2010-12-04

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第28章練習問題

28.1
なんとか降下法に持っていくんだろうという以外見当もつけられずにいたら、
ユタ大にあった解答を見つけた
ユタ大の講義ではこの28.1だけは難しいチャレンジ問題という位置づけのようで、
28.1だけ解答を載せている

まず、解(x,y,z)が存在して共通の素因数pをもつ場合、
別の解(e,f,c)があってe<xとなる事を示す。
x=apy=bpz=cpとすると、b2=a3p+ac4p3で、p|b2である。
pは素数なのでp|bだからb=dpとおくと、d2p=a3+ac4p2なのでp|a3である。
pは素数なのでp|aだからa=epとおくと、d2=e3p2+ec4p2なのでp|d2である。
pは素数なのでp|dだからd=fpとおくと、f2=e3+ec4となり、
e<xとなる解(e,f,c)が見つかった。

ここで練習問題28.1を証明する。
与式の解が存在すると仮定し、(x,y,z)が与式のxが最小となる解とする。
上のことから、(x,y,z)が共通の素因数を持てばxの最小性に反するから、
(x,y,z)は共通の素因数を持たない。
xが平方数なら、ある数aに対してx=a2とおくと、y2= a2 (a4+z4)なのでa|yとなる。
そこでy=ay'とおけば、y'2= a4+z4が整数解を持つことになるが、
それは指数4に対するFermatの最終定理に反する。
したがってxは平方数でないので、xのある素因数pとある奇数nが存在して、
pn|xだがpn+1|xでない。
pn|xよりpn|y2だがnは奇数だからpn+1|y2となるので、
pn+1|xでないことからp|(x2+z4)である。
p|xなのだから、p|z4となり、pは素数なのでp|zである。
一方、p|y2pは素数なのでp|yである。
したがって(x,y,z)は共通の素因数pをもつが、これは(x,y,z)の取り方に反する。

すなわち、解(x,y,z)が存在したとすると、
xが最小となる解は存在しないが、これは自然数に最小数がある事に反する。
よって解(x,y,z)は存在しない。

x,y,zについて同次でないことで生まれるギャップから攻めて、
降下していく方法もあるのね・・・。

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