※MathJaxの数式表示に少し時間がかかります。
2.1
(a)
$n\in\mathbb{Z}$として、\[(3n)^2=3·3n^2\]\[(3n+1)^2=3(3n^2+2n)+1\]\[(3n+2)^2=3(3n^2+4n+1)+1\]であるから、3の倍数でない数の二乗を3で割った剰余は1。ゆえに$c^2$は3で割ると剰余0または1。もし$a,b$ともに3の倍数でないとすると、$a^2+b^2$は3で割ると2余るから、$c^2$と等しくなりえない。したがって、$a$と$b$のどちらかは3の倍数である。
(b)
$n\in\mathbb{Z}$として、\[(5n)^2=5·5n^2\]\[(5n+1)^2=5(5n^2+2n)+1\]\[(5n+2)^2=5(5n^2+4n)+4\]\[(5n+3)^2=5(5n^2+6n+1)+4\]\[(5n+4)^2=5(5n^2+8n+3)+1\]であるから、5の倍数でない数の二乗を5で割った剰余は1または4。ゆえに5の倍数でない数の二乗の和を5で割った剰余は0, 2または3。もし$a,b,c$がともに5の倍数でないとすると、$a^2+b^2$を5で割った剰余は0,2または3なのに対し、$c^2$を5で割った剰余は1または4だから、これらは等しくなりえない。したがって、$a,b,c$のいずれかは5の倍数である。
2.2
$m=dk, n=dl$なので、$m-n=d(k-l), m+n=d(k+l)$。よって$d|(m-n), d|(m+n)$。
2.3
(a)
$s,t$を奇数として$a=st$だから、$s$または$t$を1とすると$a$はすべての奇数となる。
(b)
$s,t$を奇数として$b=(s^2-t^2)/2$だから、$s=2m+1, t=2n+1$ ($m,n\in\mathbb{Z}$)として$b=[4m^2+4m+1-(4n^2+4n+1)]/2=2(m-n)(m+n+1)$。ここで、$m-n$と$m+n+1$のどちらかは偶数なので、$b$は4の倍数。
(c)
$s,t$を奇数として$c=(s^2+t^2)/2$だから、$s=2m+1, t=2n+1$ ($m,n\in\mathbb{Z}$)として$b=(4m^2+4m+1+4n^2+4n+1)/2=2(m^2+m+n^2+n)+1$。ここで、$m^2+m$と$n^2+n$は偶数なので、$c$は(4の倍数+1)。
2.4
$65^2=33^2+56^2=16^2+63^2=39^2+52^2$
一般的にはどうなんだろ?
2.5
(a)
$b=4T_n$は偶数だから、定理2.1において$s,t$を奇数として$2b=s^2-t^2=(s+t)(s-t)=8T_n$。$8T_n$の約数を手がかりに奇数の組$(s,t)$を探して、定理2.1を適用する。
(i) $b=4T_5$のとき
$8T_5=120=(s+t)(s-t)$を満たす奇数の組は$(s,t)=(31,29), (17,13), (13,7), (11,1)$で全てなので、$(a,b,c)=(899,60,901), (221,60,229), (91,60,109), (11,60,61)$。
(ii) $b=4T_6$のとき
$8T_6=168=(s+t)(s-t)$を満たす奇数の組は$(s,t)=(43,41), (23,19), (17,11), (13,1)$で全てなので、$(a,b,c)=(1763,84,1765), (437,84,445), (187,84,205), (13,84,85)$。
(iii) $b=4T_7$のとき
$8T_7=224=(s+t)(s-t)$を満たす奇数の組は$(s,t)=(57,55), (15,1)$で全てなので、定理2.1により$(a,b,c)=(3135,112,3137), (15,112,113)$。
$2b=8T_n=4n(n+1)$は、奇数の組$(s,t)=(2n+1,1)$について常に$8T_n=(s+t)(s-t)$となるから、$b=4T_n$となる既約Pythagoras数は全ての$n$について存在する。
ちなみに、$(s,t)=(n(n+1)+1,n(n+1)-1)$ととると、$n$と$n+1$のいずれかは偶数だから$s,t$は奇数で、常に$8T_n=(s+t)(s-t)$となる。すなわち$b=4T_n$となる既約Pythagoras数は少なくとも2つ存在する。(iii)の$n=7$についてはこの2つのみである。
(b)
(a)で$b=4T_n$だったのを$b=T_n$に変えて、$n=40$まで計算機で奇数の組$(s,t)$探すと、$b=T_n$となりうるのは、$n=$7,8,15,16,23,24,31,32,39,40のときだけである。$m\ge0$として$n=8m$または$n=8m+7$の時だけの模様。
すなわち、すべての三角数$T_n$に対して$b=T_n$となる既約Pythagoras数が存在するわけではないが、$n=8m$または$n=8m+7$の時、かつその時に限り常に存在すると予想される。
(証明)$b=T_n$は$(s+t)(s-t)=n(n+1)$と同値である。$s,t$がいずれも奇数なら$i_s,i_t\ge0$, $r_s,r_t=$1 or 3として$s=4i_s+r_s$, $t=4i_t+r_t$と書くと、$(r_s, r_t)=(1,1),(1,3),(3,1),(3,3)$のいずれの場合においても$s+t$と$s-t$のいずれかは4の倍数となるから、$(s+t)(s-t)$は8の倍数。
いま$n=8m+k$ ($k=0,1,2,...,7$)とすれば、$n(n+1)=(8m)^2+8m(2k+1)+k(k+1)$で、$1\le k\le6$については$k(k+1)$は8の倍数でないので、$(s,t)$がともに奇数になることはありえない。$k=0$については$s=2m(8m+1)+1$, $t=2m(8m+1)-1$が、$k=7$については$s=2(m+1)(8m+7)+1$, $t=2(m+1)(8m+7)-1$がそれぞれ、ともに奇数となる$s,t$として常に存在するので、$b=T_n$となる既約Pythagoras数が少なくとも一組存在する。
2.6
(a)(b)
問題文に挙げられているものを除けば、
(99,20,101)
(143,24,145)
(195,28,197)
(255,32,257)
(323,36,325)
(399,40,401)
(483,44,485)
(575,48,577)
(675,52,677)
(783,56,785)
(899,60,901)
(1023,64,1025)
(1155,68,1157)
(1295,72,1297)
(1443,76,1445)
(1599,80,1601)
:
:
(c)
求める公式は$\left((2n)^2-1,4n,(2n)^2+1\right)$($n\ge1$)と予想される。
(証明)$a=(2n)^2-1, b=4n, c=(2n)^2+1$が、定理2.1の2つの奇数が$(s,t)=(2n+1, 2n-1)$によって表現される既約Pythagoras数であることは、直接計算によりわかる。
逆に$a^2+b^2=c^2$かつ$c=a+2$なら、$b^2=4(a+1)$。4は平方数なので、$a+1$も平方数だから、$m^2=a+1$ ($m\ge2$)とおけば、$a=m^2-1, b=sm, c=m^2+1$。$a,c$は奇数だから、$m^2$は偶数なので、$m=2n$ ($n\ge1$)でなければならない。したがって$a=(2n)^2-1, b=4n, c=(2n)^2+1$。
2.7
18ページの表から$2c-2a$を計算すると。4,16,16,64,4,16,4,16,4...。更に計算機で計算すると、36,100,144...といった数が現れ、$2c-2a=(2n)^2$ ($n\ge1$)と予想される。実際、定理2.1の2つの奇数$s,t$を用いて$2c-2a=(s-t)^2$で、$s-t$は偶数だから$s-t=2n$ ($n\ge1$)とおけば$2c-2a=(2n)^2$。
2.1
(a)
$n\in\mathbb{Z}$として、\[(3n)^2=3·3n^2\]\[(3n+1)^2=3(3n^2+2n)+1\]\[(3n+2)^2=3(3n^2+4n+1)+1\]であるから、3の倍数でない数の二乗を3で割った剰余は1。ゆえに$c^2$は3で割ると剰余0または1。もし$a,b$ともに3の倍数でないとすると、$a^2+b^2$は3で割ると2余るから、$c^2$と等しくなりえない。したがって、$a$と$b$のどちらかは3の倍数である。
(b)
$n\in\mathbb{Z}$として、\[(5n)^2=5·5n^2\]\[(5n+1)^2=5(5n^2+2n)+1\]\[(5n+2)^2=5(5n^2+4n)+4\]\[(5n+3)^2=5(5n^2+6n+1)+4\]\[(5n+4)^2=5(5n^2+8n+3)+1\]であるから、5の倍数でない数の二乗を5で割った剰余は1または4。ゆえに5の倍数でない数の二乗の和を5で割った剰余は0, 2または3。もし$a,b,c$がともに5の倍数でないとすると、$a^2+b^2$を5で割った剰余は0,2または3なのに対し、$c^2$を5で割った剰余は1または4だから、これらは等しくなりえない。したがって、$a,b,c$のいずれかは5の倍数である。
2.2
$m=dk, n=dl$なので、$m-n=d(k-l), m+n=d(k+l)$。よって$d|(m-n), d|(m+n)$。
2.3
(a)
$s,t$を奇数として$a=st$だから、$s$または$t$を1とすると$a$はすべての奇数となる。
(b)
$s,t$を奇数として$b=(s^2-t^2)/2$だから、$s=2m+1, t=2n+1$ ($m,n\in\mathbb{Z}$)として$b=[4m^2+4m+1-(4n^2+4n+1)]/2=2(m-n)(m+n+1)$。ここで、$m-n$と$m+n+1$のどちらかは偶数なので、$b$は4の倍数。
(c)
$s,t$を奇数として$c=(s^2+t^2)/2$だから、$s=2m+1, t=2n+1$ ($m,n\in\mathbb{Z}$)として$b=(4m^2+4m+1+4n^2+4n+1)/2=2(m^2+m+n^2+n)+1$。ここで、$m^2+m$と$n^2+n$は偶数なので、$c$は(4の倍数+1)。
2.4
$65^2=33^2+56^2=16^2+63^2=39^2+52^2$
一般的にはどうなんだろ?
2.5
(a)
$b=4T_n$は偶数だから、定理2.1において$s,t$を奇数として$2b=s^2-t^2=(s+t)(s-t)=8T_n$。$8T_n$の約数を手がかりに奇数の組$(s,t)$を探して、定理2.1を適用する。
(i) $b=4T_5$のとき
$8T_5=120=(s+t)(s-t)$を満たす奇数の組は$(s,t)=(31,29), (17,13), (13,7), (11,1)$で全てなので、$(a,b,c)=(899,60,901), (221,60,229), (91,60,109), (11,60,61)$。
(ii) $b=4T_6$のとき
$8T_6=168=(s+t)(s-t)$を満たす奇数の組は$(s,t)=(43,41), (23,19), (17,11), (13,1)$で全てなので、$(a,b,c)=(1763,84,1765), (437,84,445), (187,84,205), (13,84,85)$。
(iii) $b=4T_7$のとき
$8T_7=224=(s+t)(s-t)$を満たす奇数の組は$(s,t)=(57,55), (15,1)$で全てなので、定理2.1により$(a,b,c)=(3135,112,3137), (15,112,113)$。
$2b=8T_n=4n(n+1)$は、奇数の組$(s,t)=(2n+1,1)$について常に$8T_n=(s+t)(s-t)$となるから、$b=4T_n$となる既約Pythagoras数は全ての$n$について存在する。
ちなみに、$(s,t)=(n(n+1)+1,n(n+1)-1)$ととると、$n$と$n+1$のいずれかは偶数だから$s,t$は奇数で、常に$8T_n=(s+t)(s-t)$となる。すなわち$b=4T_n$となる既約Pythagoras数は少なくとも2つ存在する。(iii)の$n=7$についてはこの2つのみである。
(b)
(a)で$b=4T_n$だったのを$b=T_n$に変えて、$n=40$まで計算機で奇数の組$(s,t)$探すと、$b=T_n$となりうるのは、$n=$7,8,15,16,23,24,31,32,39,40のときだけである。$m\ge0$として$n=8m$または$n=8m+7$の時だけの模様。
すなわち、すべての三角数$T_n$に対して$b=T_n$となる既約Pythagoras数が存在するわけではないが、$n=8m$または$n=8m+7$の時、かつその時に限り常に存在すると予想される。
(証明)$b=T_n$は$(s+t)(s-t)=n(n+1)$と同値である。$s,t$がいずれも奇数なら$i_s,i_t\ge0$, $r_s,r_t=$1 or 3として$s=4i_s+r_s$, $t=4i_t+r_t$と書くと、$(r_s, r_t)=(1,1),(1,3),(3,1),(3,3)$のいずれの場合においても$s+t$と$s-t$のいずれかは4の倍数となるから、$(s+t)(s-t)$は8の倍数。
いま$n=8m+k$ ($k=0,1,2,...,7$)とすれば、$n(n+1)=(8m)^2+8m(2k+1)+k(k+1)$で、$1\le k\le6$については$k(k+1)$は8の倍数でないので、$(s,t)$がともに奇数になることはありえない。$k=0$については$s=2m(8m+1)+1$, $t=2m(8m+1)-1$が、$k=7$については$s=2(m+1)(8m+7)+1$, $t=2(m+1)(8m+7)-1$がそれぞれ、ともに奇数となる$s,t$として常に存在するので、$b=T_n$となる既約Pythagoras数が少なくとも一組存在する。
2.6
(a)(b)
問題文に挙げられているものを除けば、
(99,20,101)
(143,24,145)
(195,28,197)
(255,32,257)
(323,36,325)
(399,40,401)
(483,44,485)
(575,48,577)
(675,52,677)
(783,56,785)
(899,60,901)
(1023,64,1025)
(1155,68,1157)
(1295,72,1297)
(1443,76,1445)
(1599,80,1601)
:
:
(c)
求める公式は$\left((2n)^2-1,4n,(2n)^2+1\right)$($n\ge1$)と予想される。
(証明)$a=(2n)^2-1, b=4n, c=(2n)^2+1$が、定理2.1の2つの奇数が$(s,t)=(2n+1, 2n-1)$によって表現される既約Pythagoras数であることは、直接計算によりわかる。
逆に$a^2+b^2=c^2$かつ$c=a+2$なら、$b^2=4(a+1)$。4は平方数なので、$a+1$も平方数だから、$m^2=a+1$ ($m\ge2$)とおけば、$a=m^2-1, b=sm, c=m^2+1$。$a,c$は奇数だから、$m^2$は偶数なので、$m=2n$ ($n\ge1$)でなければならない。したがって$a=(2n)^2-1, b=4n, c=(2n)^2+1$。
2.7
18ページの表から$2c-2a$を計算すると。4,16,16,64,4,16,4,16,4...。更に計算機で計算すると、36,100,144...といった数が現れ、$2c-2a=(2n)^2$ ($n\ge1$)と予想される。実際、定理2.1の2つの奇数$s,t$を用いて$2c-2a=(s-t)^2$で、$s-t$は偶数だから$s-t=2n$ ($n\ge1$)とおけば$2c-2a=(2n)^2$。
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