2011-06-17

コックス「ガロワ理論」 7.2節の演習問題1


演習問題1
(a)
6.2節演習問題2(または例7.2.5)によりGal((ω,2)/)は、
{2, 2ω, 2ω2}の元を入れ替えるσ∈Gal(L/F) (o(σ)=3)と、
{ω,ω2}の元を入れ替えるτGal(L/F) (o(τ)=2)との合成によって生成され、
Gal(L/F)={e,σ,τ,σ2,στ,σ2τ}D6。あるいはα1=2, α2=2ω, α3=2ω2として、
同型Gal(L/F)S3について、σ=(123), τ=(23)とすればσ2=(132), στ=(13), σ2τ=(12)
Gal(L/F)の元は 上恒等な(ω,2)上の自己同型だから、
σ(2)=(σ(2))=(2ω), 同様にτ(2)=(2), σ2(2)=(2ω2),
στ(2)=(2ω), σ2τ(2)=(2ω2)となるので、
(2)の共軛体は(2),(2ω),(2ω2)

(b)
(ω)=(ω2)なので、(a)と同様にすれば
σ(ω)=σ(2ω/2)=(σ(2ω)/σ(2))=(2ω2/2ω)=(ω),
τ(ω)=(ω2)=(ω), σ2(ω)=(1/ω)=(ω), στ(ω)=(ω), σ2τ(ω)=(ω)
となるので、(ω)はその共軛体と一致する。

演習問題2
任意のβσKに対し、あるαKが存在してβ=σ(α), α=σ-1(β)
また任意のγGal(L/σK) σK上恒等なLの自己同型なので、β=γ(β)
γGal(L/σK) σK上恒等だから、補題7.2.2によりFσK上恒等なのでγGal(L/F)
Gal(L/F)Lにおいて、α=σ-1(β)=σ-1γ(β)=σ-1γσ(α)なので、
τ=σ-1γσGal(L/F)とおけばτK上恒等だから、τ=σ-1γσGal(L/K)となり、
したがってγ=στσ-1σGal(L/K)σ-1。故にGal(L/σK)σGal(L/K)σ-1

補題7.2.4の証明でGal(L/σK)σGal(L/K)σ-1は証明されたから、
Gal(L/σK)=σGal(L/K)σ-1である。

演習問題3
σGal(L/K2)とすると、σ K2上恒等なLの自己同型だが、
K1K2だから、σ K1上恒等なLの自己同型になるのでσGal(L/K1)
したがってGal(L/K2)Gal(L/K1)

演習問題4
LGalois拡大なので、命題7.1.3により(2)LGalois拡大で、
L(2)上のωの分離既約多項式x2+x+1 は完全分解するから、
[L:(2)]=2。したがって定理7.1.5(c)により|Gal(L/(2))|=2
演習問題3によりGal(L/(2))Gal(L/)S3の部分群で、
さらに定理7.1.1(b)により(2)Gal(L/(2))の固定体となる。
このような位数2の群は<τ>→(23)のみであるから、
Gal(L/(2))=<τ>

(2ω)L,(2ω2)LGalois拡大で、同様に議論できるので、
Gal(L/(2ω))=<σ2τ>→(13), Gal(L/(2ω2))=<στ>→(12)

LLL上恒等だからGal(L/L)={e}
またL上恒等な自己同型だから、Gal(L/)S3そのものである。

演習問題5
写像σσ|Kは明らかに積・単位元・逆元を保つから群準同型なので、
(7.9)式が従う。

演習問題6
|Gal(L/)|=6だから、自明でないGal(L/)の部分群は、
位数2または3を持たなければならない。
位数2の有限群は2次巡回群C2に同型なものしかないので、
位数2の元1つだけから生成される。
このような群は<τ>,<σ2τ>,<στ>だけである。
また、位数3の有限群は3次巡回群C3に同型なものしかないので、
位数3の元1つだけから生成される。
このような群は<σ>=<σ2>だけである。
したがって、図式(7.7)の群がGal(L/)の全ての部分群である。

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