2011-05-14

コックス「ガロワ理論」 1.2節の演習問題


演習問題1
(a)
3次分解方程式(1.9)z3についての2次方程式とみなすと、
解はz3=[-q±√(q2+4p3/27)]/2。復号が正の方がz13
負の方が z23と一致する。
これらの3乗根を取ることにより(1.9)の根として
z1, z2, ωz1, ωz2, ω2z1, ω2z26根を得る。

(b)
z1, z2の式を得たのと同様に、(1.8)を代入して
ω3=1ω2+ω+1=0を用いるだけ。

演習問題2
z1-ωz2=(1/3)(1-ω)(x1-x3)
ここで1-ω=(3-i√3)/2=i√3(-1- i√3)/2= i√3ω2より、
z1-ωz2=(2/√3)(x1-x3)
同様にz1-ω2z2=(1/3)(1-ω2)(x1-x2)1-ω2=-i√3ωより、
z1-ωz2=(-/√3)(x1-x2)

演習問題3
(1.19)(1.17)に代入して普通に展開するだけ。

演習問題4
Δ=0なら、(1.18)においてz1=z2=-3√(-q/2)だから、
Cardanoの公式においてy2=y3=z1(ω+ω2)=-z1となり、重解となる。

逆にCardanoの公式において例えばy1=y2の場合、
z1+z2=ωz1+ω2z2より(1-ω) z1=-(1-ω2) z2
演習問題2により1-ω=i√3ω21-ω2=-i√3ωなので代入して、
i√3ω2z1=i√3ωz2よりωz1=z2。両辺を3乗するとz13=z23
(1.18)を代入して整理すれば√(-Δ/27)=0となりΔ=0を得る。
y1=y3の場合はz1=ωz2y2=y3の場合はz1=z2となり、
y1=y2の場合と同様にΔ=0

演習問題5
対称群S3の偶置換(1)(123)(132)の作用のもとで、
(1)(√Δ)=√Δ
(123)(√Δ)=(x2-x3)(x2-x1)(x3-x1)=(x1-x2)(x1-x3)(x2-x3)=√Δ
(132)(√Δ)=(x3-x1)(x3-x2)(x1-x2)=(x1-x2)(x1-x3)(x2-x3)=√Δ
奇置換(12)(13)(23)の作用のもとで、
(12)(√Δ)=(x2-x1)(x2-x3)(x1-x3)=-(x1-x2)(x1-x3)(x2-x3)=-√Δ
(13)(√Δ)=(x3-x2)(x3-x1)(x2-x1)=-(x1-x2)(x1-x3)(x2-x3)=-√Δ
(23)(√Δ)=(x1-x3)(x1-x2)(x3-x2)=-(x1-x2)(x1-x3)(x2-x3)=-√Δ
以上により、根の偶置換はΔΔに写し、奇置換はΔ-√Δに写す。

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