2010-10-23

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第11章練習問題3

11.9
任意の2つ、例えばxa1 (mod m1)とxa2 (mod m2)を解き、その解と第3式を連立させればよい。
すなわちまず、
x=m1x1+a1a2 (mod m2)から、m1x1a2 -a1(mod m2)を解き、解x1(0x1<m2)を得る。
これより、xm1x1+a1 (mod m1m2)。この式とxa3 (mod m3)を連立して、
x=m1m2x2+m1x1+a1a3 (mod m3)から、m1m2x2a3 -(m1x1+a1)(mod m3)を解き、
x2(0x2<m3)を得る。以上により、
x=m1m2x2+m1x1+a1 (mod m1m2m3)。


より多くの合同式でも以上を繰り返せば良い。
m1,m2,...,mrの、どの2つも互いに素でなければならない。





11.10
(1) φ(n)が素数の時
φ(n)はn≥3では偶数だから、φ(n)が素数ならφ(n)=2=1·2しかない。
n=lmとして、φ(l)=1のときl=1or2。
φ(m)=2のときm=pk(k≥1)としてφ(m)=pk-pk-1=pk-1(p-1)=2だから、
pk-1=2かつp-1=1、または、pk-1=1かつp-1=2。
したがって、(p,k)=(2,2)または(3,1)なので、m=3 or 4。
φ(n)=φ(l)φ(m)となるにはgcd(l,m)=1でなければならないから、
可能な組み合わせは、n=3,4, or 6。

(2) φ(n)が素数の2乗の時
φ(n)が素数ならφ(n)=4=1·2·2=1·4しかない。
まずφ(n)=4=1·2·2と考えると、n=jlmとして、φ(j)=1に対しj=1or2。

φ(l)=φ(m)=2に対し(1)と同様にl,m=3, 4, or 6。
gcd(j,l,m)=1でなければならないから、可能な組み合わせはn=12。
次に、φ(n)=4=1·4と考えると、n=lmとして、φ(l)=1に対しl=1or2。
φ(m)=4に対しm=pk(k≥1)としてφ(m)=pk-pk-1=pk-1(p-1)=4だから、

pk-1=1かつp-1=4、または、pk-1=4かつp-1=1、または、pk-1=2かつp-1=2。
最後の場合は解がない。したがって、(p,k)=(5,1)または(2,3)なので、m=5 or 8。
gcd(l,m)=1でなければならないから、可能な組み合わせはn=lm=5, 8, or 10。

以上をまとめて、n=5, 8, 10 or 12。

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