2010-10-25

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第15章練習問題1

15.1
p1,p2を素数とする。σ(p1k)=( p1k+1-1)/( p1-1), σ(p2l)=( p2l+1-1)/( p2-1)である。
σ(p1k p2l)= σ(p1k)σ(p2l)について、必要なら添字を読み替えればよいので、
kについての数学的帰納法で証明する。
k=l=1のときσ(p1)=1+ p1, σ(p2)=1+ p2
p1p2の約数は1, p1, p2, p1p2だから、σ(p1p2)= 1+p1+p2+p1p2=σ(p1)σ(p2)
k-1σ(p1k-1 p2l)= σ(p1k-1)σ(p2l)が成り立っているとすると、
σ(p1k p2l)で新たに加わる約数の和はp1k(1+ p2+ p22+…+ p2l)= p1kσ(p2l)
σ(p1k p2l)= σ(p1k-1)σ(p2l)+ p1kσ(p2l)=[(p1k+1-1)/( p1-1)+ p1k] σ(p2l)= σ(p1k)σ(p2l)となり、
kでも成り立つから、全てのk,l≥1についてσ(p1k p2l)=σ(p1k)σ(p2l)
したがって、m= p1i1 p2 i2pk ik, n= q1j1 q2 j2ql jlmnが互いに素、
つまり共通の素数を因数に含まなければ、σ(mn)=σ(m)σ(n)

15.2
(a) σ(10)= σ(2) σ(5)=3·6=18
(b) σ(20)= σ(22) σ(5)=(8-1)·6=42
(c) σ(1728)= σ(26) σ(33)=( 26+1-1)( 33+1-1)/2=5080

15.3
(a)完全数なら2·3k=σ(3k)=( 3k +1-1)/2だが、このとき0=3k( 3-4)-1<0となり矛盾。

(b)完全数なら2pk=σ(pk)=( pk +1-1)/( p-1)だが、
このとき0= pk (p-2)+1>0となりp≥3だから矛盾。

(c)
完全数ならσ(3i·5j)/(2·3i·5j)=1
ところが、σ(3i)=(3i+1-1)/2σ(5j)=( 5j +1-1)/4より、
σ(3i·5j)/(2·3i·5j)=(3-3-i) (5-5-j)/16<15/16<1だから矛盾。

(d)
完全数ならσ(3ipj)/(2·3ipj)=1
ところが、σ(3i)=(3i+1-1)/2σ(pj)=(pj +1-1)/(p-1)より、
σ(3i·pj)/(2·3ipj)=(3-3-i) (p-p-j)/[4(p-1)]<3p/[4(p-1)]=3/4·(1-1/p)-1
p≥5なので、(1-1/p) -15/4だから、σ(3i·pj)/(2·3ipj)<15/16となり矛盾。

(e)
完全数ならσ(qipj)/(2·qipj)=1p≥5, q≥3とする。
ところが、σ(qi)=( qi+1-1)/(q-1)σ(pj)=(pj +1-1)/(p-1)より、
σ(qi·pj)/(2qipj)=(q-q-i) (p-p-j)/[2(p-1)(q-1)]<pq/[2(p-1)(q-1)]=1/2·(1-1/p)-1(1-1/q)-1
p≥5, q≥3なので、(1-1/p) -15/4, (1-1/q) -13/2だから、σ(qipj)/(2qipj)<15/16となり矛盾。



15.4
完全数ならσ(3m·5n·7k)/(2·3m·5n·7k)=1
ところが、m,n,k≥1なので、
σ(3m)/3m =(3m+1-1) ·3-m /(3-1)=(3-3-m)/2(3-1/3)/2=4/3
σ(5n)/5n =(5n +1-1) ·5-n /(5-1)=(5-5-n)/4(5-1/5)/4=6/5
σ(7k)/7k =(7k+1-1) ·7-k /(7-1)=(7-7-k)/6(7-1/7)/6=8/7
より、σ(3m·5n·7k)/(2·3m·5n·7k)≤(1/2)·(4/3)·(6/5)·(8/7)=32/35<1となり矛盾。

1 件のコメント :

  1. いつも解答を拝見しており、大変助かっています。
    15.4の3.4.5行目の不等号が誤っているように思います。
    p99の記述にあるように、
    m=3.n=1.k=1のとき不足数にならないので同様の議論では証明できないかもしれません。

    返信削除