2011-05-11

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第46章練習問題

46.1
ねじれ点集合がt点からなり、もう一つ整数点Qが見つかったとすると、
Qの対称点Rと、QPiEの交点Qi(i=1,2,...t)およびその対称点Ri(i=1,2,...t)
見出されるので、元のねじれ点集合から、全部で2t+2=2(t+1)点が追加される。
これで点の数はt+2(t+1)t (mod t+1)

さらにQi同士からさらに点を(2t+2)(2t+3)/2=(t+1)(2t+3)個得ることができ、
追加される点の数は(t+1)の倍数である。
これで点の数はaを整数としてt+a(t+1)t (mod t+1)

新しく追加された各整数点や、直線と楕円曲線の交点を求める手続き以外の
手続きで見出された整数点があっても、同様にして常に
2+2[t+a(t+1)]=2(t+1)(a+1)個の点が新しく得られ、mod t+1での点の数は変わらない。
よって常にNp= t+a(t+1)t (mod t+1)の形である。

とてもナイーブにやるとこんな感じかと思うが、
交点に重複する点がないかどうか等が考慮されていないので、
かなり穴だらけである。46章の記述自体が、たぶん本当はもっとややこしい話を、
本質的な点だけできるだけ簡単に記述しようとしているのだと思うので、
致し方ないところか。

46.2
(a)
N2=2mod 2での解は(0,0), (1,0)
N3=3mod 3での解は(0,0), (1,0), (2,0)
N5=7mod 5での解は(0,0), (1,0), (2,1), (2,4), (3,2), (3,3), (4,0)
N7=7mod 7での解は(0,0), (1,0), (4,2), (4,5), (5,1), (5,6), (6,0)
N11=11mod 11での解は
(0,0), (1,0), (4,4), (4,7), (6,1), (6,10), (8,3), (8,8), (9,4), (9,7), (10,0)

(1,0)(-1,0)が同じ点となるp=2以外は、Np≡3 (mod 4)

(b)
p393の手続きが不完全で、例えばQP1からは
y=12だけでなくy=-12≡5 (mod 17)も得られる。
すなわち、ねじれ点の個数tに対し、一つの整数解Qからは2t個の点が
得られる。さらに、Qの対称点(0,-4)があるので、
結局t個のねじれ点からはQQの対称点・およびQPi(i=1,2,...t)から出る2t個の、
1+1+2t=2(t+1)個の点が得られる。
この問題の場合はt=3だから、4個ではなく8個のかたまりになる。

(0,0),(1,0),(10,0)と整数解x=4(解は(4,4)(4,7))との間で
p393の手続きを行うと、(0,0)(4,4)を結ぶ直線y=xからx=8,
(1,0)(4,4)を結ぶ直線y=5x+6からx=9,
(10,0)(4,4)を結ぶ直線y=3x+3からx=6
を得るので、6個の新たな解(8,3), (8,8), (9,4), (9,7), (6,1), (6,10)を得る。

46.3
(a)
(i) 判別式Δ=-147=-3·72なので悪い素数は3,7
(ii) 判別式Δ=-540=-22·33·5なので悪い素数は2,3,5
(iii) 判別式Δ=-231=-3·7·11なので悪い素数は3,7,11

(b)
(i) a3=1, a7=1
(ii) a2=0, a3=0, a7=-2
(iii) a3=-1, a7=1, a11=1

(c)
全てではないが多くの場合にap=-1,0,1であることは見て取れるが・・・。

46.4
(a)
判別式Δ=-27p2なのでpは悪い素数。
練習問題45.2(c)と全く同様に、Np=pであることが証明できるので、
ap=p-Np=0

(b)
判別式Δ=-(4+27p)pなのでpは悪い素数。
a2=0, a3=a5=a7=a11=1
奇素数pに対してap=1と予想される。
実際に解を調べると、(x,y)
 (0,0)
・ (p-1,0)
・ x=[(1でないpの平方剰余)-1]に対するy2つずつ
となっている。

y2x3+x2=x2(x+1)(mod p)だから、0x<pでの解は以下のとおりである:
(i) x+1≡0 (mod p)すなわち(x,y)=(p-1,0)
(ii) x=0すなわちx+1=1, (x,y)=(0,0)
(iii) ある整数2 x+1p-1に対しx+1mod p0でない平方剰余なら、
このx+1について解が2個。
必ず平方剰余となるx+1=1(ii)で除外されているから、
平方剰余となるx+1(p-1)/2-1個ある。
以上により、Np=2+2[(p-1)/2-1]=p-1。よってap=p-Np=1

(c)
判別式Δ=-(-4+27p)pなのでpは悪い素数。
a2=0, a5=a13=a17=1, a3=a7=a11=a19=-1
奇素数pに対して、p≡1 (mod 4)ならap=1
p≡3 (mod 4)ならap=-1と予想される。
実際に解を調べると、(x,y)
・ (0,0)
・ (1,0)
 x=[(-1でないpの平方剰余)+1]に対するy2つずつ
となっている。

y2x3-x2=x2(x-1)(mod p)だから、0x<pでの解は以下のとおりである:
(i) x-1=0すなわち(x,y)=(1,0)
(ii) x=0すなわちx-1≡-1 (mod p), (x,y)=(0,0)
(iii) ある整数1 x-1p-2に対しx-1mod p0でない平方剰余なら、
このx-1について解が2個。
p≡1 (mod 4)なら定理24.2(平方剰余の第1補充法則)により、
平方剰余となるx-1= p-1(ii)で除外されているから、
平方剰余となるx-1(p-1)/2-1個ある。
また、p≡3 (mod 4)なら平方剰余となるx-1(p-1)/2個ある。

以上により、p≡1 (mod 4)ならNp=2+2[(p-1)/2-1]=p-1。よってap=p-Np=1
p≡3 (mod 4)ならNp=2+2[(p-1)/2]= p+1。よってap=p-Np=-1

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