2011-05-15

コックス「ガロワ理論」 1.3節の演習問題2


演習問題8
三角関数の加法定理
sin(x+y)=sin x cos y-cos x sin y,
cos(x+y)=cos x cos y-sin x sin yより倍角公式
sin(2θ)=2sinθcosθ, cos(2θ)=cos2θ-sin2θ=2cos2θ-1が得られ、
さらにcos(3θ)=cos(2θ+θ)=(2cos2θ-1)cosθ-2sin2θcosθ
=2cos3θ-cosθ-2(1-cos2θ)cosθ=4cos3θ-3cosθを得る。

演習問題9
Δ=-4p3-27q2においてp=-3/4, q=-cos(3θ)/4なので代入して、
Δ=27sin2(3θ)/16

演習問題10
(a)
仮定によりΔ=-4p3-27q2>0-27q2<0だから-4p3=4(-p)3>0なのでp<0

(b)
t1の項の係数比較により-4p/λ2=3だからλ=2√(-p/3)
これより、さらに定数項を比較してcos(3θ)=-4q/λ3=3√3q/[2p√(-p)]

(c)
-4p3-27q2>0より4(-p)3>27q2>0。正の平方根をとって、
p<0に注意すると2|p|√(-p)>3√3|q|なので|3√3q/[2p√(-p)]|<1

(d)
(c)によりθは実数となるので(b)によりθ=arccos{3√3q/[2p√(-p)]}/3
|cos(3θ)|=|3√3q/[2p√(-p)]|<1だから、cos(3θ)≠±1

(e)
(b)によりλ=2√(-p/3)だから、直ちに定理1.3.3が従う。

演習問題11
(a)
演習問題9によりp=-3/4, q=-cos(3θ)/4, Δ=27sin2(3θ)/16より、
Cardanoの公式に代入して
z1=3√[cos(3θ)/8+i sin(3θ)/8]=(1/2) 3√[cos(3θ)+i sin(3θ)]
同様にz2=(1/2) 3√[cos(3θ)-i sin(3θ)]
ゆえにt1=z1+z2=(1/2) 3√[cos(3θ)+i sin(3θ)]+(1/2) 3√[cos(3θ)-i sin(3θ)]

(b)
cos(3θ)+i sin(3θ)=e3より、
z1=(1/2)3√[cos(3θ)-i sin(3θ)]=(1/2)[cos(3θ)-i sin(3θ)]1/3の一つの値はe/2
同様にz2の一つの値はe-/2だから、t1=z1+z2=(e+e-)/2=cosθ

(c)
ω=e2πi/3, ω2=e-2πi/3だから、Cardanoの公式の残りの2根は
z1ω+z2ω2=(e+2πi/3+e--2πi/3)/2=cos(θ+2π/3)=t2,
z1ω2+z2ω=(e-2πi/3+e-+2πi/3)/2=cos(θ-2π/3)=cos(θ+4π/3)=t3

演習問題12
(a)
普通に与式の右辺を展開して、実部と虚部をそれぞれ比較するだけ。

(b)
4=a3-33ab2=a(a2-33b2)a,b だから、a|4。したがって|a|=1,2,4
同様に1=3a2b-11b3=b(3a2-11b2)a,b だから、b|1すなわちb=±1
これよりb2=1。すると(3a2-11b2)|1より3a2-11b2=3a2-11=±1
a2として可能な値1,4,16のなかでこの式を満たすのは
a2=4すなわちa=±2だけである。
ところがa(a2-33b2)=a(a2-33)=4a=±2は満たさない。
したがって、与式は整数解を持たない

(c)
与えられた根をCardanoの公式と比較して、
-q/2=4, Δ/(4·27)=-p3/27-q2/4=11。これよりq=-8, p=-9

演習問題13
根の一つ、例えばx1が虚根なら、実係数4次方程式
x14+bx13+cx12+dx1+e=0の複素共軛をとれば
x14+bx13+cx12+dx1+e=0となるので、x1も根である。
したがって虚根は常に共軛根と2つ組の根となるので、
4次方程式の相異なる4根の組合せとしてありうるのは
(i) 実根なし、虚根4つ。
(ii) 実根が2つ、虚根2つ。
(iii) 実根4つ、虚根なし。
3つの場合だけである。

(i) 実根なし、虚根4つの場合
s, t, u, v としてx1=s+it, x2=x1=s-it, x3=u+iv, x4=x3=u-iv (t≠0, v≠0)とすると、
(x1-x3)2(x2-x4)2=[s+it-(u+iv)]2[s-it-(u-iv)]2=[(s-u)2+(t-v)2]2>0
(x2-x3)2(x1-x4)2=[s-it-(u+iv)]2[s+it-(u-iv)]2=[(s-u)2+(t+v)2]2>0
(x1-x2)2(x3-x4)2=(2it)2(2iv)2=16t2v2>0
だからΔ>0

(ii) 実根が2つ、虚根2つの場合
x1, x2を異なる実根とし、u, v としてx3=u+iv, x4=x3=u-iv (v≠0)とすると、
(x1-x3)2(x1-x4)2=[x1-(u+iv)]2[x1-(u-iv)]2=[(x1-u)2+v2]2>0
(x2-x3)2(x2-x4)2=[x2-(u+iv)]2[x2-(u-iv)]2=[(x2-u)2+v2]2>0
(x1-x2)2>0
(x3-x4)2=(2iv)2=-4v2<0
だからΔ<0

(iii) 実根4つ、虚根なしの場合。
全ての(xi-xj)2>0 (1i<j4)だからΔ>0

したがって、ちょうど2つの実根を持つのはΔ<0のとき、
かつそのときに限る。

演習問題14
(a)
(1.20)式の判別式においてb=2, c=10, d=-20
代入してΔ=-20960=-25·5·131<0より実根はちょうど一つ。

(b)
(1.2)式よりq=-704/27だから、
z1=3√[352/27+(2/3)√(1310/3)] 2.9988174659594592
z2=3√[352/27-(4/3)√(1310/3)]-0.9633426914714200として(1.8)式から
x1=-b/3+z1+z21.36880810782137263
x2=-b/3+z1ω+z2ω2-1.6844040539106863+3.4313313501976922i
x3=x2-1.6844040539106863-3.4313313501976922i

演習問題15
定理1.3.3においてp=-7, q=3である。
θ=arccos(3√3q/[2p√(-p)])/30.668392376195832599より
cosθ0.784818964430230886,
sinθ0.619725094756263672だから、
cos(θ+2π/3)=-(cosθ+√3sinθ)/2-0.929107157636758191
cos(θ+4π/3)=-(cosθ-√3sinθ)/20.144288193206527304
これより
y1=2√(-p/3)cosθ2.397661540892258654
y2=2√(-p/3)cos(θ+2π/3)-2.838469252397141572
y3=2√(-p/3)cos(θ+4π/3)0.440807711504882918
※これらを与式に代入してみると、小数16桁まで0である。

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