演習問題1
命題6.1.4(a)によりσ(αi)はpiの根だから、、各σ(αi)のとりうる値は高々deg(pi)通り。
(piが分離的でなければdeg(pi)より小さい)。命題6.1.4(b)により、
σ(α1),..., σ(αn)の異なる可能な組み合わせの数が|Gal(L/F)|だから、
|Gal(L/F)|≤deg(p1)...deg(pn)。
演習問題2
5.1節演習問題13においてℚ(√2)上でh=x2-3を考える代わりに、
ℚ(√3)上でg=x2-2を同様に考えることで、ℚ(√3)上恒等写像であって、
τ(√2)=-√2となる体の同型τ: L→Lが構成され、τ∈Gal(L/ℚ)。
τ≠σだから、τ∘σ∈Gal(L/ℚ)はℚ上恒等写像でτ∘σ(√2)=-√2、τ∘σ(√3)=-√3となり、
(6.1)の符号のすべての可能性が起こる。またτ∘σ=σ∘τ。
したがってGal(L/ℚ)⊃{1,τ,σ,σ∘τ}だから|Gal(L/ℚ)|≥4。
演習問題1により|Gal(L/ℚ)|≤deg(g)deg(h)=4だから、|Gal(L/ℚ)|=4。
演習問題3
(a)
ψ: Gal(L1/F1)→Gal(L2/F2) (σ→φ∘σ∘φ-1)は明らかに群準同型。
Gal(L1/F1), Gal(L2/F2)の単位元をそれぞれe1,e2とし、
φ(α1)=α2 (α1∈L1, α2∈L2)とすれば、ψ(σ)=φ∘σ∘φ-1=e2のとき
α2=e2(φ(α1))=φ∘σ∘φ-1∘φ(α1)=φ∘σ(α1)。したがってσ(α1)=φ-1(α2)=α1
が任意のα1∈L1について成り立つからσ=e1である。
したがってKer(ψ)={e1}だから、ψは同型写像となり Gal(L1/F1)≃Gal(L2/F2)。
(b)
(a)でF1=F2=Fとすれば、命題6.1.11が従う。
演習問題4
(a)
α≠0として(1)'=(α/α)'=α'/α'=1∈Ω'。
(b)
Dedekindの写像の核は環としてのΩのイデアルになるが、
Ωは体だから、イデアルは{0}とΩのみである。
核がΩなら任意のα∈Ωについて、Dedekindの写像の作用によってα→α'=0。
これは「α', β'...がすべて0であることはない」事に反する。
Dedekindの写像の核は{0}だから、写像は1対1。
明らかに上への写像だから、環同型写像である。
1=(1)'=(αα-1)'=α'(α-1)'なので(α-1)'=α'-1だから、体同型である。
・・・ノーテーションがだいぶ曖昧だが。
演習問題5
(a)
√2, √3,√5のℚ上の最小多項式はすべて2次式だから、
演習問題1により|Gal(ℚ(√2,√3,√5)/ℚ)|≤2·2·2=8。
(b)
piが素数なら√piのℚ上の最小多項式はすべて2次式だから、
演習問題1により|Gal(ℚ(√p1,...,√pn)/ℚ)|≤2n。
演習問題6
√6·√15=3√10より√10∈ℚ(√6,√15)だから、実はL=ℚ(√6,√15)なので、
|Gal(L/ℚ)|≤4。
演習問題7
(a)
σは環準同型で、Ker(σ)はLの環としてのイデアルだが、
Lは体だからKer(σ)={0}またはL。
Ker(σ)=Lならa∈Fについてもσ(a)=0だから、
σがF上恒等写像であることに反する。
したがってKer(σ)={0}だからσは1対1。
(b)
F上のベクトル空間としての基底を
1, v1,...,vn-1 (n=[L:F])とし、α=a0+a1v1+...+an-1vn-1(a0,...,an-1∈F)とすると、
σ(α)=a0+a1σ(v1)+...+an-1σ(vn-1)。
あるl0,...,ln-1∈Fが存在してl0+l1σ(v1)+...+ln-1σ(vn-1)=0になったとすると、
σはF上恒等な環同型だから、σ(l0+l1v1+...+ln-1vn-1)=0より(a)から
l0+l1v1+...+ln-1vn-1=0となる。
1, v1,...,vn-1の線形独立性からl0=...=ln-1=0なので、1,σ(v1),...,σ(vn-1)は線形独立。
したがって、線形写像α→σ(α)の階数はnとなり、
任意のγ∈Lについて逆像σ-1(γ) ∈Lが一意に存在するから、σは全射。
故にσは環の自己同型である。
任意のγ∈Lについて、σはF上恒等なので1=σ(1)=σ(γγ-1)=σ(γ)σ(γ-1)だから
σ(γ-1)=σ(γ)-1なので、σは体の自己同型。
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