2011-12-12

コックス「ガロワ理論」 11.2節の演習問題2



演習問題10
(a)
g+<f>, h+<f>Rについて、
φ(g+<f>+h+<f>)=φ(g+h+<f>)=(g+h+<f1>,..., g+h+<fk>)
=(g+<f1>+h+<f1>,..., g+<fk>+h+<fk>)=φ(g+<f>)+φ(h+<f>)
φ((g+<f>)(h+<f>))=φ(gh+<f>)=(gh+<f1>,..., gh+<fk>)
=((g+<f1>)(h+<f1>),...,(g+<fk>)(h+<fk>))=φ(g+<f>)φ(h+<f>)
によりφは環準同型。

(b)
0R1×...×Rk=(0R1+<f1>,..., 0Rk+<fk>)について、
φ(g+<f>)=0R1×...×Rkなら、1ikなるすべてのiについてg<fi>
すなわちg∈⋂1ik<fi>=<f>=0Rだから、Ker(φ)=0Rとなりφ11

(c)
RFp係数のdeg(f)-1次多項式全体からなるから、
dim(R)=deg(f)
同様に1ikなるiについてdim(Ri)=deg(fi)だから、
dim(R1×...×Rk)=deg(f1)+...+deg(fk)=deg(f)=dim(R)

(d)
(a)によりφFp上のベクトル空間の写像としてみたとき線型写像となるから、
線形代数の次元定理と(c)により、
dim(Im(φ))+dim(Ker(φ))=dim(R1×...×Rk)=dim(R)
(b)によりφ11dim(Ker(φ))=0だから、
dim(Im(φ))=dim(R)となるので、φは全射、故に同型。

演習問題11
(a)
g+<f>Ker(T-1R)とすると、
(T-1R)(g)=gp-g+<f>=0R=0+<f>。また明らかに1R, 0RKer(T-1R) である。
g+<f>,h+<f>Ker(T-1R)とすると、
(T-1R)(g+<f>+h+<f>)=(g+h)p-(g+h)+<f>=gp+hp-g-h+<f>=0R
(T-1R)((g+<f>)(h+<f>))=gphp-gh+<f>=gh-gh+<f>=0Rだから、
Ker(T-1R)は環。同様にして、Ker(T'-1R')も環であることが容易に示される。

φ|Ker(T-1R)を考えると、演習問題10によりφは同型だから、
φ|Ker(T-1R)11
1ikなるすべてのiについて<f><fi>だから、
g+<f>Ker(T-1R)とするとgp-g+<fi>=0Ri
故に(T'-1R')(φ|Ker(T-1R)(g+<f>))=(gp-g+<f1>,..., gp-g+<fk>))=(0R1,...,0Rk)=0Rだから、
φ|Ker(T-1R)(g+<f>)Ker(T'-1R')なのでIm(φ|Ker(T-1R))Ker(T'-1R')
φは同型だから、Ker(φ|Ker(T-1R))=0Ker(T-1R)=0R
するとφは線形写像だから、線形代数の次元定理により、
dim(Ker(T'-1R'))=dim(Im(φ))+dim(Ker(φ))=dim(Im(φ))となるので、
Im(φ|Ker(T-1R))=Ker(T'-1R')。故にφ|Ker(T-1R)は全射となるので同型。
したがってKer(T-1R)Ker(T'-1R')

(b)
1ikなるすべてのiについてfiFp上規約だから、
命題3.1.1により<fi>Fp[x]の極大イデアル。
故に定理A.1.12によりRi=Fp[x]/<fi>は有限体なので、
命題11.1.1、定理11.1.4、系11.1.3、定理11.1.7により、
m>0をある整数としてRiFpのあるGalois拡大Fpmと同型で、
αFpmfkの根なら補題4.1.13によりRiFp[α]Fpm
さらにTi:RiRip乗写像とすると、TiFpmFrobenius自己同型。

(T'-1R')((g+<f1>,..., g+<fk>))=((T1-1R1))(g+<f1>),..., (Tk-1Rk)(g+<fk>)で、
Ker(Ti-1Ri)gp-g+<fk>=0RiなるFp[x]の剰余類g+<fk>Riだから、
Fp[α]においてはβ=g(α)としてβp=Frobp(β)=βである。
故にFrobp(β)は、Ker(Ti-1Ri)と同型なFpmの部分体上恒等だから、
Ker(Ti-1Ri)Fp
よって1ikについてdim(Ker(Ti-1Ri))=dim(Fp)=1だから、
dim(Ker(T'-1R'))=k

(c)
演習問題10(c)によりdim(R1×...×Rk)=deg(f)=n
線形代数の次元定理と(b)により、
n=dim(R1×...×Rk)=dim(Im(T'-1R'))+dim(Ker(T'-1R'))
= dim(Im(T'-1R'))+kだから、dim(Im(T'-1R'))=n-k

演習問題10によりRR1×...×Rk
また(a)によりKer(T-1R)Ker(T'-1R')だから、
dim(Im(T-1R))=n-k。したがってrank(T-1R)=n-k
fが規約ならk=1、可約ならk>1だから、定理11.2.9を得る。

演習問題12
(a)
αFpなら定理11.1.2により(T-1R)(α)=αp-α=0だから、
αKer(T-1R)なのでFpKer(T-1R)
Ker(T-1R)Fp上のベクトル空間だから、FpKer(T-1R)1次元部分空間。

(b)
fは可約なので因数分解f=f1...fkを持つ。
ここでf1,...,fkFp[x]は相異なる規約単多項式でk ≥2
すると演習問題11によりdim(Ker(T-1R)) =k≥2で、
(a)によりFp[x]の定数はKer(T-1R)1次元部分空間だから、
定数でないh+<f >Ker(T-1R), deg(h)<nが存在する。
h+<f >Ker(T-1R)だから(T-1R)(h+<f >)=hp-h+<f >=0R=<f >なので、
hp-h<f >だから、f|hp-h

(c)
定理11.1.2によりFp[x]においてxp-x=aFp (x-a)だから、
xの代わりにhとおけばFp[x]における因数分解
hp-h=aF(h-a)を得る。

(d)
(b)によりfaFp (h-a)の因数だから、
(c)によりf=gcd(f, aFp (h-a))=aFp gcd(f, h-a)

(e)
gcd(f,h-a)|h-aだから、0<deg(gcd(f,h-a))deg(h-a)<n=deg(f)となり、
故にfgcd(f,h-a))
さらにgcd(f,h-a)|fにより、fgcd(f,h-a)だから、
gcd(f,h-a)は定数でない、次数がnより小さいfの因子。

演習問題13
(a)
F2[x]においてf'=1だから、gcd(f,f')=1なので、
命題5.3.2によりfは分離的。

fが因数分解f=f1...fkを持つとする。
ここでf1,...,fkFp[x]は相異なる規約単多項式。
演習問題11によりk=deg(f)-rank(T-1R)=6-rank(T-1R)である。

T2乗写像で、例11.2.10と同様に、
R=F2[x]/<f>の基底1,x,x2, x3, x4, x52乗はそれぞれ、
1, x2, x4, x4+x+1, x4+x3+x2+x+1, x5+x3+x2+x+1だから、
11.2.10と同様に行列を計算し、Maximaコマンド
T_1R:matrix([0,0,0,1,1,1],[0,1,0,1,1,1],[0,1,1,0,1,1],
[0,0,0,1,1,1],[0,0,1,1,0,0],[0,0,0,0,0,0]);
rank(T_1R),modulus:2;
を用いてrank(T-1R)=3を得るので、k=6-3=3
したがって、fF2[x]3つの既約多項式の積。

(b)
Maximaコマンド
h:x^2+x^3+x^5;
g1:gcd(f,h),modulus:2;
g2:gcd(f,h+1),modulus:2;
によりg1=gcd(f,h)=x3+x+1, g2=gcd(f,h+1)=x3+1となり、
g1g2=x6+x4+x+1=fとなる。

(c)
例えばh'=(0,0,0,0,1,1)hと直交はしない)。
Maximaコマンド
h2:x^4+x^5;
gcd(g1,h2),modulus:2;
gcd(g2,h2),modulus:2;
を用いて、gcd(g1,h')=1, gcd(g2,h'+1)=x+1

(d)
(c)によりg2は可約でg2=(x+1)(x2+x+1)
A.5.7によりF2[x]UFDで、
(a)によりfF2[x]3つの既約多項式の積だとわかっているから、
fの因数分解は(x+1)(x2+x+1)(x3+x+1)の一通りしかなく、
各因数はF2[x]の既約多項式である。

演習問題14
(a)
Fpnの真部分体の原始元はFpnを生成しないので、
Fpnの原始元の数Pnは、|Fpn|=pnから真部分体の原始元を除いた数である。
11.1.8により、FpmFpnの部分体であることはm|nと同値だから、
Pn=pn-m|n, mn Pmとなり、これよりpn=m|n Pmを得る。

(b)
Möbiusの反転公式を普通に適用するだけ。

(c)
(b)と定理11.2.4からnNn=Pn
Fpnの原始元はFp[x]Nn個のn次既約単多項式の根だからである。、

演習問題15
(a)
Fpn*は命題A.5.3により巡回群に同型で、
命題11.1.1により|Fpn*|=pn-1
したがって9.1節演習問題10により、
Fpnの原始根、すなわちFpn*の生成元の個数はφ(pn-1)

(b)
Fpnの原始根の任意の1つをααFp上の最小多項式をfとする。
αFpn*=Fpn{0}Fpnだから、
定理11.1.2によりαxpn-1-1の根で、
命題11.2.1によりf|(xpn-1-1)かつm=deg(f)|n

m<nなら、命題11.2.1によりfFpmに根を持つ。
FpFpmGalois拡大だから正規拡大なので、
fFpm上完全分解するから、αFpm*となり、αFpn*の生成元でない。
故にm=deg(f)=nである。

(c)
命題A.5.3o(α)=pn-1により、Fpn*=<α>(/pn)*だから、
定理11.2.7においてm=n, d=pn-1。したがって、
Φpn-1n次既約多項式のすべての積。

演習問題16
fF2上既約なら命題11.2.1によりf|(xpr-x)

逆にf|(xpr-x)とすると、定理11.1.2によりfF2r上完全分解する。
う~ん...

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