (/nm)*→(/n)*×(/m)*は乗法群としての群準同型となる。
すべての環準同型は乗法の単位元を保つから、
群準同型としてKer(α|(/nm)*)={1nm}なので、α|(/nm)*は群同型。

演習問題3
命題A.2.1の証明より、ζn1の原始n乗根。

(ζni)n=(ζnn)i =1(ζnikζnil)n=[(ζni)n]k[(ζni)n]l=1から、
G={1, ζni,..., ζni(n-1)}は乗法に関して群である。
/nの加法群への写像φ:G/n (ζnik[ik])を考えれると、
φ(ζnikζnil)=φ(ζnik+il)=[ik+il]=[ik]+[il]=φ(ζnik)+φ(ζnil)
なのでφは準同型。

gcd(i,n)=1だから、任意の0j<nに対し、
ikj (mod n)には0k<nとなる整数解kが唯一つ存在するのでφは全射。
gcd(i,n)=1よりik0 (mod n)0k<nとなる整数解はk=0のみだから、
Ker(φ)={1}なのでφ11。したがってG/nだから、
1, ζni,..., ζni(n-1)は全て異なるxn-1|/n|=n個の根である。
よってxn-1上の分解体は(ζni,..., ζni(n-1))=(ζni)だから、
ζniにおける1の原始n乗根である。

演習問題4
(a)
x2=(x/2-1/4)(2x+1)+1/4によりq=x/2-1/4[x], r=1/4[x]

(b)
(i) q,rの存在
fを固定し、deg(g)についての完全帰納法で証明する。
deg(g)<deg(f)なるgについてはq=0R[x], r=gR[x]とおけばよい。
deg(g)deg(f)とする。deg(g)<mとなる任意のgについて、
g=qf+r, deg(r)<deg(f)なるq,rR[x]が存在したとする。
deg(g)=mのとき、fは単多項式なのでf=xdeg(f)+f1, deg(f1)<deg(f)
および g=axm+g1, deg(g1)<m, aRとする。
h=g-axm-deg(f)f=g1-axm-deg(f) f1gの最高次の項が消えているから、
deg(h)<mである。したがって帰納法の仮定により
h=q1f+r1 , deg(r1)<deg(f)なるq1,r1R[x]が存在する。
するとg=(axm-deg(f)+q1)f+r1だから、q=axm-deg(f)+q1R[x], r=r1R[x]とおけば
g=qf+r, deg(r)<deg(f) (q,rR[x])

fは任意のR[x]の単多項式だから、fが単多項式ならば以上により常に、
g=qf+r, deg(r)<deg(f)となる q,rR[x]が存在する。

(ii) q,rの一意性
g=qf+r, deg(r)<deg(f) (q,rR[x])(i)の手続きにより得られたとする。
別のq',r'R[x]g=q'f+r', deg(r')<deg(f)を満たしたとすると、
辺々引いて-(q-q')f=r-r'
q-q'0なら、Rは整域なのでR[x]も整域だから、
deg((q-q')f)=deg(q-q')+deg(f)deg(f)。一方deg(r-r')<deg(f)だから、
-(q-q')f=r-r'となりえず矛盾。故にq-q'=0さらにこれよりr-r'=0となり、
一意性が示された。

演習問題5
105=3·5·7なので、S={1,2,...,105}((357))として、
(9.3)式によりΦ105(x)=iS (x-ζ105i)
Maximaコマンド
cyclotomic(k, x) := trigrat(product
(if gcd(j, k) = 1 then x - exp(2*%pi *%i*j/k)
else 1, j, 1, k))$
j:105$
print("C", j, " = ",cyclotomic(j, x))$
で例9.1.7の表式が確かめられる。

演習問題6
(a)
定理2.2.2は体係数の対称式についての定理だが、証明のアルゴリズムの中では、
係数が体であること、すなわち任意の0でない係数に逆元が存在することは使っておらず、
可換環であれば成り立つ。は可換環だから、fは基本対称式の係数多項式。

(b)
h=i cix1ai1... xnain(ciFp)とすると、補題5.3.10を繰り返し用い、
また補題9.1.2Fermatの小定理)からcip=ciなので
hp=i cipx1pai1... xnpain=i ci(x1p)ai1... (xnp)ain=h(x1p,..., xnp)

演習問題7
(a)
演習問題3ζ1の原始n乗根のとき、
gcd(i,n)=1ならζi1の原始n乗根であることを示した。

逆にζ1の原始n乗根で、ζi1の原始n乗根なら、
任意の0j<nに対し(ζi)k=ζik=ζjとなる冪kが存在する。
これはikj (mod n)0k<nとなる整数解kが唯一つ存在することと同値だから、
gcd(i,n)=1と同値。
したがって1の原始n乗根はζi (gcd(i,n)=1)φ(n)個で尽くされる。

(b)
ある1krおよびある1lrに対しγki=γliとなったとする。
γk, γl1の原始n乗根だから、
1の原始n乗根ζおよび、ある0x<nとある0y<nが存在して、
γk=ζx, γl=ζyだから、ζix=ζiy
これはixiy (mod n)を意味するのでi(x-y)0 (mod n)
gcd(i,n)=1だからx=yとなり、故にγk=γlとなる。
したがって任意のk,lについて、γkγlならγkiγli

演習問題8
(a)
ζ1の原始n乗根だから、ζp1n乗根。
gcd(p,n)=1だから、ζpΦnの根である。
Φn=fgかつf(ζp)0なので、g(ζp)=0でなければならない。
したがってζg(xp)の根でもあるが、
fの既約性より命題4.1.5からζの最小多項式はfだから、
補題4.1.3によりf|g(xp)

(b)
g(x)[x]なのでg(xp) [x]である。
(a)よりg(xp)=fg', g'[x]だが、f[x]は単多項式なので、
演習問題4(b)により実はg'[x]だから、fg(xp)[x]において割り切る。

写像φ: [x]→Fp[x] (i aixii αixi, ai[αi]p)を考えると、bi[βi]pとして
φ(i aixi+j bjxj)=i αixi+j βjxj=φ(i aixi)+φ(j bjxj)
φ((i aixi)(j bjxj))=φ(ij aibjxixj)=ijαiβjxixj=(i αixi)(j βjxj)=φ(i aixi)φ(j bjxj)
によりφは環準同型だから、
g(xp)=φ(g(xp))=φ(fg')=f g'となるので、Fp[x]においてf|g(xp)
ただしHTMLの制約により上付き線が出ないのでφ(f)=fと書くことにする。

(c)
(「演習問題7」は「演習問題6」の誤植だろう)
演習問題6(b)によりg(xp)=g(x)pだから、(b)によりf|g(x)p

(d)
h|fだから(c)によりh|g(x)p
Fpは体なので命題A.1.18によりFp[x]PIDだから、h|g(x)
これよりhp|g(x)ppは素数なのでp≥2だからh2|g(x)p


(e)
Φn=fgφは環準同型だからφ(Φn)=f g
(d)によりh|fかつh|g(x)だからh2|φ(Φn)となる。
Φn|xn-1[x]で、Φn[x]は単多項式だから(b)と同様に、
φ(Φn)Fp[x]においてxn-1を割る。これよりh2|xn-1Fp[x]

(f)
(e)によりxn-1は分離的でないが、
gcd(p,n)=1だから、例5.3.6によりxn-1は分離的なので矛盾。
したがってf(ζp)=0

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