2010-10-20

初等幾何学とユークリッド原論

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ヒルベルト
幾何学基礎論
近所の中学生に初等幾何学を教える段階となった。

ついでに自分も初等幾何について、
現代的な理解も含め概観しておこうと思って、
ヒルベルト「幾何学基礎論」を読み終わり、
ハーツホーン(ハートショーン)「幾何学」を読んでいる。
ハーツホーンに出てくる体上の幾何学は、
代数学の勉強へのモティベーションの一つにもなっている。
これまで、ベクトル解析やリーマン幾何といった
解析幾何系は仕事柄使ったが、初等幾何のちゃんとした理解は、
あまりやってこなかった。
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ハーツホーン
幾何学II
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ハーツホーン
幾何学I

中3の時、「ユークリッドは世界中の中学生年代の子達が
2300年間勉強してきた本」と聞いて、
面白い証明があるかと有り金はたいて買った。
が、ギリシャ文字アルファベットに慣れないのと、
背理法がガンガン使われていて理解しづらかったことから挫折。
それ以来久々の初等幾何である。

ハーツホーンは結局ユークリッドを読むことを前提とした演習問題が
多いし、原論には整数論や比・有理数・無理数論の記述もあるから、
代数学の方の勉強にもなるだろうと、ハーツホーンの傍ら、ユークリッドも読んでいる。
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ユークリッド
原論

ユークリッドで圧巻だったのは、原論4巻の、
正五角形の作図の元になる、定理4-10の2直角の5等分問題。
それまでのすべての知識が縦横無尽に使われて、
ピタリとはまる様に感動した。
その後ハーツホーンを見ると、自分がおおっと思ったところは、
ハーツホーンも興奮して書いている。
やっぱ2300年間この証明に人々は感激してきたんだろうなあと胸熱。

5,6巻の比例と相似の理論や、
数論に入って互除法のオリジナルや素数定理もあったりと、
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アポロニオス
円錐曲線論
7巻以降もなかなかの読み応えで、
9巻まで読んだところ。さあ次は長い長い無理数論の10巻だ。

ところでケプラー問題などを力学の演習で扱ったときに、
円錐曲線についての知識が当然のように動員されているのを
学生の時に見て、どうも釈然としていなかったのだが、
アポロニオス「円錐曲線論」の知識があるといいのかも知れない。
アポロニオスにはユークリッド以後のヘレニズム幾何学の真髄が
書かれているとは聞いていたが、日本語の全訳が出たとは知らなかった。
ユークリッドのあとに読んでみたい。
中3で二次関数と放物線をやるときに、
ちょっとした面白いう問題が作れるだろうか。

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