44.1
規約Pythagoras数についてのみ考えれば十分。
a2+b2=c2の解(a,b,c)のどの2つも互いに素とする。
ある自然数uが存在してab/2=2u2すなわちab=4u2=(2u)2
と平方数になったとすると、aとbは互いに素だから、
aとbはそれぞれが平方数なので、x,yを自然数としてa=x2, b=y2とおける。
すなわち、x4+y4=c2の整数解(x,y,c)が存在することになるが、
これはFermatの最終定理に反する。したがって、Pythagoras三角形で
その面積が平方数の2倍であるものは存在しない。
44.2
(a)
P(-1,0), Q(0,1), R(0,-1), S(2,3), T(2,-3)とする。
P⊕Q=T, P⊕R=S, P⊕S=R, P⊕T=Q, Q⊕S=P, Q⊕T=S, R⊕S=T, R⊕T=P
(傾き∞になってしまうQ⊕RとS⊕Tは考えない)
なので、これら5点からは新しい解は生成されない
特に直線SRとQTはEに接していてQ⊕T=S, R⊕S=Tとなることと、
対称点Pの存在が、新しい解の生成を妨げている。
(b)
P(3,8), Q(3,-8), R(-5,16), S(-5,-16)とする。
P⊕R=Q, Q⊕S=Pで、PとQでPRとQSはそれぞれEに接する。
P⊕S=T(11,-32), Q⊕R=U(11,32)で新しい点が生成される。
U⊕R=S, T⊕S=Rで、RとSでRUとSTはそれぞれEに接する。
U⊕Q=T, T⊕P=Uで、TとUでQUとPTはそれぞれEに接する。
すべての点でEへの接線ができたので、これ以上解は生成されない。
したがって、ねじれ点集合は
P(3,8), Q(3,-8), R(-5,16), S(-5,-16), T(11,-32), U(11,32)。
つまり定理44.2,44.3が言っているのは、判別式が正の場合、
ねじれ点集合に属する点は必ず整数点で、
そこから出発するといつか必ず接線か対称点が作られて、
解の生成が有限個で(Mazurの定理44.2(b)によれば15個までで)
終わるということか。ふしぎ・・・。
(整数点でもねじれ点集合に必ず属するとは限らないが)。
(c)
Eのゼロ点(y=0となる点)は(α,0), (β,0), (γ,0)しかなく、
(α,0), (β,0), (γ,0)のうちどの2点を結ぶ直線もy=0だから、
(α,0), (β,0), (γ,0)の以外の点は生成されない。
したがって、(α,0), (β,0), (γ,0)はねじれ点集合。
44.3
判別式=9472≠0。
まず整数点(0,4), (0,-4), (1,1), (1,-1), (4,4), (4,-4)が見つかる。
探索すると、
(-4,4),(-4,-4), (8, 20), (8,-20), (24,116), (24, -116)が見つかるが、
(-20/9,172/27), (-20/9,-172/27), (-80/49,2108/343), (-80/49,-2108/343)...
なども得られ、あとは有理解が無数に続きそうなムードで、
ねじれ点集合ではないらしい。とりあえず見つかった整数解は
(0,4), (0,-4), (1,1), (1,-1), (4,4), (4,-4), (-4,4),(-4,-4),
(8, 20), (8,-20), (24,116), (24, -116)。
44.4
(a)
y2が奇数なら、xは偶数だから、y2≡7 (mod 8) 。
しかし奇数の平方はmod 8で1または5しかありえないので、
このようなyは存在しない。したがって整数解(x,y)が存在すれば
yは偶数となるので、x3は奇数、すなわちxは奇数。
(b)
y2+1= x3+23=(x+2)(x2-2x+4)。
(c)
x=2n+1 (n∈ℤ )とすると、x2-2x+4=4n2+3≡3 (mod 4) 。
mod 4で1の数同士の積はmod 4で1だから、
奇数x2-2x+4を割る奇素数qの中に、
q≡3 (mod 4) となるものが存在しなければならない。
(d)
(b)(c)により、y2+1≡0 (mod q)すなわちy2≡-1 (mod q)だが、
q≡3 (mod 4) なので平方剰余の相互法則により(-1/q)=-1。
したがってこのようなyは存在しない。
よって(a)と合わせ、Eは整数解を持たない。
44.5
(a)
(2,±3), (22, ±103)。
(b)
(1318,-47849)
44.6
(a)
任意に整数tを選んでy=txとすると、x=t2-1なら解になるから、
整数解は無数にある。
(b)
判別式=0なのでSiegelの条件を満たさない。
(c)
y2=(x-1)2(x+1)だから、x=(平方数-1)ならy2は平方数になるので、
無数の整数解がある。
0 件のコメント :
コメントを投稿