2011-06-03

コックス「ガロワ理論」 5.1節の演習問題1


演習問題1
x3-2の根は2, 2ω, 2ω2であるから、分解体は(2,2ω,2ω2)
ここでω=2ω/2(2,2ω,2ω2)だから、(2,ω)(2,2ω,2ω2)
また2ω(2,ω)2ω2(2,ω)なので、補題4.1.9により
(2,2ω,2ω2)(2,ω)
したがって(2,ω)=(2,2ω,2ω2)だから、(2,ω)x3-2の分解体。

演習問題2
FF上のfの分解体なら、定義5.1.1によりfF上完全分解する。
逆にfF上完全分解するとする。
fの根α1,..,αdeg(f)Fをとれば、補題4.1.9からF(α1,..,αdeg(f))Fとなる。
明らかにFF(α1,..,αdeg(f))だからF=F(α1,..,αdeg(f))
したがって、定義5.1.1L=Fの場合となり、FF上のfの分解体。

演習問題3
FL は素数次数2をもつから、
F上の二次最小多項式fの根αをとると、
4.3節演習問題4によりL=F(α)である。
fのもうひとつの根をβとすると、
二次方程式についての系2.1.5からβ=-α-bF(α)だから、
F(α)Fα,βを含むので、補題4.1.9によりF(α,β)F(α)
明らかにF(α)F(α,β)だからF(α)=F(α,β)=Lなので、
LfF上の分解体である。

演習問題4
x6-1=(x-1)(x+1)(x2-x+1)(x2+x+1)
なので、根は1,-1,ω,ω2,-ω,-ω2である。
これらは全て(ω)の元だから、(1,-1,ω,ω2,-ω,-ω2)=(ω)
したがって分解体は(ω)

演習問題5
1/(√2+√3)=√3-√2
なので、例4.1.2に挙げられたfの根√2+√3, -√2-√3, √3-√2, -√3+√2
全て(√2+√3)の元。
したがって、L=(√2+√3)=(√2+√3, -√2-√3, √3-√2, -√3+√2)だから、
Lf上の分解体

演習問題6
(a)
4.3節演習問題2(b)で示した。

(b)
fの根は±α, ±√(2-√2)
α2-2=√2, √(2-√2)=(α2-2)/α(α)より、(±α, ±√(2-√2))=(α)だから、
(α)fの分解体。

演習問題7
(a)
x=0,1,2のいずれもfの根でないので、補題A.1.19によりfF3上既約。

(b)
fの一つの根をαLとすると、α+1, 2α+1Lも根となり、
Lにおいてf(x-α)(x-α-1)(x-2α-1)と完全分解される。
α+1, 2α+1F3(α)だからL=F3(α)なので(a)により[L:F3]=3

(c)
F3(α)のベクトル空間としての基底は1,α,α2で、
それらの係数が0,1,23つだから、F3(α)の元の可能な組合せは33=27

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