演習問題1
(a)
6.2節演習問題2(または例7.2.5)によりGal(ℚ(ω,∛2)/ℚ)は、
{∛2, ∛2ω, ∛2ω2}の元を入れ替えるσ∈Gal(L/F) (o(σ)=3)と、
{ω,ω2}の元を入れ替えるτ∈Gal(L/F) (o(τ)=2)との合成によって生成され、
Gal(L/F)={e,σ,τ,σ2,στ,σ2τ}≃D6。あるいはα1=∛2, α2=∛2ω, α3=∛2ω2として、
同型Gal(L/F)≃S3について、σ=(123), τ=(23)とすればσ2=(132), στ=(13), σ2τ=(12)。
Gal(L/F)の元はℚ 上恒等なℚ(ω,∛2)上の自己同型だから、
σℚ(∛2)=ℚ(σ(∛2))=ℚ(∛2ω), 同様にτℚ(∛2)=ℚ(∛2), σ2ℚ(∛2)=ℚ(∛2ω2),
στℚ(∛2)=ℚ(∛2ω), σ2τℚ(∛2)=ℚ(∛2ω2)となるので、
ℚ(∛2)の共軛体はℚ(∛2),ℚ(∛2ω),ℚ(∛2ω2)。
(b)
ℚ(ω)=ℚ(ω2)なので、(a)と同様にすれば
σℚ(ω)=σℚ(∛2ω/∛2)=ℚ(σ(∛2ω)/σ(∛2))=ℚ(∛2ω2/∛2ω)=ℚ(ω),
τℚ(ω)=ℚ(ω2)=ℚ(ω), σ2ℚ(ω)=ℚ(1/ω)=ℚ(ω), στℚ(ω)=ℚ(ω), σ2τℚ(ω)=ℚ(ω)
となるので、ℚ(ω)はその共軛体と一致する。
演習問題2
任意のβ∈σKに対し、あるα∈Kが存在してβ=σ(α), α=σ-1(β)。
また任意のγ∈Gal(L/σK) はσK上恒等なLの自己同型なので、β=γ(β)。
γ∈Gal(L/σK) はσK上恒等だから、補題7.2.2によりF⊂σK上恒等なのでγ∈Gal(L/F)。
Gal(L/F)とLにおいて、α=σ-1(β)=σ-1γ(β)=σ-1γσ(α)なので、
τ=σ-1γσ∈Gal(L/F)とおけばτはK上恒等だから、τ=σ-1γσ∈Gal(L/K)となり、
したがってγ=στσ-1∈σGal(L/K)σ-1。故にGal(L/σK)⊂σGal(L/K)σ-1。
補題7.2.4の証明でGal(L/σK)⊃σGal(L/K)σ-1は証明されたから、
Gal(L/σK)=σGal(L/K)σ-1である。
演習問題3
σ∈Gal(L/K2)とすると、σは K2上恒等なLの自己同型だが、
K1⊂K2だから、σは K1上恒等なLの自己同型になるのでσ∈Gal(L/K1)。
したがってGal(L/K2)⊂Gal(L/K1)。
演習問題4
ℚ⊂LはGalois拡大なので、命題7.1.3によりℚ(∛2)⊂LもGalois拡大で、
Lでℚ(∛2)上のωの分離既約多項式x2+x+1 は完全分解するから、
[L:ℚ(∛2)]=2。したがって定理7.1.5(c)により|Gal(L/ℚ(∛2))|=2。
演習問題3によりGal(L/ℚ(∛2))はGal(L/ℚ)≃S3の部分群で、
さらに定理7.1.1(b)によりℚ(∛2)はGal(L/ℚ(∛2))の固定体となる。
このような位数2の群は<τ>→(23)のみであるから、
Gal(L/ℚ(∛2))=<τ>。
ℚ(∛2ω)⊂L, ℚ(∛2ω2)⊂LもGalois拡大で、同様に議論できるので、
Gal(L/ℚ(∛2ω))=<σ2τ>→(13), Gal(L/ℚ(∛2ω2))=<στ>→(12)。
L⊂LはL上恒等だからGal(L/L)={e}。
またℚ⊂Lはℚ上恒等な自己同型だから、Gal(L/ℚ)≃S3そのものである。
演習問題5
写像σ→σ|Kは明らかに積・単位元・逆元を保つから群準同型なので、
(7.9)式が従う。
演習問題6
|Gal(L/ℚ)|=6だから、自明でないGal(L/ℚ)の部分群は、
位数2または3を持たなければならない。
位数2の有限群は2次巡回群C2に同型なものしかないので、
位数2の元1つだけから生成される。
このような群は<τ>,<σ2τ>,<στ>だけである。
また、位数3の有限群は3次巡回群C3に同型なものしかないので、
位数3の元1つだけから生成される。
このような群は<σ>=<σ2>だけである。
したがって、図式(7.7)の群がGal(L/ℚ)の全ての部分群である。
0 件のコメント :
コメントを投稿