演習問題1
(12.2)の多項式は全て相異なるからθ(x)は分離的。
また(12.2)はσ·fによって得られる有理関数を全て尽くしているから、
θ(x)はSnの作用によって不変。
したがって(12.1)によりθ(x)の係数はGal(L/K)の固定体に入るからθ(x)∈K[x]。
gをx=fを根に持つθ(x)の規約因子とすると、
補題4.1.3、命題4.1.5によりg|θ(x)。
命題6.1.4により、すべてのσ∈Gal(L/K)に対しσ(f)もgの根だから、
gは(12.2)のすべての多項式を根に持つので、θ(x)|g。
したがってθ(x)とgは、K[x]の単数因子の違いしかないから、θ(x)はK上既約。
演習問題2
Maximaコマンド
omega:(-1+sqrt(3)*%i)/2;
z1:(x1+omega^2*x2+omega*x3)/3;
z2:(x1+omega^2*x3+omega*x2)/3;
theta:(z-z1)*(z-z2)*(z-omega*z1)*(z-omega*z2)
*(z-omega^2*z1)*(z-omega^2*z2);
expand(elem([3],theta,[x1,x2,x3])),elem:2;
により、
θ(x)=z6+(-2σ13/27+σ1σ2/3-σ3)z3+(σ16-9σ14σ2+27σ12σ22-27σ23)/272
整理してθ(x)=z6+qz3+(σ12-3σ2)3/272=z6+qz3-p3/27。
演習問題3
(a)
Maximaコマンド
y1:x1*x2+x3*x4;
y2:x1*x3+x2*x4;
y3:x1*x4+x2*x3;
theta:(y-y1)*(y-y2)*(y-y3);
expand(elem([4],theta,[x1,x2,x3,x4])),elem:2;
により例12.1.3の分解式を得る。
(b)
明らかに(12),(1324) ∈H(y1)で、定理12.1.4により|H(y1)|=8。
σ=(1324),τ=(12)とすると、o(σ)=4,o(τ)=2で、
<(12),(1324)>={(1), τ,
σ,σ2=(12)(34), σ3=σ-1=(1423),
(14)(23)=στ=τσ3,
(34)=σ2τ=τσ2,
(13)(24)=τσ=σ3τ}で尽くされ、
|<(12),(1324)>|=8だから、H(y1)=<(12),(1324)>。
(c)
例えば(12)∈H(y1) , (23)∈S4について、(23)(12)(23)-1=(13)∉H(y1)だから、
H(y1)はS4の正規部分群ではない。
(d)
(b)により、すべてのr∈<σ>に対し、τrτ=r-1だから、
H(y1)は2面体群で、|H(y1)|=8よりH(y1)≃D8。
演習問題4
x4-σ1x3=-σ2x2+σ3x-σ4
(1),
yx2+(-σ1x+y)2/4=(y+σ12/4)x2-σ1yx/2+y2/4 (2)とする。
(1)の左辺にの(2)の左辺を足すと、x4+(-σ1x+y)x2+(-σ1x+y)2/4=(x-σ1x+y)2となり、
(12.9)の左辺を得る。
(12.9)の右辺は(1)の右辺にの(2)の右辺を足しただけ。
A=y+σ12/4-σ2, B=-σ1y/2+σ3,
C=
y2/4-σ4なので、普通に計算して
4AC-B2=(12.10)の左辺となる。
演習問題5
(a)
α=(-σ1y/2+σ3)/[2√(y+σ12/4-σ2)]とする。
複号の+を選んだ(12.11)の根をxi,xjとすると、
根と係数の関係からxixj=y/2-α。
複号の-を選んだ(12.11)の根をxk,xlとすると、
同様にxkxl=y/2+αだから、xixj+xkxl=y。
(b)
(12.11)の根と係数の関係から、xi+xj=σ1/2+t1/2=x1+x2だから、
(12.11)の複号の+を選んだ時の(12.11)の根はx1,x2。
同様に、(12.11)の複号の-を選んだ時の(12.11)の根はx3,x4。
演習問題6
y1,y2,y3の任意の置換に対し(12.13)は対称だから、
(12.13)のtの冪の係数はKに入る。
演習問題7
(12.15)より例えば、
σ1+t1+t2+t3=4x1なので、x1=(σ1+t1+t2+t3)/4。他の根も同様。
演習問題8
(a)
t1=x1+x2-x3-x4, t2=x1-x2+x3-x4, t3=x1-x2-x3+x4に互換を作用させると、
(12)·t1=(34)·t1=t1,
(23)·t1=-(13)·t1=t2,
(24)·t1=-(14)·t1=t3,
(13)·t2=(24)·t2=t3,
(23)·t2=-(14)·t2=t1,
(34)·t2=-(12)·t2=t3,
(14)·t3=(23)·t3=t3,
(24)·t3=-(13)·t3=t1,
(34)·t3=-(12)·t3=t2なので、任意の互換は1つを固定し、
他の2つを交換し、交換によって1つの符号が変わるときは、
他方の符号も変わるから、t1t2t3は任意の互換の作用に対し不変。
S4はすべての互換によって生成されるから、
S4の作用に対しt1t2t3は不変。
(b)
(12.15)によりMaximaコマンド、
t1:x1+x2-x3-x4;
t2:x1-x2+x3-x4;
t3:x1-x2-x3+x4;
elem([4],t1*t2*t3,[x1,x2,x3,x4]),elem:2;
を用いてt1t2t3=σ13-4σ1σ2+8σ3なので(12.16)を得る。
演習問題9
(a)
K⊂Lは定理6.4.1によりGalois拡大だから、
H⊂Gal(L/K)≃Snの固定体LHが存在してK⊂LH⊂L。
K⊂LはGalois拡大なので有限次分離拡大だから、
K⊂LHも有限次分離拡大なので、
定理5.4.1(原始元の定理)によりLH=K(f)となるf∈LHが存在する。
したがってHのすべての元の作用に対しfは不変だからH⊂H(f)。
H(f)はGal(L/K)の部分群だから固定体LH(f)が存在し、
Hの作用に対しfは固定されるからLH⊂LH(f)。
したがってGalois対応によりH(f)⊂H。よってH=H(f)。
(b)
σ∈HならσH=Hだから、
σ·f=σ·∑τ∈H τ·m=∑τ∈σH τ·m=∑τ∈H τ·m=fだからσ∈H(f)なのでH⊂H(f)。
σ∉Hなら、σHはσによって定まる左剰余類だから、σH⋂H=∅。
a1,...,anはすべて異なるから、σ·f=∑τ∈σH τ·mはfに含まれない項を含む。
したがってσ·f≠fとなり、σH⋂H(f)=∅。
よってH(f)はHの元のみを含むのでH(f)⊂HだからH=H(f)。
演習問題10
明らかにe∈Nで、σ∈Nとすると、
fi=e·fi=(σ-1σ)·fi=σ-1·(σ·fi )=σ-1·fi)だからσ-1∈N。
σ,τ∈Nとすると、すべてのi=1,...,rに対しσ·fi=τ·fi =fiだから、
(στ)·fi=σ·(τ·fi )=σ·fi=fiなので、στ∈N。よってNはSnの部分群。
演習問題11
定理12.1.10の証明と全く同様である。
命題8.4.6を使う所でN={e}のみであること、
fiの偶置換のされ方がr!/2通りである点が異なるが、
証明の論理に影響しない。
演習問題12
(a)
θ(x)はg∈Lの分解式だから、σ∈Snに対し、
σ·gにより得られるすべての相異なる有理式g1=g,...,gsを根に持ち、
θ(x)はσの作用に対し不変。
Snσ=Snだから、あるgjに対し、g=τ·gjとなるτ∈Snが存在する。
あるjについてdeg(Rj)=1,
Rj∈K(√Δ)[x]ならθ(x)は根gj∈K(√Δ)を持つ。
θ(x)=τ·θ(x)で、x-gj∈K(√Δ)[x]はx-gに移るから、
g∈K(√Δ)となるので、g∉K(√Δ)の仮定に反する。
故にdeg(Rj)≥2。
(b)
K⊂K(√Δ)⊂M⊂LなのでGalois対応により、
Hj≃Gal(L/M)⊂Gal(L/K(√Δ))=An。
RjはK(√Δ) 上規約であることと、定理7.3.1を用いて、
deg(Rj)=[M:K(√Δ)]=[Gal(L/K(√Δ)):Gal(L/M)]=[An:Hj]。
(c)
(b)によりn>deg(Rj)=[An:Hj]だから、
Hjはnより小さい指数のAnの部分群。
gj∉K(√Δ)だからK(√Δ)⊊MなのでHj⊊Anである。
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