2011-12-11

コックス「ガロワ理論」 11.2節の演習問題1



演習問題1
Fは有限体なので、命題11.1.1によりある素数pについて
FpFfF上規約だから、その部分体Fpでも規約。
したがって命題11.2.1によりfは分離的。

演習問題2
(a)
定理11.2.2n=3とおけばN1+3N3=p3
N1=pだからN3=(p3-p)/3
また定理11.2.2n=4とおけばN1+2N2+4N4=p4
N1=p, 2N2=p2-pからN3=(p4-p2)/4

(b)
pn=4, すなわちp=2,n=2のとき、(11.7)においてm=1,2
N1={x,x+1}である。N2の元はF2上の2次の規約単多項式。
x2+ax+bF2[x]ならa,b=0または1だから、
全ての組について探すとN2={x2+x+1}
したがって、x4-x=x(x+1)(x2+x+1)

pn=8, すなわちp=2,n=3のとき、(11.7)においてm=1,3
N3の元はF2上の3次の規約単多項式で、
上と同様にしてN3={ x3+x+1, x3+x2+1}だから、
x8-x= x(x+1)(x3+x+1)(x3+x2+1)

演習問題3
N6=(μ(1)p6+μ(2)p3+μ(3)p2+μ(6)p)/6=(p6-p3-p2+p)/6
N36=(μ(1)p36+μ(2)p18+μ(3)p12+μ(4)p9+μ(6)p6
+μ(9)p4+μ(12)p3+μ(18)p2+μ(36)p)/36
=(p36-p18-p12+p6)/36

演習問題4
(a)
定理11.1.4によりFpnが存在し、命題11.1.1により[Fpn :Fp]=n
定理11.1.7によりFpFpnGalois拡大だから分離拡大なので、
定理5.4.1(原始元の定理)によりFpn=Fp(α)となるαFpnが存在する。
αFp上の最小多項式はFp上規約で、次数はn
故にNnの元が少なくとも一つ存在するので、Nn>0

(b)
n=1のときはNn=p>0
n≥2とし、nの素因数分解をq1a1...qsasq1,...,qsの中で最小の素数をqminとする。
Möbius函数の絶対値は1または0だから、定理11.2.4Nnの式より
Nn≥(pn-|pn/qmin+pn/qmin-1+...+p|)/n
=[ pn-p(pn/qmin+1)/(p-1)]/n
=(pn+1-pn-pn/qmin+1+p)/[n(p-1)]
n≥2qmin≥2なのでnn/qmin+1だから、p≥2も用いて
Nn>(pn+1-2pn)/[n(p-1)]=pn(p-2)/[n(p-1)]≥0

演習問題5
Fは標数pだから、命題11.1.1によりあるnについて|F|=pnで、
すべての0でないαFFの乗法群F*を作るから、|F*|=pn-1
ある1dpn-1なるdを、αd=1となる最小の冪とすると、
αの冪からなる巡回群<α>について|<α>|=dで、<α>F*の部分群だから、
定理A.1.1Lagrangeの定理)によりd|(pn-1)
gcd(p,pn-1)=1だから、gcd(p,d)=1

演習問題6
(a)
11.2.5によりN4=(p4-p2)/4だからp=2のときN4=3

x4+ax3+bx2+cx+dF2[x]F2上規約とする。
a,b,c,d=0または1だから、全ての組について、
まずx=0,1が根でないものを探す。
d=0ならx=0が根なので可約だからd=1
またa,b,cのうち偶数個が1ならx=1が根なので可約。
すると残るのはx4+x+1, x4+x2+1, x4+x3+1, x4+x3+x2+x+14つ。
ところでN2={x2+x+1}(x2+x+1)2=x4+x2+1だからx4+x2+1は可約。
N4=|N4|=3だから、以上によりN4={x4+x+1, x4+x3+1, x4+x3+x2+x+1}

(b)
素直に展開するだけ。

(c)
αx4+x3+1の根なら、(1/α)4+1/α+1=(α4+α3+1)/α4=0だから、
1/αx4+x+1の根。

演習問題7
g+<f>, h+<f>Ra,bFpとすると、定理11.1.2によりap=a, bp=bなので、
T(a(g+<f>)+b(h+<f>))=T(ag+bh+<f>)=(ag+bh)p+<f>=(ag)p+(bh)p+<f>
=apgp+bphp+<f>=agp+bhp+<f>=aT(g+<f>)+bT(h+<f>)
したがってTFp上の線型写像。

演習問題8
定理11.2.4において、nの素因数分解をq1a1...q1asとする。
Nnの式の和において、μ(m)0でないのは、
mが平方因子を含まないときだけだから、
mq1,...,qsの中の素数の積である。

Möbius函数の定義によりmが偶数個の素数の積の時μ(m)=1,
奇数個の素数の積の時μ(m)=-1だから、(11.10)と定理11.2.4は同値。

演習問題9
...

0 件のコメント :

コメントを投稿