2011-06-18

コックス「ガロワ理論」 7.2節の演習問題2


演習問題7
FLGaloisだから定義により有限次拡大で、命題7.1.3によりKLGalois
また補題7.2.2と命題7.1.3によりσKLGalois
すると補題7.1.5によりGal(L/σK)=σGal(L/K)σ-1である。

K=σKならGal(L/K)=Gal(L/σK)=σGal(L/K)σ-1
逆にGal(L/K)=σGal(L/K)σ-1とするとGal(L/K)=Gal(L/σK)
定理7.2.5によりGal(L/σK)Gal(L/F), Gal(L/K)Gal(L/F)なので、
Gal(L/F)の部分群の固定体について定理7.1.1(b)により、
K=LGal(L/K)= LGal(L/σK)=σK

演習問題8
(a)
H G部分群なのでh,h1Hならh1hh1-1H だからHNG(H) だからeNG(H)
gNG(H)なら、hH に対しh1H が存在してh=gh1g-1Hより、
h1=g-1hg=g-1h(g-1)-1Hだから、g-1NG(H)
g1,g2NG(H)ならg1g2h(g1g2)-1=g1(g2hg2-1)g1-1NG(H)だから、g1g2NG(H)
したがってNG(H)Hを含むGの部分群。

(b)
定義によりすべてのgNG(H)に対しgHg-1=Hだから、
HNG(H)の正規部分群。

(c)
nNを任意にとると、HNの正規部分群なので、
全てのhH に対しnhn-1Hだから、NNG(H)
したがって、Hを正規部分群に持つGの部分群は、
全てNG(H)の部分群となるから、NG(H)がそのような部分群で最大のものである。

(d)
HGの正規部分群なら、全てのgGに対しghg-1Hだから
GNG(H)GによりNG(H)=G
逆にNG(H)=Gなら、NG(H)の定義によりHGの正規部分群となる。

演習問題9
(a)
X={σ1K,...,σrK },σGal(L/F)とし、写像Gal(L/F)×X→2Lを、
σ·(σiK)=(σσi)K (1ir)で定義し、これをσσiKと書くことにすると、
e·(σiK)=iK=σiK, またg1,g2Gal(L/F)について
g1·(g2·(σiK))= g1·(g2σiK)=((g1g2)σi)K)=(g1g2)σiKとなる。

σ·(σiK)=σσiKσσiGal(L/F)だから、σσiKKの共軛体で、
仮定によりKの相異なる共軛体はσ1K,...,σrKで尽くされているから、
あるj (1jr)が存在してσσiK=σjKXとなる。
したがって上の写像の像はXである。

以上によりこの写像は定義A.4.1を満たすから、Gal(L/F)Xへの作用である。

(b)
(問題文の「Nの正規化群」は「N」、
もしくは同じことだが「Gal(L/K) の正規化群」の誤植)
Kの固定部分群Gal(L/F)K={σGal(L/F)|K=σK}の元σについて、
演習問題7によりGal(L/F)においてGal(L/K)=σGal(L/K)σ-1が成り立つから、
σNGal(L/F)(Gal(L/K))=Nとなるので、 Gal(L/F)KN

逆にσNGal(L/F)(Gal(L/K))なら定義により
Gal(L/F)においてGal(L/K)=σGal(L/K)σ-1だから、演習問題7により、
K=σKとなり、σGal(L/F)K。故にGal(L/F)KN

以上によりGal(L/F)K=N

(c)
定理A.4.9により[Gal(L/F):N]=|Gal(L/F)·K|
σGal(L/F)として、作用Gal(L/F)·KによってK共軛体σKXへ移るが、
仮定によりこのような共軛体はσ1K,...,σrKで尽くされているから、
|Gal(L/F)·K|=|X|=r。したがって[Gal(L/F):N]=r

演習問題10
(ω,2)の任意の元αは、f(x1,x2)を用いてα=f(ω,2)と表され、
τは自己同型だからτ(α)=f(τ(ω), τ(2))=f(ω2,2)
ω2=ωだから、τは複素共役を取る写像の(ω,2)への制限とみなせる。

演習問題11
(a)
6.2節演習問題1で示した。Gal(L/)D4である。

(b)(c)(d)
Gal(L/)の全ての部分群は{e},<σ>,<τ>,<στ>, Gal(L/)で、
στは可換なのでD4Abel群だから、Gal(L/)の部分群は全て正規部分群。
故に定理7.2.5によりLの部分体はその共軛体と等しい。

(√2)Lは命題7.1.3によりGaloisで、
(√2)x2-3の根を入れ替える群<σ>の固定体。
同様に(√3)x2-2の根を入れ替える群<τ>の固定体、
(√6)x2-2x2-3の根を同時に入れ替える群<στ>の固定体、
Gal(L/)の固定体で、L{e}の固定体である。
以上により、部分群の図式は












で、対応する部分体の図式は
























最初部分体を(√2)(√3)しか思いつかなかったが、

<στ>に気付き、(√6)が見つけられた。
これが見つかっちゃうのがGalois対応の威力か。ちょっと感動。

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