30.1
D=A2とすると、x2=1+(Ay)2なので、(1,Ay, x)は規約ピタゴラス数。
定理2.1によりある奇数s,t (s≥t>0)に対しst=1または(s2-t2)/2=1となる。
st=1ならAy=0で、D=A2>0だからy=0。
また(s2-t2)/2=1ならs=2m+1, t=2n+1として
(m-n)(m+n+1)=1/2となるので、そのような自然数m,nは存在しない。
したがって、D=A2≠0なら(x,y)=(1,0)以外の解は存在しない。
30.2
表30.1より最小解は(197,42)で、(197+42√22)k≳106から、k≳3程度。
(197+42√22)3=30580901+6519870√22より、x=30580901。
30.3
定理29.1の証明でのu+v√2=(3+2√2)( s+t√2)の式を、
u+v√11=(10+3√11)( s+t√11)に変えることで全く同様に証明できる。
30.4
(a)
m番目の三角数をbm=m(m+1)/2, n番目の五角数をan=n(3n-1)/2として、
a12= b20=210。
一般にはan=bmすなわちn(3n-1)/2= m(m+1)/2の解を探すのだが、
両辺に何をかけても、最終的には(6n-1)2-3(2m+1)2=-2の形になるので、
x=6n-1, y=2m+1としてx2-3y2=-2の解を求める問題となる。
x2-3y2=-2はx2≡-2≡1 (mod 3)となるので、x2≡1 (mod 3)。
x2-3y2=-2の解(1,1)とx2-3y2=1の解(x1, y1)を用いて解を
(x1+y1√3)(1+√3)から生成できる。
x2-3y2=1の解(x1, y1)は最小解(2,1)を用いて(2+√3)k(k∈ℕ)から
(x1, y1) =(2,1), (7,4), (26,15), (97,56), (362, 209)...
(1,1)を用いて解を生成すると、
(x,y)=(5,3), (19,11), (71, 41), (265, 153), (989, 571)...
x=6n-1, y=2m+1なので、x≡5 (mod 6), y≡1 (mod 2)でなければならないが、
このような解は例えば(x,y)=(5,3), (71, 41), (989, 571)。
(x,y)=(5, 3)からは(n,m)=(1, 1)で自明なa1= b1=1を得る。
(x,y)=(71, 41)からは(n,m)=(12, 20)で先程のa12= b20=210を得る。
(x,y)= (989, 571)からは(n,m)=(165, 285)でa165= b285=40755。
(x1, y1) =(2,1)はx1≡2 (mod 6), y1≡1 (mod 2)を満たし、x1=6i+2, y1=2j+1なら
(x1+y1√3)(2+√3)=12i+6j+7+(6i+4j+4)√3なので、次の(x1, y1)の解は、
x1≡1 (mod 6), y1≡0 (mod 2)。さらにその次の解はx1=6i+1, y1=2jとして
(x1+y1√3)(2+√3)=12i+6j+2+(6i+4j+1)√3なので、再びx1≡2 (mod 6), y1≡1 (mod 2)となり、
このような(x1, y1)は無数に存在する。
x1≡2 (mod 6), y1≡1 (mod 2)なら、x1=6i+2, y1=2j+1とおいて、
(x+y√3)=(x1+y1√3)(1+√3)=[6i+2+(2j+1)√3](1+√3)=6i+6j+5+(6i+2j+3)√3から
x≡5 (mod 6), y≡1 (mod 2)を満たす。したがって(n,m)も無数に存在するので、
三角数かつ五角数となる数は無数に存在する。
(b)
n番目の五角数をan=n(3n-1)/2として、n(3n-1)/2=l2となる数を探す。
整理した3n2-n=2l2の両辺に12をかけて変形すれば
(6n-1)2-6(2l)2=1だから、x=6n-1, y=2lとおいて、
Pell方程式x2-6y2=1の解x,yがx≡5 (mod 6)、y≡0 (mod 2)の条件を満たせば、
a(x+1)/6=(x+1)(x-1)/24=(y/2)2が五角数かつ平方数となる。
Pell方程式x2-6y2=1の解は5+2√6の冪乗から求められる。
最小解x=5, y=2ではx≡5 (mod 6)、y≡0 (mod 2)。
x=6i+5, y=2jのとき(x+y√6)(5+2√6)=30i+12j+25+(12i+10j+10)√6なので、
次の解は30i+12j+25≡1 (mod 6), 12i+10j+10≡0 (mod 2)で条件を満たさないが、
さらにx=6i+1, y=2jのとき(x+y√6)(5+2√6)=30i+12j+5+(12i+10j+2)√6から、
その次の解は30i+12j+5≡5 (mod 6), 12i+10j+2≡0 (mod 2)となるので、
再び条件を満たす。すなわち5+2√6の奇数乗から求められるx,yが、
定理30.1により五角数かつ平方数となる全ての数a(x+1)/6を与える。
したがって、五角数かつ平方数となる数は無数に存在する。
(5+2√6)1から求まるx=5, y=2のときa(x+1)/6= a1=1の自明な解。
(5+2√6)3から求まるx=485, y=198のときa(x+1)/6= a81=9801=992。
(5+2√6)5から求まるx=47525, y=19402のときa(x+1)/6= a7921= 94109401=97012。
(c)
...
三角数かつ平方数かつ五角数となる数について、
返信削除(3+2√2)^u=(5+2√6)^vでなくとも
(3+2√2)^u=x+y√2
(5+2√6)^v=z+y√2
が成立すれば存在。
30.4(c)に関するご指摘ありがとうございます。
返信削除結論は変わらないにしても、確かにそこはその通りですね。安易でした。
直しておこうと思います。
> 三角数かつ平方数かつ五角数となる数は、
返信削除> (3+2√2)^u=x+y√2かつ(5+2√6)^v=z+y√2の解である
> 自然数(u,v,x,y,z)が存在すれば求められる
の部分がよく分かりません。
「三角数かつ平方数かつ五角数となる数は、
(3+2√2)^u=x+y√2かつ(5+2√6)^v=z+y√6の解である
自然数(u,v,x,y,z)が存在すれば求められる」の間違いではないでしょうか。
このページ
http://mathworld.wolfram.com/PentagonalSquareTriangularNumber.html
によると、J. Sillcoxという人がAnglinという人の1996年の結果を使うことで
1以外に解がないことを示せると2003年と2006年に
個人的やりとり(pers. comm.)の中で言っているそうです。
一方、2012年4月に出版された
"Figurate Numbers"(E. Deza, M. M. Deza著, World Scientific社)
の36ページによると、1以外に解がないことの証明は
その時点ではまだどこにも出版されいない、と書かれていて、
(その本の著者を信じれば)少なくともその本の校正段階では未解決問題のようです。
(そしておそらく現在も未解決問題と思われます。)
http://books.google.co.jp/books?id=cDxYdstLPz4C&pg=PA36&lpg=PA36&dq=no+pentagonal-square-triangular+other+than+the+trivial+(1,1,1)&source=bl&ots=rBl2zsD3iE&sig=AmC5u_69FN8vqOsAGiVJAjQ_ZPg&hl=ja&sa=X&ei=MAR3U7aAHMv5lAWS-oGIAg&ved=0CDEQ6AEwAQ#v=onepage&q=no%20pentagonal-square-triangular%20other%20than%20the%20trivial%20(1%2C1%2C1)&f=false
もし証明をお持ちであれば論文として出版という形で発表されることをお勧め致します。
しばらく見てなくて返信遅くなってしまい申し訳ありません。
削除確かによくわからなくなってきたので、30.4(c)の解答は削除いたします。
ご指摘ありがとうございました。