演習問題1
fは既約分離多項式だから、命題6.3.7によりGal(L/F)は可移なのでGal(L/F)≠{e}。
また|S3|=6だから|A3|=|S3|/2=3で、
位数3の群は巡回群C3≃ℤ/3ℤに同型なものしかなく、
さらにC3の部分群は{e}とC3だけ。
定理7.4.1(b)によりΔ(f)がFでの平方元の時、
Gal(L/F)の像はA3≃C3の部分群となるので、Gal(L/F)≠{e}からGal(L/F)≃C3。
演習問題2
判別式はMaximaで終結式を用いて求める。
各問で与えられた式の分解体をLとする。
(a)
Schönemann-Eisenstein判定法(定理4.2.3)によりf=x3-4x+2はℚ上規約。
Δ(f)=148は平方数でないので命題7.4.2によりGal(L/ℚ)≃S3。
(b)
x=a+b√37, a,b∈ℚ, b≠0とし、f=x3-4x+2に代入して整理すると4a3-4a-1=0。
命題A.3.1によりa=p/qならp|1, q|4よりa=±1, ±1/2, ±1/4のいずれかだが、
このどれも4a3-4a-1=0を満たさないから、与式はℚ(√37)上に根を持たないので、
補題A.1.19によりfはℚ(√37) 上既約。
Δ(f)=148=(2√37)2だから命題7.4.2によりGal(L/ℚ(√37))≃C3。
(c)
命題A.3.1によりx=p/qならp|1, q|1よりx=±1だが、
いずれもf=x3-3x+1=0を満たさないから補題A.1.19によりfはℚ上既約。
Δ(f)=81=92なので、Gal(L/ℚ)≃C3。
(d)
明らかにf=x3-tはℂ(t)上に根を持たないから、
命題4.2.6によりx3-tはℂ(t)上既約。
Δ(f)=-27t2=(3i√3t)2よりGal(L/ℂ(t))≃C3。
(e)
(d)と同様にf=x3-tはℚ(t)上既約で、Δ(f)=-27t2はℚ(t)の元の平方でないから、
Gal(L/ℚ(t))≃S3。
演習問題3
(a)
sgn((12))=-1だから定理7.4.1により(12)·f=A-B√Δなので、
f+(12)·f=2A。
(b)
2Aは対称式だから、f+(12)·fも対称式。すなわちf+(12)·fは対称多項式だから、
定理2.2.2によりσiの多項式。したがってA∈F[σ1,..,σn]。
(c)
(12) ∈Snだから(12)·A=Aとなるので、
(12)·f=A-B√Δより(12)·(f-A)=-B√Δ。
故にP=(f-A)[(12)·(f-A)]=-B2Δ。
(d)
v2P=-u2Δでv∤uだから、v|Δとなるが、ΔはF[σ1,..,σn]上既約だから、
vは F[σ1,..,σn]の単数でなければならない。
したがってB∈F[σ1,..,σn]。
演習問題4
(a)
問題の写像をφgとすると、
任意のh∈Gに対し、g-1h∈Gをとればφg(g-1h)=hとなるからφgは全射。
φg(h1)=φg(h2)=hならh1=h2=g-1hだからφgは1対1。
(b)
φgは1対1で全射だから、Caley表の各行において、線の左の元gによって
Gの各元は別の元に重複なく移されるので、Caley表の各行はGの元の置換となる。
(c)
(a)(b)により任意のg∈Gに対しφgはGの元の置換を定義するから、
giによる置換を、gjの添字の置換σi∈Snで表現できる。
すなわちφgi(gj)=gigj=gσi(j)。
演習問題5
σ1=(1)
σ2=(123)(456)
σ3=(132)(465)
σ4=(14)(26)(35)
σ5=(15)(24)(36)
σ6=(16)(25)(34)
演習問題6
(a)
任意のgl∈Gについてgigjgl=gigσj(l)=gσiσj(l)。
一方gigjgl=gkgl=gσk(l)だから、σiσj=σk。
(b)
(a)によりこの写像は群準同型。
gi→σ1=(1)ならi=1だから、この写像の核は{g1}={e}なので1対1。
演習問題7
Lは3次多項式fの分解体だから、定理5.1.5によりF⊂Lは有限次拡大なので、
定理7.1.1によりF⊂LはGalois拡大となり、定理7.1.5により|Gal(L/F)|=[L:F]。
√(Δ(f)) ∈Fなので、定理7.4.2によりGal(L/F)≃S3だから|Gal(L/F)|=[L:F]=6。
(2.30)式によりΔ(f) ∈Fなので、√(Δ(f))のF上の最小多項式はx2-Δ(f)だから、
[F(Δ(f)):F]=2なので、定理4.3.8(塔定理)により[L:F(Δ(f))]=3である。
命題7.1.3によりF(Δ(f)) ⊂LはGalois拡大だから、定理7.1.5により
|Gal(L/F(Δ(f)))|=[L:F(Δ(f))]=3。
位数3の群は巡回群C3≃ℤ/3ℤに同型なものしかないのでGal(L/F(Δ(f)))≃C3。
また、C3⊂S3は可移だから、命題6.3.7によりfはF(Δ(f))上既約。
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