演習問題1
(a)
τ1,...,τrは互いに共通部分を持たないサイクルだから、
τ2,...,τrは{i1,...,il}に対しては恒等置換なので、
{i1,...,il}へのσの作用としてはτ1の作用だけを考えればよい。
(A.1)式より、τ1は{i1,...,il}を巡回的に並べ替え、またτ1l=eなので、
任意のij∈{i1,...,il}について、σm(ij)=τ1m(ij)=i[j+m]l (m∈ℤ)となる。
ただし[j+m]lはA.5 Bで定義された、lを法としたj+mの剰余類である。
これよりH·ij={i[j+m]l}={i1,...,il}となるから、
j=1として{i1,...,il}はHの作用に関するi1の軌道である。
(b)
Hは巡回群なので、定理A.1.1(Lagrangeの定理)とA.4.9により
ο(σ)=|H|=[H:Hij]|Hij|=|H·ij||Hij|で、(a)により|H·ij|=lだから、l|ο(σ)。
実際、h∈Hijはσの冪乗のうち、ijを不変に保つ作用なので、
(a)により、ij=h(ij)=σm(ij)=i[j+m]lだから、[j+m]l=jよりl|m。
位数の定義によりσο(σ)=e∈Hijだから、l|ο(σ)でなければならない。
が、このようにHijを直接調べなくても、
定理A.4.9によりHが作用する集合とHの位数が関係付けられる。
演習問題2
S1·0={0}で、固定部分群はS1自身。
演習問題3
(a)
△の頂点の集合X={1,2,3}への置換としてS3は作用し、可移である。
(b)
S3, A3が固定部分群になる点は存在しない。
<(12)> が固定部分群になる点はp=3、
<(13)> が固定部分群になる点はp=2、
<(23)> が固定部分群になる点はp=1、
{e} が固定部分群になる点はp=1,2,3。
演習問題4
e·h=ehe-1=h。
またf,g,h∈Gとしてf·(g·h)= f·ghg-1= fghg-1f-1=(fg)h(fg)-1=(fg)·hなので、
定義A.4.1が満たされるから、g·h=ghg-1はGの自分自身への作用である。
(a)
任意のh∈G·gについて、作用の定義によりあるf∈Gが存在して、
h=fgf-1となるからG·g=Cg。
gの固定部分群をGgとし、h∈Ggならh·g=gよりhgh-1=gなので
hg=ghとなりGg⊂C(g)。
逆にh∈C(g)ならhg=ghよりh·g=hgh-1=gなのでh∈Ggだから、C(g) ⊂Gg。
したがってC(g)=Ggなので、gの固定部分群はgにおけるGの中心化群
(b)
(a)により、命題A.4.9から[G:Gg]=[G:C(g)]=|G·g|=|Cg|。
演習問題5
GのXへの作用が可移であることは、定義A.4.10により、
全てのx,y∈Xについてg·x=yとなるg∈Gが存在することと同値だから、
全てのx∈XについてG·x=Xとなることと同値である。
逆にあるx∈XについてG·x=Xが成り立ったとすると、
任意のy,z∈Xにについてあるg,h∈Gが存在してg·x=y, h·x=zとなるから、
z=h·x=h·(g-1y)=(hg-1)·yとなるhg-1が常に存在するので、
全てのx∈XについてG·x=Xとなる。
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