2011-05-20

コックス「ガロワ理論」 3.1節の演習問題1


演習問題1
(a)
gが定数なら、I=<g>=gF[x]で、
gg-1=1となるg-1FF[x]<g>の元だから1<g>= I
すなわちIは自明なイデアルF[x]に一致する

逆にI=<g>=gF[x]=F[x]ならgF[x]の単数だからgは定数。

(b)
hが定数ならF[x]の単数だから、
<f>=<gh>=ghF[x]=gF[x]=<g>=I

逆にI=<f>なら、<g>=I=<f>=<gh>だから、
任意のp1F[x]に対しp2F[x]が存在してgp=ghq
これよりg(p1-hp2)=0F[x]は体だから整域で、
g≠0だからp1=hp2

もしdeg(h)>0ならdeg(p1)>deg(p2)である。
するとp2に対しあるp3F[x]が存在して、
同様にしてp2=hp3, deg(p2)>deg(p3)
以下繰り返して非負整数の無限降下列deg(p1)>deg(p2)>deg(p3)...
が得られることになるがこれは不可能。
したがってdeg(h)=0だからhは定数である。

演習問題2
環準同型φ: FLが存在したとする。
環準同型は乗法の単位元を保つからφ(1F)=1L
φ(a)=0LとなるFの元a0Fが存在したとすると
Fは体なのでa-1Fが存在し、
0L=φ(a)φ(a-1)=φ(aa-1)=φ(1F)=1Lとなり矛盾。
したがってKer(φ)={0F}

するとa,bFに対しφ(a)=φ(b)なら、
0L=φ(a)-φ(b)=φ(a-b)よりa-b=0Fだからa=bとなりφ11
φFからIm(φ)=φ(F)への写像として全単射となり、
したがって同型写像である。
よってFφ(F)

演習問題3
定理A.1.17によりIは単項イデアルだから、
任意のIについてあるgF[x]が存在してI=<g>
すると、任意のaF[x]について定理A.1.14により、
あるqa, raが一意に存在してa= ra+gqa=ra+I

明らかにφ(1)=1+Iだからφは乗法の単位元を保つ。
任意のa,bF[x]について、a=ra+I, b=rb+I
とすれば、a+b=ra+I+rb+I=ra+rb+Iだから
φ(a+b)=ra+rb=φ(a)+φ(b)
またab=(ra+I)(rb+I)=rarb+Iだから、φ(ab)=rarb=φ(a)φ(b)
したがってφは環準同型。

演習問題4
復習した。

0 件のコメント :

コメントを投稿