演習問題1
(a)
lの取り方から、P1とQ1, P2とQ2はともに、
lについて線対称な点の組だから、
lは線分P1Q1および 線分P2Q2の垂直2等分線だから、P1Q1∥P2Q2。
Euclid幾何により平行線の錯角は等しいので∠QQ2P2=∠QP1Q1。
Qがl上になく、lについてP1と同じ側にあると仮定する。
このとき△P1QQ1においてP1Q<Q1Qだから、
Euclid幾何により∠QQ1P1<∠QP1Q1。
また∠QQ1P1+∠QP1Q1=∠Q2QQ1
△P2QQ2においてP2Q< Q2Qだから、
Euclid幾何により∠QQ2P2<∠QP2Q2。
また∠QQ2P2+∠QP2Q2=∠Q2QQ1
以上により
2∠QQ2P2<∠QQ2P2+∠QP2Q2=∠QQ1P1+∠QP1Q1<2∠QP1Q1となり、
∠QQ2P2=∠QP1Q1と矛盾。
QがlについてQ1と同じ側にあると仮定しても同様に矛盾を得る。
したがってQはl上になければならない。
(b)
正方形の底辺はl1に平行なので、
Euclid幾何により平行線の錯角は等しいから、
正方形の底辺とP1Q1のなす角をδとするとδ=β。
よってθ=α+δ=α+β。
(c)
△P1PQ1と△P2PQ1において、
l1はP1P2の垂直2等分線で、Q1はl1上にあるからQ1P1=Q1P2。
P, P2の取り方によりP1P= P2P。PQ1は共通。
故に三辺相等により△P1PQ1≡△P2PQ1だから、
対応する角は等しいのでβ=γ。
(d)
(a)により△P1QQ1はQP1=QQ1なる二等辺三角形だから、
底角は等しいのでα=β+γ。
(e)
(b)(c)(d)の結果から、θ=3β, α=2β=2θ/3。
よって(b)によりδ=β=θ/3。
演習問題2
(a)
半直線OAと半直線OBのなす、
Oを頂点とした∠AOBについて、
Oを固定してBがOA上に移るよう折れば、
折れ目が∠AOBの2等分線である。
また∠AOBについて直線OBを軸に折れば、
半直線OAは直線OBについて線対称な半直線OCに移り、
∠COB=∠AOBとなるから、∠AOC=∠COB+∠AOB=2∠AOB
(b)
(i) θ=π/2s (s∈ℕ)のとき
π/6は作図可能なので、
π/6 に対し(a)の角の2等分法をs-1回繰り返して、
θ/3=π/(2s·3)を得る。
(ii) 0<θ<π/4, θ≠π/2s (s∈ℕ)のとき
π/2s<θ<π/2s-1なるsを取れば、
(a)の倍角法をs-2回繰り返して、
π/4<2s-2θ<π/2となる角2s-2θを得るので、
(10.7)の方法により2s-2θを3等分して2s-2θ/3を得る。
2s-2θ/3に(a)の角の2等分法をs-2回繰り返して、θ/3を得る。
(iii) π/2<θ≤πのとき
(a)の角の2等分法を1回行うとπ/4<θ/2≤π/2で、
(10.7)と(i)によりθ/2は3等分可能だからθ/6が得られる。
(a)の倍角法を1回行い、θ/3を得る。
(iv) π<θ<2πのとき
(a)の角の2等分法を2回行うとπ/4<θ/4<π/2で、
(10.7)によりθ/4は3等分可能だからθ/12が得られる。
(a)の倍角法を2回行い、θ/3を得る。
θ=0の時は自明。
以上により、任意の角0≤θ<2πは3等分可能。
演習問題3
(a)
Q(x,y)とすると、線分PQの長さをd1としてd12=x2+(y-a)2。
またQとl1の距離d2=y+a。
d12=d22より、4ay=x2。
(b)
(a)の放物線の式4ay=x2よりdy/dx|Q=x0/(2a)。
これよりQでの放物線の接線の方程式は、
y-y0= x0(x-x0)/(2a)だから、y切片はy0- x02/(2a)=y0-2y0=-y0。
(c)
(b)の接線の方程式のx切片はx0/2。
ところでP1(0,a), Q1(x0,-a)なので、P1Q1の中点M(x0/2,0)だから、
Mは(b)の接線上にある。
直線P1Q1の傾きは-2a/x0=-[dy/dx|Q]-1だから、
P1Q1は(b)の接線に直交する。
したがって、Q1は(b)の接線についてP1と線対称。
(d)
(a)~(c)と同様に、l1の方程式をy=-a, P1(0,a)とし、
別の直線lについてP1と対称な点Q1がl1上にあるとする。
Q1(x0,-a)とすると、直線P1Q1の傾きは-2a/x0。
またP1Q1の中点M(x0/2,0)とすれば、
lはMを通る傾きx0/(2a)の直線だから、
lの方程式はy= x0(x-x0/2)/(2a)。
P1を焦点、l1を準線とした放物線の方程式は(a)により4ay=x2で、
Q(x0, x02/(4a))とすれば、Qの座標はlの方程式を満たすから、
Qはl上にある。さらにdy/dx|Q=x0/(2a)はlの傾きに一致するので、
lはこの放物線に接する。
演習問題4
(y-a/2)2=2bxの両辺をxで微分することで、
dy/dx=b/(y-a/2)を得るので、(x1, y1)における傾きm=b/(y1-a/2)。
演習問題5
(a)
正方形の紙の頂点を左上から反時計回りにA,B,C,Dとする。
図も参照。
1. 正方形の紙の、AとBが重なるように折って得たx軸上に、
原点と単位長を適当に定める。
すなわちAがADに、BがBCに重なるように、
適当な位置で折って、ABがy軸(直線x=0)に移り、
同様にしてy軸の右にABが直線x=1に移るようにする。
x軸と、y軸および直線x=1の交点O(0,0)と(1,0)がそれぞれ得られる。
2.
演習問題7により放物線p1: (y-1)2=2xの焦点はF1(1/2,1)、
準線はd1: x=-1/2。
(0,0)と(1,0)が重なるように折って直線x=1/2と(1/2,0)を得、
さらにy軸で折って直線x=1/2がx=-1/2に移るのでd1を得る。
3.
BがDに重なるように折って、傾き-1の直線l1が得られる。
l1はAとCを通る。
同様にAがCに重なるように折って、傾き1の直線l2が得られる。
l2はBとDを通る。l1とl2の交点をEとする。
4.
Oがl2に重なり、Eがl1に重なるように折ると、l2は直線y=xに移る。
y=xとx=1の交点(1,1)を得る。
5.
(1,1)と(1,0)が重なるように折ると、x軸は直線y=1に移る。
y=1とx=1/2の交点として、F1(1/2,1)を得る。
6.
演習問題7により放物線p2: y2=x2/2の焦点はF2(1/2,0)、
準線はd2: y=-1/2。
直線y=1がx軸と重なるように折って直線y=1/2を得、
この直線とy軸との交点としてF2(0,1/2)を得る。
さらにx軸で折ると、y=1/2はy=-1/2へ移るのでd2を得る。
図は下の通り。実際に折ってみないとなかなかわからんな。
(b)
折り紙しながら探すと、上の図の青い線y=mx+bが得られる。
mの方程式m3+2m+1=0の判別式Δは、xの1次の係数2が正なので、
1.3節演習問題2によりΔ<0だから、実根は1つ。
したがってmの可能な値は唯一つしかない。
(10.10)(10.11)からy切片bも唯一つ求まるから、
p1, p2の同時接線は唯一つ。
(c)
下の図からm<0。直線y=bとx=1の交点(1,b)と、
x=1とy=mx+bの交点(1,m+b)の距離が|m|である。
y=bがx軸と一致するように折って直線y=b/2を得、
(1,m+b)は(1, |m|)に移る。
直線y=|m|とy=xの交点(|m|,|m|)、
さらに直線x=|m|とx軸の交点(|m|,0)が容易に得られ、
y軸で折れば(|m|,0)は(m,0)に移る。
演習問題6
lによってα1, α2がβ1, β2に移るとする。
α1, α2,β1, β2のつくる四角形は、
lを対称軸とした等脚台形。
配置によってα1, α2を結ぶ線分とβ1, β2を結ぶ線分は、
この等脚台形の2つの対角線または平行でない対辺だが、
いずれにせよ長さは等しいから、|α1-α2|=|β1-β2|。
β1はl1上、 β2はl2上の点でl1∥l2だから、
l1とl2の距離をdとすると|β1-β2|≥dなので、
|α1-α2|≥dでなければならない。
演習問題7
(a)
演習問題3(a)から、(x0, y0)を頂点とし、準線がy軸に平行で、
焦点が準線の右にあって準線と焦点の距離が2α>0の放物線の式は
4α(x-x0)=(y-y0)2。準線はx=-α+x0、焦点は(x0+α, y0)。
(y-a/2)2=2bxにおいてはx0=0, y0=a/2, α=b/2だから準線はx=-b/2、焦点は(b/2, a/2)。
(b)
問題文の焦点の座標は(0,1/2)の誤植。
演習問題3(a)から、(x0, y0)を頂点とし、準線がx軸に平行で、
焦点が準線の上にあって準線と焦点の距離が2α>0の放物線の式は
4α(y-y0)=(x-x0)2。準線はy=-α+ y0、焦点は(x0, y0+α)。
y=x2/2においてはx0=y0=0, α=1/2だから準線はy=-1/2、焦点は(0,1/2)。
演習問題8
αの最小多項式をf∈ℚ[x]とすると、fは命題4.1.5によりℚ上既約。
ℚは標数0だから命題5.3.7によりfは分離的。
Lはfの分解体だから定理7.1.1によりℚ⊂LはGalois拡大なので、
定理7.1.5により|Gal(L/ℚ)|=[L:ℚ]。またα∈L。
|Gal(L/ℚ)|=[L:ℚ]=2a3bなら、定理8.1.8(Burnsideのpnqm定理)により、
Gal(L/ℚ)は可解群だから、GiがGi-1で指数2または3の部分群の列
{e}=Ga+b⊂... ⊂G0=Gal(L/ℚ)が存在する。
ℚ⊂LはGalois拡大だからGalois対応により
ℚ=LG0⊂...⊂LGa+b=Lの体の列を得、
すべての1≤i≤a+bなるiに対し[LGi:LGi-1]は2または3となる。
したがって定理10.3.4によりα∈O。
逆にα∈Oとする。
定理10.3.4によりℚ=L0⊂...⊂Ln⊂ℂの体の列が存在して、
α∈Lnかつ1≤i≤nなるiに対し[Li:Li-1]は2または3。
ℚ⊂LnのGalois閉包をM⊂ℂとし、αの最小多項式をf∈ℚ[x]とすると、
ℚ⊂MはGalois拡大だから定理7.1.1により正規拡大なので、
定義5.2.3とα∈Ln⊂MによりfはM上完全分解する。
fの任意の根をβとし、σ∈Gal(M/ℚ)をσ(α)=βとなるようとる。
先の体の列にσを適用して、共軛体の列
ℚ=σ(ℚ)=σ(L0)⊂...⊂σ(Ln)⊂ℂを得、β∈σ(Ln)かつ、
補題7.2.2により1≤i≤nなるiに対し[σ(Li):
σ(Li-1)]は2または3。
故に定理10.3.4によりβ∈Oだから、
fはO上でも完全分解する。
したがって、fの分解体をLとすればL⊂O。
定理5.4.1(原始元の定理)により、あるγ∈Lが存在してL=ℚ(γ)。
γ∈L⊂Oだから、定理10.3.4から体の列ℚ=F0⊂...⊂Fm⊂ℂ
が存在して、γ∈Fmかつ1≤j≤mなるjに対し[Fj:Fj-1]は2または3。
定理4.3.8(塔定理)から、ある整数α,β≥0 に対し[Fm:ℚ]=2α3βである。
ℚ⊂L=ℚ(γ)⊂Fmだから、定理4.3.8(塔定理)により[L:ℚ]|[Fm:ℚ]なので、
ある整数a≤α, b≤βについて、[L:ℚ]=2a3bである。
演習問題9
fが分離的なら、fの分解体をLとすると、
命題6.3.1により、Gal(L/ℚ)はS4の部分群と同型だから、
定理A.1.1(Lagrangeの定理)により|Gal(L/ℚ)|は|S4|=4!=23·3を割るので、
|Gal(L/ℚ)|=2a3b(0≤a≤3, 0≤b≤1)。
定理7.1.1によりℚ⊂LはGalois拡大なので、
定理7.1.5により[L:ℚ]=|Gal(L/ℚ)|=2a3bとなるから、
定理10.3.6によりfの根は折り紙数。
fが分離的でないときは、命題5.3.8によって重根を除いて、
上の議論を適用すればよい。
0 件のコメント :
コメントを投稿