演習問題1
(a)
和の中の各項は、d+1個のx-bj (j=0,1,...,d)のうちi番目を除いたものの積だから、
xの降冪順に並べた先頭項はcixd∏j≠i (bi-bj)-1。
∑i ci∏j≠i (bi-bj)-1≠0ならdeg(g)=d,
∑i ci∏j≠i (bi-bj)-1=0ならdeg(g)<dなのでdeg(g)≤d。
d=2のとき例えばb0=1, b1=3, b2=2, c0=1, c1=-1, c2=0とすれば、
g(x)=-x+2でdeg(g)=1<2。
(b)
g(bi)の和の各項において、i番目の項以外は、
分子にbi-bi=0の因子を含むから消える。
したがって、g(bi)= ci∏j≠i (bi-bj)/(bi-bj)=ci。
(c)
f=h-gを考えると、deg(f)≤dなので、系A.1.16により
f≠0ならfの異なる根の数は高々d個。
ところがf(bi)=0より、
fはd+1個の異なるbi (i=0,1,...,d)を解に持つから、
f=0でなければならない。したがってh=g。
演習問題2
(a)
(問題文に書いてないがp99というか命題4.2.5準拠で
pは素数、なんだろう。)
f(x)=∑0≤i≤n aixi, F(x)=∑0≤j≤deg(F) Ajxj (Aj∈ℤ)とし、
j>deg(F)に対しAj=0とする。
deg(F)<nならan=1なのでdeg(f)=n,
deg(F)=nならan=1+pAn≣1 (mod p)なのでan ≠0よりdeg(f)=n
いずれにせよdeg(f)=nである。
F(a)≢0 (mod p)だから、Fは0ではない。
n=1のときは明らかに既約である。
n=2のときは、fがℚ上可約とするとℚ上完全分解するから、
fはℚに根を持つ。
f=(1+pA2)x2+(-2a+pA1)x+a2+pA0=0
を解いて根はx=(2a-pA1±√Δ)/[2(1+pA2)]、
ただしΔ=p2A12-4p2A0A2-4pF(a)∈ℤである。
p∤F(a)により、p2A12-4p2A0A2-4pF(a)≣0(mod p)かつ
p2A12-4p2A0A2-4pF(a)≢0 (mod p2)だから、
Δは素因数pを1つしか含まないので、Δは平方数ではない。
すなわち√Δは無理数だから、根はℚの元ではない。
したがって任意のp∤F(a), deg(F) ≤2なるFについてfはℚ上既約。
数学的帰納法に持っていけない・・・もっと簡単な話なのかな。
命題A.3.1もあまり使えなさそうだし・・・。
演習問題3
...
演習問題4
(a)
Maximaで計算してℚ上既約。
(b)
Maximaで計算してℚ上既約。
Maximaで計算するとℚ(∛2)上では可約で、
[3x2+(-22/3+21/3+2)x+22/3-21/3+1]
×[3x4+(22/3-21/3+4)x3+(21/3+4)x2+(-22/3-21/3)x+21/3+1]/3
演習問題5
(a)
(x-1)(x+1)(x2+1)(x2-x+1)(x2+x+1)(x4+1)(x4-x2+1)(x8-x4+1)
(b)
ζ2412=-1だから、ζ24はx24-1の因子である(x4+1)(x8-x4+1)=x12+1の根である。
ζ244≠-1, ζ248-ζ244+1=0で、x8-x4+1は(Maximaで計算すると) ℚ上既約だから、
命題4.1.5によりx8-x4+1はζ24の、ℚ上の最小多項式。
演習問題6
fが1次式なら既約。
補題A.1.19により、fが2次式か3次式なら、
Fの有限個の各要素を直接fに代入して根が存在すれば可約、
根が存在しなければ既約である。このプロセスは有限回で終了する。
より高次のfについては、Fの各要素を係数に持つ、
次数がdeg(f)より小さい多項式は有限個だから、
それらの多項式で割って、fを整除する多項式が存在すれば可約、
存在しなければ既約である。なお割る多項式が1次式なら、
その1次式の根を代入して0になれば整徐でき、ならなければ整徐できない。
また2次か3次なら、
先に上の2次式または3次式の場合の判定を使って、
既約となった多項式だけで割ればよい。
このプロセスは有限回で終了する。
以上によりF上の多項式が既約かどうかを判定するアルゴリズムが得られる。
もちろんド下手クソな方法だろうがw
演習問題7
(a)
f=x3+x+1とする。
3次式なので演習問題6により、{0,1,2,3,4}の各要素を直接代入して、
根があるかどうかを探せばよい。
f(0)=1, f(1)=3, f(2)=1, f(3)=1, f(4)=4なので、
fはF5に根を持たないからF5上既約。
(b)
g=x4+x+1とする。
4次式なので演習問題6により、
F2[x]の元である既約な3次以下の多項式で整徐できるかどうかを確かめる。
既約な3次以下の多項式は
x, x+1, x2+x+1, x3+x+1, x3+x2+1だけである。
これらはすべてgを割らないので、gはF2上既約。
演習問題8
Schönemann-Eisenstein判定法を用いると、
aの素因数pについてp∤an=1, p|an-1=0, ..., p|a1=0, p|a0=a, p2∤a0だから、
ℚ上既約である。したがってn√a∈ℝはℚの元でないから無理数。
演習問題9
f=0の根がFに存在したとすれば、互いに素なg,h∈k[t]が存在して
(g/h)p=tである。これよりgp=thpだからtはgpを割る。
kは体なので系A.5.7によりk[t]はUFD。
t∈k[t]は一次式なのでk[t]において既約だから、tはk[t]の素元である。
したがって、tはgを割らなければならないので、g=tg1, g1∈k[t]とおける。
ここでg1はhと素である。
これよりtpg1p=thpだからhp=tp-1g1pだから、tがhを割らなければならない。
これはg,hが互いに素であることに反する。
したがって、fはFに根を持たないから、fは既約。