演習問題1
<x,y>がF[x,y]の自明でないPID、すなわちあるp∈F[x,y]が存在して
<p>=<x,y>⊂F[x,y]と仮定する。
このとき任意のg,h∈F[x,y]について、
あるq∈F[x,y]が存在してxg+yh=pqと因数分解される。
系A.5.7により、F[x,y]はUFDであるから、
この因数分解は単数を除き一意である。
すると、多項式としてx≠yで、x,yはF[x,y]において規約だから、
gとhがpを共通因数としてもつので、
単数をu1,v1∈Fとしてg=u1pg1, h=v1ph1 (g1,h1∈F[x,y])が
任意のg,hについて成り立ち、
(2.1)式よりdeg(g1)=deg(g)-deg(p), deg(h1)=deg(h)-deg(p)。
いまdeg(p)>0とすると、deg(g)>deg(g1), deg(h)>deg(h1)である。
g1,h1∈F[x,y]だから、あるq1∈F[x,y]が存在してxg1+yh1=pq1。
単数をu2,v2∈Fとしてg1=u2pg2, h1=v2ph2 (g2,h2∈F[x,y])となり、
deg(g1)>deg(g2), deg(h1)>deg(h2)。
同様に繰り返して、次数の無限降下列deg(g)>deg(g1)>deg(g2)>deg(g3)>...,
deg(h1)>deg(h2)>deg(h3)>deg(h3)>...が存在することになるが、
次数には最小数0が存在するのでこれは不可能。
ゆえにdeg(p)=0でなければならない。
するとpは単数だからp ∈F , <p>=pF[x,y]で、
pp-1=1となるp-1∈F ⊂F[x,y]が存在するから、1∈<p>。
すなわち<p>は自明なイデアルF[x,y]に一致するから、
<p>⊂F[x,y]と矛盾する。
以上により<x,y>はF[x,y]のPIDではない。
演習問題2
(a)
yの降冪順に書いて7x3y3+3y2+x2y+3x
(b)
yの降冪順に書いて
y3-2(x1+x2+x3) y2+[(x1+x2)(x1+x3)+(x1+x2)(x2+x3)+(x1+x3)(x2+x3)] y
+(x1+x2)(x1+x3)(x2+x3)
演習問題3
(a)
命題2.1.4の証明での選び方からσrの項の数は、
(x-x1), (x-x2),... ,(x-xn)のn個の因子から、n-r個のxを選び出す場合の数だから、
項の数はnCn-r=nCr。
(b)
(a)により、σr(-α, -α,..., -α)はnCr個の(-α)rの和だから、
σr(-α, -α,..., -α)= (-1)rnCrαr
(c)
命題2.1.4の(2.4)式において求値写像
f(x1, x2,..., xn, x)→f(-α, -α,..., -α, x)を作用させているので、
系2.1.5において (b)によりar=(-1)r(-1)rnCrαr=nCrαr
したがって(x+α)n=∑0≤m≤n nCrαrxn-rとなり二項定理となる。
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