2011-06-26

コックス「ガロワ理論」 7.3節の演習問題2


演習問題4
5.4節演習問題4(a)により [L:F]=p2なのでFLは有限次拡大で、
5.4節演習問題5(b)によりL=F(α,β)だから、
命題6.1.4によりσGal(L/F)としてσ(α), σ(β)(xp-t)(xp-u)の根で、
σ(α), σ(β)によってσは一意的に決まる。

Gal(L/F)は各々の最小多項式の根の間での置換からなる。
5.4節演習問題4(a)により、αF上の最小多項式はxp-tで根はαだけ、
βF上の最小多項式はxp-uで根はβだけ。
 (xp-t)(xp-u)は可約なので命題6.3.7によりGal(L/F)は可移でないから、
σGal(L/F)ならσ(α)=α, σ(β)=βしかない。すなわちσ=1LだからGal(L/F)={1L}

演習問題5
(a)
x4-t4の分解体は(t,-t,it,-it)(t,-t,it,-it)(t)は明らか。
x4-t4(t)において(x-t)(x+t)(x-it)(x+it)と完全分解するので、
(t,-t,it,-it)(t)。したがって(t,-t,it,-it)=(t)

(b)
写像σ: (t)→(t) (tit)上恒等にとると、σは求値写像だから、
定理2.1.2により環の写像として自己準同型で、
明らかにKer(σ)={0}だから環の自己同型。
α(t)(t)としてα(t)α(t)-1=1ならα(t)-1=1/α(t)だから、
σ(α(t)-1)=σ(1/α(t))=1/α(it)=α(it)-1によりσは体の自己同型。
σ(t4)=t4だから、σ(t4)上恒等写像なので、σGal((t)/(t4))

σ(t)=it上恒等だからσ(-t)=-it,σ(it)=-t, σ(-it)=t
さらにσ2(t)=-t, σ2(-t)=t, σ2(it)=-it, σ2(-it)=it, σ3(t)=-it, σ3(-t)=it, σ3(it)=t, σ2(-it)=-tだから、
定義A.4.10によりσGal((t)/(t4))において可移。
命題6.3.1の証明によりGal((t)/(t4))と同型なSnの部分群が存在して可移となるから、
命題6.3.7によりx4-t4は既約。

(c)
(b)により(t4)(t)4次拡大で、
(a)と定理7.1.1により(t4)(t)Galoisだから、定理7.1.5により
[(t4):(t)]=|Gal((t)/(t4))|=4
位数4の有限群は巡回群C4/4と二面体群D4に同型なもののみで、
(b)σについてo(σ)=4により、位数4の元を含むのはC4
したがってGal((t)/(t4))=<σ>C4/4

(d)
(c)により部分群はC2<σ2>={e,σ2}のみで、
Gal((t)/(t4))は巡回群なのでAbel群だから、
<σ2>Gal((t)/(t4))の正規部分群。
(b)により<σ2>は根の符号を交換するので、
t2<σ2>の作用のもとで不変だから、<σ2>に対応する固定体は(t2)のみ。
したがってGalois対応の図式はGalois群の
{e}
<σ2>
Gal((t)/(t4))

に対し

(t)
(t2)
(t4)

となる。

演習問題6
Gal(L/)C4と同型であることが示されたのは、6.3節演習問題4の方)
α=√(2+√2),  σ(α)=√(2-√2)=(α2-2)/αとすれば、
σ2(α)=-α, σ3(α)=-(α2-2)/α, σ4(α)=αなので、Gal(L/)={e,σ,σ2,σ3}とかける。
演習問題5(d)と同様、正規部分群は位数2<σ2>のみで、
σ2は単に根の符号の交換だから、
α2=2+√2<σ2>の作用で不変なので、中間体は(√2)となる。
したがってGalois対応の図式はGalois群の
{e}
<σ2>
Gal(L/)
に対し

(√(2+√2))
(√2)

となる。

演習問題7
(a)
f=Φ77次円分多項式で、x7-1=(x-1)fであるから、命題4.2.5によりf上既約。
命題A.2.1の証明からx7-1の根は1,ζ7,ζ72,...,ζ76となり、
fζ7,ζ72,...,ζ76の相異なる根を持つ。(ζ7,ζ72,...,ζ76)=Lだから、
L上のfの分解体。

(b)
-12≡1 (mod 7)なのでHの生成元σの位数は2だからH={e,σ}
6.2節演習問題4(b)の対応から、[-1]7σ (σ(ζ7)=ζ7[-1]7=ζ76=ζ7-1=ζ7)となるので、
σfの根の複素共役をとる自己同型写像。
αi=ζ7i (1i≤6)とすると、準同型Gal(L/)S6においてσ→(16)(25)(34)である。
σの作用のもとで不変な基本対称式は、α=α1+α6=ζ7+ζ76=ζ7+ζ7-1=Re(ζ7),
α2+α5=ζ72+ζ75=ζ72+ζ7-2=α2-2=Re(ζ72),
α3+α4=ζ73+ζ74=ζ73+ζ7-3=α3-3α=Re(ζ73),
α1α6=α2α5=α3α4=1。したがって固定体は(α)=(ζ7+ζ7-1)

演習問題8
(a)
演習問題7(b)と同じノーテーションのもとで、
1, α1,...6x7-1の根だから、系2.1.5により1+α1+...+α6=0
一方演習問題7(b)の計算からα=(α1+α6)3=α3+α4+3(α1+α6), (α1+α6)2=α2+α5+2だから、
α3+α2-2α-1=1+α1+...+α6=0となるので、αx3+x2-2x-1の根である。
他の2根がα2+α5=α2-2, α3+α4=α3-3αであることは容易に確かめられるので、
(α)x3+x2-2x-1上の分解体だから、定理7.1.1から(α)Galois

演習問題7(a)と定理7.1.1からLGaloisで、|Gal(L/)|=|(/7)*|=6
演習問題7(b)によりH=Gal(L/(α)), |H|=2なので、
定理A.1.1Lagrangeの定理)により[Gal(L/):H]=3
故に定理7.3.1(a)と命題4.3.4により、αの最小多項式をpとして
deg(p)=[(α):]= [Gal(L/):H]=3である。
g=x3+x2-2x-1α1+α6の満たす3次の多項式だから、
補題4.1.3によりpの倍式で、gpはどちらも3次の単多項式だからp=gとなる。

(b)
gα以外の根はα2+α5=α2-2, α3+α4=α3-3αであることは容易に確かめられる。
したがって(α)g上の分解体だから、
定理7.1.1から(α)Galoisで、(a)により[(α):]=3
故に定理7.3.2により、HGal(L/)の正規部分群、
かつGal(L/)/HGal((α)/)で、定理7.1.5により|Gal((α)/)|=[(α):]=3
位数3の群は巡回群C3/3と同型なものだけだから、Gal((α)/)/3

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