2010-10-24

シルヴァーマン 「はじめての数論」第3版 第12章練習問題2

12.4
(a)
mが素数の場合は{a1, a2,…,aφ(m)}={1,2,…,m-1}だから、
練習問題12.3(a)によりAm≡0 (mod m)
mが合成数の場合、
A4=4≡0 (mod 4), A6=6≡0 (mod 6), A8=24·11≡0 (mod 8), A9=33·23≡0 (mod 9)

全ての合成数mに対しAm≡0 (mod m)である。
練習問題12.3と合わせれば、すべてのm≥3に対しAm≡0 (mod m)である。
) 練習問題10.1の補題より、S={a1, a2,…,aφ(m)}は、a1=1, aφ(m) =m-1と、
ai 21 (mod m) (i1,m-1)となるai、および積が1と合同になる2つの元の組に分類される。
さらに、次の3つの補題を証明する。

補題1: aiSに対しΣai0 (mod m)
)gcd(ai ,m)=1なので、gcd(m- ai ,m)=1。したがってあるjが存在して、
aj =m- aiSである。ai+ aj =m0 (mod m)
すなわち、Sは、和が0と合同となる2つの異なる元からなる、
φ(m)/2個の組に常に分けられる
(和が0と合同で等しい数の組は、mが偶数の時の(m/2, m/2)だが、
このときgcd(m/2,m)= m/21だからm/2S)。
よってその総和も0と合同だから、Σai0 (mod m)

補題2ai 1, ai m-1, ai 21 (mod m)となるaiSは偶数個である。
) m ≥3に対しφ(m)は偶数。
また、a1, aφ(m)と、積が1と合同になる2つ組の元はあわせて偶数個だから、
残るai 1, ai m-1, ai 21 (mod m)となるaiも偶数個。

補題3ij, ai ,aj1, ai ,ajm-1, ai 2aj21 (mod m)となるai ,ajS (i,j=2…φ(m)-1)について、
ai+ aj0 (mod m)となる2つ組(ai, aj)を常に取れる。
) ai21 (mod m)となるaiSに対しaj =m- aiSも、
aj2ai21 (mod m), aiaj≡-1 (mod m), だから、ai 21 (mod m)となる{ai}Sは、
積が-1,和が0と合同になる2つ組に常に分けることが出来る。


練習問題10.1の補題練習問題11.2(a)および補題2,3からSは、S=RT, RT = ,
R={ riS | ri 21 (mod m)}, T={ tiS | ti 21 (mod m)}と分割される。
なお、a1=1R, aφ(m) =m-1Rである。
補題3よりΣria1+ aφ(m) =m0 (mod m)、さらに補題1よりΣtiairi0 (mod m)である。

ti tj1となるtjti-1とかく。また、n=#R/2とする。
与式を全て通分した分子は、a1 a2…ti-1ti+1aφ(m)(-1)nti-1 (mod m)と、
a1 a2…ri-1ri+1aφ(m)(-1)n-1(m-ri)(-1)nri (mod m)の2つの形の項からなり、
これらの総和は(-1)ntiri) ≡0となる。
したがって全ての合成数mに対しAm≡0 (mod m)である。


(b)
A4=4≡4 (mod 42), A6=6≡6 (mod 62), A8=24·11≡48 (mod 82), A9=33·23≡54 (mod 92)
m≥8に対しAm≡6(mod m2)、mが素数なら0?

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