2011-02-25

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第44章練習問題1

44.1
規約Pythagoras数についてのみ考えれば十分。
a2+b2=c2の解(a,b,c)のどの2つも互いに素とする。
ある自然数uが存在してab/2=2u2すなわちab=4u2=(2u)2
と平方数になったとすると、abは互いに素だから、
abはそれぞれが平方数なので、x,yを自然数としてa=x2, b=y2とおける。
すなわち、x4+y4=c2の整数解(x,y,c)が存在することになるが、
これはFermatの最終定理に反する。したがって、Pythagoras三角形で
その面積が平方数の2倍であるものは存在しない。

44.2
(a)
P(-1,0), Q(0,1), R(0,-1), S(2,3), T(2,-3)とする。
PQ=T, PR=S, PS=R, PT=Q, QS=P, QT=S, RS=T, RT=P
(傾きになってしまうQRSTは考えない)
なので、これら5点からは新しい解は生成されない
特に直線SRQTEに接していてQT=S, RS=Tとなることと、
対称点Pの存在が、新しい解の生成を妨げている。

(b)
P(3,8), Q(3,-8), R(-5,16), S(-5,-16)とする。
PR=Q, QS=Pで、PQPRQSはそれぞれEに接する。
PS=T(11,-32), QR=U(11,32)で新しい点が生成される。
UR=S, TS=Rで、RSRUSTはそれぞれEに接する。
UQ=T, TP=Uで、TUQUPTはそれぞれEに接する。
すべての点でEへの接線ができたので、これ以上解は生成されない。
したがって、ねじれ点集合は
P(3,8), Q(3,-8), R(-5,16), S(-5,-16), T(11,-32), U(11,32)

つまり定理44.2,44.3が言っているのは、判別式が正の場合、
ねじれ点集合に属する点は必ず整数点で、
そこから出発するといつか必ず接線か対称点が作られて、
解の生成が有限個で(Mazurの定理44.2(b)によれば15個までで)
終わるということか。ふしぎ・・・。
(整数点でもねじれ点集合に必ず属するとは限らないが)。

(c)
Eのゼロ点(y=0となる点)は(α,0), (β,0), (γ,0)しかなく、
(α,0), (β,0), (γ,0)のうちどの2点を結ぶ直線もy=0だから、
(α,0), (β,0), (γ,0)の以外の点は生成されない。
したがって、(α,0), (β,0), (γ,0)はねじれ点集合。

44.3
判別式=94720
まず整数点(0,4), (0,-4), (1,1), (1,-1), (4,4), (4,-4)が見つかる。
探索すると、
(-4,4),(-4,-4), (8, 20), (8,-20), (24,116), (24, -116)が見つかるが、
(-20/9,172/27), (-20/9,-172/27), (-80/49,2108/343), (-80/49,-2108/343)...
なども得られ、あとは有理解が無数に続きそうなムードで、
ねじれ点集合ではないらしい。とりあえず見つかった整数解は
(0,4), (0,-4), (1,1), (1,-1), (4,4), (4,-4), (-4,4),(-4,-4),
(8, 20), (8,-20), (24,116), (24, -116)

44.4
(a)
y2が奇数なら、xは偶数だから、y2≡7 (mod 8)
しかし奇数の平方はmod 81または5しかありえないので、
このようなyは存在しない。したがって整数解(x,y)が存在すれば
yは偶数となるので、x3は奇数、すなわちxは奇数。

(b)
y2+1= x3+23=(x+2)(x2-2x+4)

(c)
x=2n+1 (n )とすると、x2-2x+4=4n2+3≡3 (mod 4)
mod 41の数同士の積はmod 41だから、
奇数x2-2x+4を割る奇素数qの中に、
q≡3 (mod 4) となるものが存在しなければならない。

(d)
(b)(c)により、y2+1≡0 (mod q)すなわちy2≡-1 (mod q)だが、
q≡3 (mod 4) なので平方剰余の相互法則により(-1/q)=-1
したがってこのようなyは存在しない。
よって(a)と合わせ、Eは整数解を持たない。

44.5
(a)
(2,±3), (22, ±103)

(b)
(1318,-47849)

44.6
(a)
任意に整数tを選んでy=txとすると、x=t2-1なら解になるから、
整数解は無数にある。

(b)
判別式=0なのでSiegelの条件を満たさない。

(c)
y2=(x-1)2(x+1)だから、x=(平方数-1)ならy2は平方数になるので、
無数の整数解がある。

2011-02-23

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第43章練習問題


43.1
(a) (-8/9, 109/27)
(b) (5234, -378661)
(c) (752/529, 54239/12167)

43.2
(a) R(13, -47)
(b) S(25/36, -37/216)
(c) T(685/121, 18157/1331)
(d) Tに一致する。

43.3
定義よりsize(Qi)は正または0の整数だから、
size(Qi)> size(Qi+1)>の下降列は有限個で終了する。

43.5
(a)
y>0に対しdy/dx=(3/2)(x+1)(x-1)/√(x3-3x+7)より、y=3x/2

(b)
Q(-7/4,-21/8)

(c)
R(-7/4,21/8)から、(-6/25, 694/250)
  
43.6
Lの式をE1の式に代入して整理すると、
(x+2)[x2-(m2+2)x+(-2m2-6m+4)]=0
この方程式がx=-2以外の有理解を持つためには、
[]の中の判別式=m4+12m2+24m-12=0でなければならない。

43.7
(a)(b)とも判別式が0。原点で微分不可で、グラフにカスプがある。

43.8
(a)
練習問題43.1, 43.2と同様に一般の場合について計算して、
x3=-(a+x1+x2)+g2
y3=g[-a-3(x1+x2)/2+g2]+(y1+y2)/2
g=(y1-y2)/(x1-x2)
を得る。

(b)
(a)で得た公式から明らかにPQ=QP

(c)
PQ (6266/1225,574461/42875)
QR (7491/5041,-566370/357911)
PR (73,-636)
(PQ)R (73,636)
P(QR) (73,636)
で一致する。驚いた。

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第42章練習問題


42.1
n=1のときS1=0=(1-1)/1で成り立つ。
n=mのときSm=(m-1)/mが成り立つとすると、
Sm+1=Sm+1/[m(m+1)]=m/(m+1)なので、n=m+1のときも成り立つ。

42.2
(a)
C4(X)=X(X+1)(2X+1)(3X2+3X-1)/30=(6X5+15X4+10X3-X)/30
確かにC4(1)=1, C4(2)=17, C4(3)=98
(b)
C5(X)=X2(X+1)2(2X2+2X-1)/12=(2X6+6X5+5X4-X2)/12
確かにC5(1)=1, C5(2)=33, C5(3)=276

42.3
(a)
漸化式においてnkの項は最初の有理式からのみ現れるから、
Ck-1(n)の主係数は1/k、したがってCk(n)の主係数は1/(k+1)

(b)
a=1/2である。
k=2のときCk-1(n) nkの係数a=1/2で成り立つ。
k≥3については、定理42.1の漸化式においてCk-1 (n) nk-1の項の係数は、
(i) 最初の有理式の累乗を展開したnk-1の項の係数
(ii) 和の項でのj=k-2の項の主係数1/(k-1) ((a)により)と漸化式の係数の積
2項の和kC1/k- kCk-2/[k(k-1)]=1/2である。

(c)
b=k/12である。
k=2,3のときCk-1(n) nk-1の係数bはそれぞれ(k-1)/12で成り立つ。
k≥3については、定理42.1の漸化式においてCk-1 (n) nk-2の項の係数は、
(i) 最初の有理式の累乗を展開したnk-2の項の係数
 (ii) 和の項でのj=k-2の項の最高次の次の次数の係数1/2((b)により)と漸化式の係数の積
(iii) 和の項でのj=k-3の項の最高次係数1/(k-2)((a)により)と漸化式の係数の積
3項の和kC2/k- kCk-2/(2k)-kCk-3/[k(k-2)]=(k-1)/12

42.4
(a)
Ck(0)=0であることをkについての数学的帰納法で示す。
k=0,1のときはCk(0)=0
定理42.1の漸化式でkmのとき成り立つとすると、k=m+1では第2項の和の項は0だから、
Cm(0)=[(0+1)m+1-1]/(m+1)=0となり、k=m+1でも成り立つ。
すなわち、Ck(X)の多項式はXを因数として持ち、定数項はない。

(b)
C0(-1)=-1, Ck(-1)=0 (k>0)であることをkについての数学的帰納法で示す。
C0(X)= Xなので、C0(-1)=-1。またk=1のときはC1(-1)=0
定理42.1の漸化式でkmのとき成り立つとすると、
k=m+1では第2項の和の項で残るのはC0(X)だけだから、
Cm(-1)=[(-1+1)m+1-1]/(m+1)-C0(-1)/(m+1)=0となり、k=m+1でも成り立つ。
すなわち、k>0ではCk(X)の多項式はX+1を因数として持つ。

(c)
k>0ではCk(X)の整多項式の部分はX+1を因数として持つから、
Ck(p-1)pを因数として持ちうる。
が、漸化式の分母にpが現れないことを示さなければならないが・・・。
条件足んなくね?

(d)
C0(-1/2)=-1/2, C1(-1/2)=-1/8=-1/23, C2(-1/2)=0, C3(-1/2)=1/64=1/25,
C4(-1/2)=-7/1920=-7/(27·3·5), C5(-1/2)=-1/128=-1/27,
C6(-1/2)=-1/56=-1/(23·7), C7(-1/2)=51/6144=51/(211·3),
C8(-1/2)=-1123/320=1123/(26·5)., C9(-1/2)=-31/2048=31/211...うーん。

42.5
C5(X)を因数分解してC5(X)=X2(X+1)2/4=C1(X)2

42.6
(a)
k=0のとき(0+1)!C0(X)=Xで整数係数。
k=1のとき(1+1)!C1(X)= X2+Xで整数係数。
定理42.1の漸化式のCk-1(n)を用いてk!Ck-1(n)kmのとき整数係数とする。
k=m+1のときは(m+1)! Cmの式において、
(i) 最初の有理式の項は、分母が(m+1)なので(m+1)!を割るから整数係数多項式。

(ii) 後ろの和の各項m!m+1CiCi(X) (0i m-1)について、2項係数は整数で、
帰納法の仮定によりm!Ci(X)= m(m-1)!Ci(X)は整数係数多項式だから、
和も整数係数多項式。

したがって (m+1)!Cmも整数係数多項式となる。

 (b)
2, 6, 4, 30, 12, 42, 24, 90, 20, 66...の列からmod k+10らしい。

42.7
n=100までの範囲内では、T1=C2(1)=1しか見当たらない。
英語版ウィキペによると、この1組しかないことがBeukers (1988)により証明された。

42.8
(a)(b)
1kn Tk=1kn k+2C3=n+3C4
∵) n=1のとき3C3=4C4で成り立つ。
n=mで成り立つとすると、n=m+1のとき
1km+1 k+2C3=m+3C4+ m+3C3=(m+3)!(m+4)/(4!m!)=(m+4)!/(4!m!)=(m+1)+3C4
となり、n=m+1でも成り立つ。

42.9
(a)(b)

(c)
1kn r-1+kCr=n+rCr+1

(d)
n=1に対してr-1+1Cr=rCr=1+rCr+1=1で成り立つ。
n=mで成り立つとすると、n=m+1のとき
1km+1 r-1+kCr=m+rCr+1+ r+mCr=(m+r)!(m+r+1)/[m!(r+1)!]= m+1+rCr+1
となり、n=m+1でも成り立つ。

42.10
(a)
Pk(x)=1k+2kx+3kx2+4kx3+...+nkx(n-1)
Pk(1)=Ck(n)

(b)
l'Hospitalの公式からlimx→1(xn-1)/(x-1)=limx→1 nx=n=P0(n)

(c)
微分を計算してP1(x)=nxn/(x-1)-P0(x)/(x-1)=[nxn+1-(n+1)xn+1]/(x-1)2

(d)
l'Hospitalの公式を用いて、
limx→1 P1(x)=limx→1 n(n+1)xn-1/2=n(n+1)/2
(a)P1(1)の級数表現とこの結果から、C1(n)の式が証明された。

(e)
(c)(d)と同様にして、P2(x)=[n2xn+2+(-2n2-2n+1)xn+1+(n+1)2xn -x-1]/(x-1)3
l'Hospitalの公式を繰り返し用いて、
limx→1 P2(x)=n(n+1)(2n+1)/6= C2(n)を得る。

(f)
めんどい・・・。

42.11
A(x)=B(x)+xB(x)+x2B(x)+x3B(x)+...=B(x)/(1-x)

42.12
問題文のx2の計算は誤っていて、
x2=S(2,0)+S(2,1)x+S(2,2)x(x-1)=S(2,0)+(S(2,1)-S(2,2))x+S(2,2)x2
よりS(2,0)=0, S(2,1)=1, S(2,2)=1

(a)
同様に計算してS(3,0)=0, S(3,1)=1, S(3,2)=3, S(3,3)=1
およびS(4,0)=0, S(4,1)=1, S(4,2)=7, S(4,3)=6, S(4,4)=1

(c)
問題文は全く誤っていて(てか漸化式になってない)、
正しくはS(k, j)=S(k-1, j-1)+jS(k-1, j)

xk=0jk S(k, j)x(x-1)...(x-j+1) (1)
一方、xk-1=0jk-1 S(k-1, j)x(x-1)...(x-j+1)より、
xk=0jk-1 S(k-1, j)x(x-1)...(x-j+1)·x
0jk-1 S(k-1, j)x(x-1)...(x-j+1)(x-j+j)
=1ik S(k-1, i-1)x(x-1)...(x-i+1)+0jk-1 jS(k-1, j)x(x-1)...(x-j+1) (i=j+1)
=S(k-1, k-1) x(x-1)...(x-k+1)+1jk-1 (S(k-1, j-1)+ jS(k-1, j))x(x-1)...(x-j+1) (2)
(1)(2)の各項の係数を比較して、
S(k, 0)=0
S(k, k)=S(k-1, k-1) (=...=S(1,1)=1)
S(k, j)=S(k-1, j-1)+jS(k-1, j)
を得る。

(d)
与式は漸化式の初項S(1,1)=1, S(1,0)=0を与える。
また与式の表式を用いると、、
S(k-1, j-1)+jS(k-1, j)=[1/(j-1)!]0ij-1 (-1)j-1-ij-1Ci ik-1+(j/j!)0ij (-1)j-ijCi ik-1
=[1/(j-1)!]0ij-1 (-1)j-i(-j-1Ci+ jCi)ik-1+(1/j!)jCj jk
二項係数の加法定理より-j-1Ci ik-1+jCi=j-1Ci-1=(i/j) jCiだから、
S(k-1, j-1)+jS(k-1, j)=(1/j!)0ij-1 (-1)j-i jCiik+(1/j!)jCj jk=(1/j!)0ij (-1)j-i jCiik
=S(k, j)
となるから、与式は(b)の漸化式も満たす。
したがって、与式は第2Stirling数の一般項を与えている。

42.13
定理42.1の漸化式から(n+1)k-1=0ik-1 kCi Ci(n)
この式にk=1のときC1(n)に与式を代入すると右辺=nとなるので成り立つ。
k=mで成り立つとして、k=m+1のときについて、
与式とStirling数の漸化式を用いて右辺=(n+1)m+1-1を示すのだと思うが・・・。