演習問題1
x3-2の根は∛2, ∛2ω, ∛2ω2であるから、分解体はℚ(∛2,∛2ω,∛2ω2)。
ここでω=∛2ω/∛2∈ℚ(∛2,∛2ω,∛2ω2)だから、ℚ(∛2,ω)⊂ℚ(∛2,∛2ω,∛2ω2)。
また∛2ω∈ℚ(∛2,ω)、∛2ω2∈ℚ(∛2,ω)なので、補題4.1.9により
ℚ(∛2,∛2ω,∛2ω2)⊂ℚ(∛2,ω)。
したがってℚ(∛2,ω)=ℚ(∛2,∛2ω,∛2ω2)だから、ℚ(∛2,ω)はx3-2の分解体。
演習問題2
FがF上のfの分解体なら、定義5.1.1によりfはF上完全分解する。
逆にfがF上完全分解するとする。
fの根α1,..,αdeg(f)∈Fをとれば、補題4.1.9からF(α1,..,αdeg(f))⊂Fとなる。
明らかにF⊂F(α1,..,αdeg(f))だからF=F(α1,..,αdeg(f))。
したがって、定義5.1.1でL=Fの場合となり、FはF上のfの分解体。
演習問題3
F⊂L は素数次数2をもつから、
F上の二次最小多項式fの根αをとると、
4.3節演習問題4によりL=F(α)である。
fのもうひとつの根をβとすると、
二次方程式についての系2.1.5からβ=-α-b∈F(α)だから、
F(α)はFとα,βを含むので、補題4.1.9によりF(α,β)⊂F(α)。
明らかにF(α)⊂F(α,β)だからF(α)=F(α,β)=Lなので、
LはfのF上の分解体である。
演習問題4
x6-1=(x-1)(x+1)(x2-x+1)(x2+x+1)
なので、根は1,-1,ω,ω2,-ω,-ω2である。
これらは全てℚ(ω)の元だから、ℚ(1,-1,ω,ω2,-ω,-ω2)=ℚ(ω)
したがって分解体はℚ(ω)。
演習問題5
1/(√2+√3)=√3-√2
なので、例4.1.2に挙げられたfの根√2+√3, -√2-√3, √3-√2, -√3+√2は
全てℚ(√2+√3)の元。
したがって、L=ℚ(√2+√3)=ℚ(√2+√3, -√2-√3, √3-√2, -√3+√2)だから、
Lはfのℚ上の分解体
演習問題6
(a)
4.3節演習問題2(b)で示した。
(b)
fの根は±α, ±√(2-√2)。
α2-2=√2, √(2-√2)=(α2-2)/α∈ℚ(α)より、ℚ(±α, ±√(2-√2))=ℚ(α)だから、
ℚ(α)はfの分解体。
演習問題7
(a)
x=0,1,2のいずれもfの根でないので、補題A.1.19によりfはF3上既約。
(b)
fの一つの根をα∈Lとすると、α+1, 2α+1∈Lも根となり、
Lにおいてfは(x-α)(x-α-1)(x-2α-1)と完全分解される。
α+1, 2α+1∈F3(α)だからL=F3(α)なので(a)により[L:F3]=3。
(c)
F3(α)のベクトル空間としての基底は1,α,α2で、
それらの係数が0,1,2の3つだから、F3(α)の元の可能な組合せは33=27。
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