演習問題1
(a)
普通に計算するだけ。
f'(y)=(y-y2)(y-y3)+(y-y1)(y-y3)+(y-y1)(y-y2)より
f'(y2)=(y2-y1)(y2-y3)=-(y1-y2)(y2-y3)
f'(y3)=(y3-y1)(y3-y2)=(y1-y3)(y2-y3)
(b)
(a)の結果からf'(y1)f'(y2)f'(y3)=-(y1-y2)2(y1-y3)2(y2-y3) 2=-Δ。
負号はf'(y2), f'(y3)で根の差の順番がΔでの定義と逆転した、
y2-y1, y3-y1, y3-y2の因子が現れることから現れる。
(c)
(b)とf(y)=(y-y1)(y-y2)(y-y3)により、
Δ=-f'(y1)f'(y2)f'(y3)=-27(y1-α)(y1-β)(y2-α)(y2-β)(y3-α)(y3-β)
=-27(α-y1)(α-y2)(α-y3)(β-y1)(β-y2)(β-y3)=-27f(α)f(β)
(d)
普通にf(α), f(β)を計算するだけ。
(e)
(d)よりf(α)=√(-4p3/27)+q, f(β)=-√(-4p3/27)+qだから
Δ=-27f(α)f(β)=-27(4p3/27+q2)=-4p3-27q2
演習問題2
(a)
Δ=-4p3-27q2において第2項は常に負。
p>0なら第1項も負なので、Δ<0。
(b)
f'(y)=3y2+pにおいてp>0だからf'(y)>0となり、
f(y)は全てのyに対し常に増加する。
(c)
常に増加する関数f(y)がy→数増でf(y) →-∞、y→∞でf(y) →∞だから、
f(y)のグラフと直線y=aの交点は-∞<a<∞についてちょうど一つである。
したがってa=0のとき、すなわちf(y)=0のときも実根はちょうど一つである。
演習問題3
(a)
Δ=-4p3-27q2においてq≠0ならΔ<0である。
q=0のときはf(y)=y3でy=0が3重根になるから、
定理1.3.1で仮定している場合に当たらない。
以上によりΔ<0。
(b)
f'(y)=3y2≥0において、等号はy=0の1点のみだから、
f(y)は常に増加する関数で、y→-∞でf(y) →-∞、y→∞でf(y) →∞。
したがって演習問題2(c)と同様に、実根はちょうど一つ。
演習問題4
(a)
明らかにβ<α。
f'(α)=f'(β)=0、f''(α)=6α>0, f''(β)=6β<0だから、
f(y)のグラフはαで極小、βで極大。
β<y<αではf'(y)=3(y-α)(y-β)<0だから、∫βα f(y)dy<0より
f(α)=f(β)+∫βα f'(y)dy< f(β)。
(b)
(i) f(α)とf(β)が異負号(f(α)f(β)<0)のとき
(a)によりf(α)< f(β)だから、f(α)とf(β)が異負号ならf(α)<0, f(β)>0。
f(y)は-∞<y<∞で連続なので、中間値の定理により、
β<y1<αかつf(y1)=0となるy1が存在し、
さらにβ<y<αでf'(y)<0からf(y)は常に減少するから、
このようなy1は唯一つである。
また、y→-∞でf(y)→-∞、f(β)>0だから、中間値の定理により、
y2<βかつf(y2)=0となるy2が存在する。
y<βでf'(y)>0からf(y)は常に増加するから、
このようなy2は唯一つである。
さらにy→∞でf(y) →∞、f(α)<0だから、中間値の定理により、
y3>αかつf(y3)=0となるy3が存在する。
y>αでf'(y)>0からf(y)は常に増加するから、
このようなy3は唯一つである。
したがって、f(α)とf(β)が異負号ならf(y)=0は
ちょうど3つの異なる実根y1, y2, y3を持つ。
グラフとしては下図のようになり(図はp=-3,q=1での例)、
y=0とy=x3+px+qの交点は3つとなる。
(ii) f(α)とf(β)が同負号(f(α)f(β)>0)のとき
f(α)>0, f(β)>0またはf(α)<0, f(β)<0である。
f(α)>0, f(β)>0のとき、(i)のy2に対応する実根が唯一つ存在する。
β<y<αでf'(y)<0により、f(y)はf(β)>0からf(α)>0まで常に減少する関数なので、
β<y<αでf(y)>0だから 、β<y<αでのf(y)=0の実根は存在しない。
また、y>αでf'(y)>0により、f(y)はf(α)>0から常に増加する関数なので、
y>αでf(y)>0だからy>αでのf(y)=0の実根は存在しない。
以上により、f(α)>0, f(β)>0のときf(y)=0の実根は常にちょうど一つ存在する。
同様にして、f(α)<0, f(β)<0のときもf(y)=0には、
(i)のy3に対応する実根が常にちょうど一つ存在する。
したがって、f(α)とf(β)が同負号ならf(y)=0は
ちょうど1つの実根を持つ。
f(α)>0, f(β)>0のときのグラフとしては下図のようになり
(図はp=-3,q=3での例)、y=0とy=x3+px+qの交点は1つとなる。
また、f(α)<0, f(β)<0のときのグラフとしては下図のようになり
(図はp=-3,q=-3での例)、y=0とy=x3+px+qの交点は1つとなる。
(c)
(b)により、f(α)とf(β)が異負号ならf(y)=0はちょうど3つの実根を持ち、
同符号ならf(y)=0はちょうど1つの実根を持つ。
また、f(α)=0ならばf(β)<0で、(b)(i)でのy1=y2となる2重根の場合だから、
実根は2つであるが、これは定理1.3.1で仮定している場合に当たらない。
f(β)=0ならばf(α)>0で、同様に実根は2つ。
以上により、f(y)=0がちょうど3つの異なる実根を持つのは
f(α)とf(β)が異負号、すなわちf(α)f(β)<0のとき、かつその時に限られる。
(d)
演習問題1(c)によりΔ=-27f(α)f(β)。
(c)により3つの根が全て実数であることとf(α)f(β)<0は同値だから、
Δ>0とも同値となる。
演習問題5
演習問題2,3と4(b)のf(α)f(β)>0で調べた場合はf(y)=0はちょうど1つの実根を持ち、
このとき常にΔ=-27f(α)f(β)<0である。f(y)=0には複素数根が3つなければならないので、
残りの2つは定理1.3.1の証明と同様に、
互いに複素共役な異なる2虚根でなければならない。
また、4(b)のf(α)f(β)<0のときはf(y)=0はちょうど3つの異なる実根を持ち、
このとき常にΔ=-27f(α)f(β)<0である。
f(α)f(β)=0の場合は演習問題4(c)によりΔ=0。
このとき実根は2つで、うち一つは2重根であるから、
定理1.3.1で仮定している場合に当たらない。
以上により、f(y)=0の異なる実根の個数は、
Δの符号のみで完全に分類され、ゆえに定理1.3.1が従う。
演習問題6
Δ=-4p3-27q2>0だからp<0である。
z13=(1/2)[-q+i√(Δ/27)]を極形式に書き、2つの実数a, αを用いてz13=aeiα,
a=|z13|=(-p)3/2/(3√3)=(-p/3)3/2,
α=arg(z13)=arctan[-√(Δ/27)/q] (mod 2π) (q≠0)またはπ/2 (mod 2π) (q=0)
とする。
aの実三乗根a1/3=√(-p/3)を用いてz1はa1/3eiα/3, a1/3eiα/3ω, a1/3eiα/3ω2のいずれかである。
同様にz23=(1/2)[-q-i√(Δ/27)]=ae-iαで、
z2はa1/3e-iα/3, a1/3e-iα/3ω, a1/3e-iα/3ω2のいずれかである。
z1z2の9通り考えられる積のうち、z1z2=-p/3=a2/3と実になるのは
・ z1=a1/3eiα/3かつz2=a1/3e-iα/3
・ z1=a1/3eiα/3ωかつz2=a1/3e-iα/3ω2
・ z1=a1/3eiα/3ω2かつz2= a1/3e-iα/3ω
の3つの場合だけで、いずれの場合もz2=z1。
演習問題7
Δ=13068=22·33·112>0より、定理1.3.1から実根は3つ。
Cardanoの公式からz13=2+11i。
これをGauss整数として素因数分解すると2+11i=(2+i)3。
したがってz1=2+iとして根は
y1=z1+z1=(2+i)+(2-i)=4,
y2=z1ω+z1ω2=(2+i)ω+(2-i)ω2=-2-√3
y3=z1ω2+z1ω=(2+i)ω2+(2-i)ω=-2+√3。
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