演習問題10
(a)
K⊂M, L⊂MでM⊂M'だからL,KはM'の部分体。
F⊂M'はGalois拡大なので正規拡大、かつβ∈M'だから、
βのF上の最小多項式hはM'上完全分解する。
するとβ'はhの根だからβ'∈M'。
したがってK'=F(β')はM'の部分体。
(b)
F⊂M'はGalois拡大なので、定理7.1.1によりある分離多項式の分解体、
またhはF上規約でβ, β'を根に持つから、
命題5.1.8によりあるτ∈Gal(M'/F)が存在してβ'=τ(β)。
τはF上恒等だからτ(K)=τ(F(β))=F(β')=K'。
(c)
F⊂LはGalois拡大だからある分離多項式fの分解体である。
fの根をα1,...,αn∈Lとすると、L=F(α1,...,αn)。
τ|L∈Gal(L/F)なのでτ|LはF上恒等で、
命題6.1.4により1≤i≤nについてτ|L(αi)はfの根だからτ|L(αi) ∈L。
したがってα∈Lならτ|L(α) ∈L。
(b)によりα∈Kならτ|L(α) ∈K'だから、α∈K⋂Lならτ|L(α) ∈K'⋂L。
同様にして、α’∈K’⋂Lならτ-1|L(α’) ∈K⋂Lが示せるので、
τ|Lは全射となるから、τ|L(K⋂L)=K’⋂L。
(d)
定理12.2.5によりGal(KL/K)≃Gal(L/K⋂L)またGal(K’L/K’)≃Gal(L/K’⋂L)。
τ|L∈Gal(L/F)なので補題7.2.4により、
Gal(L/F)においてGal(L/K’⋂L)=Gal(L/τ|L(K⋂L))=τ|LGal(L/K⋂L)τ-1|Lだから、
Gal(K’L/K’)≃τ|LGal(KL/K)τ-1|Lとなる。
演習問題11
((12.22)の下のGaloisの群の表のうち、
Aに入るのは第2列からのφV(j)~φn-1V(j)で、第1列の(V(j))は入れない。)]
(a)
αi1...αin∈Aの要素は全て異なり、各要素は分離多項式fの根だから、
Aの元は表示が異なるだけで、値としてはα1...αn∈Aを置換したものである。
命題6.3.1によりGal(L/F)は自己同型から来る根の置換全体と同一視でき、
これはGの定義と一致するから、
命題6.3.1の同型によってGal(L/F)とGを同一視する。
Aの元はGal(L/F)による根の置換を表すから、
任意のαi1...αin∈Aに対し、αi1...αin=σ·α1...αnとなるσ∈Gが存在する。
Aはσ∈Gによって置換された配置全体からなるから、
Gの作用に関するα1...αnの軌道である。
(b)
σ,τ∈Gによってσ·α1...αn=τ·α1...αnとなったとすると、
ασ(1)...ασ(n)=ατ(1)...ατ(n)なのだから、σ,τ
は同一の置換なのでσ=τ、故に写像G→Aは1対1。
αi1...αin∈Aの各要素は分離多項式fの相異なる根だから、
あるσ∈Gal(L/F)≃G⊂Snによってα1...αnを置換したものなので、
すべての1≤k≤nに対しik=σ(k)となるσ∈Gが存在するから、
写像G→Aは全射。
演習問題12
(a)
γ=τσ-1∈Gをとればγ·(σH·α1...αn)=(γσH)·α1...αn=τH·α1...αn。
(b)
演習問題10(c)(d)と全く同様にしてGal(K’L/K’)≃τ|LGal(KL/K)τ-1|L。
Gal(L/F)≃Gで、この同型によってτ|Lにσが対応し、
同じ同型によってGal(KL/K)にHが対応するから、
Gal(K’L/K’)にσHσ-1が対応する。
(c)
任意のσhσ-1∈σHσ-1 (h∈H)に対し、
σhσ-1·(σ·α1...αn)=(σhσ-1σ)·α1...αn=(σh)·α1...αn∈σH·α1...αnだから、
σHσ-1はσ·α1...αnを、σ·α1...αnが属する"群"の別の元へ移す置換の集合。
そこで写像σHσ-1→σH·α1...αnを、σhσ-1→(σh)·α1...αnのように、
σhσ-1によってσ·α1...αnが移る配置への写像と定義すれば、
σHσ-1⊂Gだから演習問題11(b)と同様にしてこの写像は1対1かつ全射となるから、
σHσ-1は、σ·α1...αnをσ·α1...αnが属する"群"の別の元へ移す、すべての置換の集合である。
演習問題13
Maximaのバッチファイル
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t1:0;
t2:1;
t3:2;
t4:3;
orb:orbit(y-(t1*y1+t2*y2+t3*y3+t4*y4),[y1,y2,y3,y4]);
s:1$for j:1 thru 24 do (s:s*orb[j]);
s1:subst(sqrt(2),y1,s);
s2:subst(-sqrt(2),y2,s1);
s3:subst(sqrt(3),y3,s2);
s4:subst(-sqrt(3),y4,s3);
s5:ratexpand(s4);
factor(s5);
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で計算したのだが、最終結果は
s(y)=y24-200y22+16620y20-743400y18+19430070y16-302989800y14
+2777491500y12-14100111000y10+34064189265y8-25798725200y6
+7753861216y4-910060800y2+36000000
=(y4-58y2+625)(y4-42y2+225)(y4-40y2+16)2(y4-10y2+1)2
で、因数が4つは一致するが2つは一致しない...。
同様に例12.2.1の方も、因数が3つは一致するが3つ一致しない...。
演習問題14
[L:K⋂L]=|Gal(KL/K)|は演習問題9で示した。
またこれも演習問題9で示したように|Gal(L/F)|=|Gal(KL/K)|[K⋂L:F]だから、
|Gal(KL/K)|<|Gal(L/F)|は[K⋂L:F]>1と同値なので、F⊊K⋂Lと同値。
演習問題15
(a)
F⊂LとF⊂KはGalois拡大でKLが定義されているから、
F⊂L⊂KLかつF⊂K⊂KLなので、8.2節演習問題7によりF⊂KLはGalois拡大。
σ∈Gal(KL/F)はF上恒等だからσ|LもF上恒等。
F⊂KLとF⊂LはGalois拡大なので、定理7.2.5によりσL=L。
σ∈Gal(KL/F)はF上恒等だからσ|LもF上恒等なので、
σ|LはF上恒等なLの自己同型となる。よってσ|L∈Gal(L/F)。
同様にしてσ|K∈Gal(K/F)。
(b)
写像φ:Gal(KL/F)→Gal(L/F)×Gal(KL/F)をσ→(σ|L,σ|K)で定義すると、
φは明らかに群準同型。
演習問題6(d)によりσ|L=eLかつσ|K=eKならσ=eKLだから、
Ker(φ)=eKLなので、φは1対1。
(c)
F=K⋂Lだから演習問題14により|Gal(L/F)|=|Gal(KL/K)|。
F⊂LはGalois拡大なので、命題7.1.5により|Gal(L/F)|=[L:F]、
またF⊂KLはGalois拡大でF⊂K⊂KLだから、
命題7.1.3によりK⊂KLはGalois拡大なので、
命題7.1.5により|Gal(KL/K)|=[KL:K]。故に[L:F]=[KL:K]だから、
定理4.3.8(塔定理)により[KL:F]=
[KL:K][K:F]=[L:F][K:F]。
(d)
F⊂L, F⊂K, F⊂KLはGalois拡大だから、命題7.1.5により
|Gal(L/F)|=[L:F], |Gal(K/F)|=[K:F]、|Gal(KL/F)|=[KL:F]なので、
(c)により|Gal(KL/F)|=|Gal(L/F)||Gal(K/F)|。
(b)によりφは1対1だから、φは全射となり、故に同型。
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